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★主要なタックス・ヘイブンの世界地図
http://www.777money.com/yougo_kolumn/yougo/tax_haven.htm
つまり、タックス・ヘイブン退治に立つべき先進国が、最大のタックス・ヘイブンでもあるという事実!モラルハザード(≒倫理の欠如)、ここに極まれりって感じがしませんか。
ちなみに、東電の社長と泉田新潟知事が対談している時に、「モラルハザード計画ですか?」などと語っていて印象的な場面でした。
また、ブリテン島近辺のジャージー、ガーンジー、マン島も有名なタックスヘイブンで、なんと英女王の私有の属領だということにはビックリ。まさか女王が脱税などしていないと思うのですが…。
しかし、著者の志賀さんは、国連などで「旧宗主国が旧植民地であるタックスヘイブンの擁護に回ることがある」、「国際舞台で、イギリスの大蔵省はバハマ(タックイヘイブン)の擁護にまわるあまり、常識にももとる発言があった」などもあります。
そういえば、昔から映画007では悪事を働く大財閥らしきボスが、スイスの秘密口座を利用しているという話しになっています。
スイスには「銀行秘密保護法」があるのに、アメリカの圧力に屈して個人情報を開示したので、世界から非難されたことがあるようです。
個人情報を秘すのがタックス・ヘイブンの役割なのにアメリカが相手だと秘密を漏らしてしまうのですから…。つまり、強迫されたのでしょう。これじゃあ、やくざのやりとりです。まるでやくざ国家です。
英国ではタックス・ヘイブンのシティで得た金額が租税収入の約10%を占めているみたいです。タックス・ヘイブンを守ることが英国の「国益を守っている」と志賀さんは書いていますが、それが「国益」になるのでしょうか。
米国が取れるべき税が取れなかった額として、2001年3450億ドルと推計しています。英国でも国外に逃げていった税金があったはずで、どうして「国益」になるのでしょうか。
安倍政権も最終目標として、この租税回避地を日本国内に作りたがっているのではないかと疑っています。
なぜって、「国家戦略特区」とは、「世界で一番ビジネスのしやすい環境」を整えるという構想です。企業への規制の撤廃や税制の見直しを「特区」の中で認めるというものです。
つまり、兜町をウォールストリートにしようという魂胆なのでは?
隠れてタックス・ヘイブンを作り既成事実にしてしまえば、もう元には戻れません。後の祭りです。また、それらは「特定秘密」にしてしまえばいいのですから…。
なお、現在示されている構想の中に、東京都においては、法人実効税率も都税相当分を全額免除し、20%という低い税率にすることを盛り込んでいるみたいです。
つまり、丸得するのが「特区」です。そうなれば、東京だけが活況を奏して、それ以外のところは沈没してしまう…。
およそ、いつも地方は置き去りされるか切り捨てられている。中央と地方の格差はさらに広がる。
そこを「タックス・ヘル」にする方法を誰か考えてくれないかと思うのです…。
2011年ごろは24時間落ち着けず不安でしたが、最近では睡眠剤を飲むこともめったにありません。
また、本来は読書好きなほうなのに読書に身が入らずにいましたが、この頃は以前よりも読書欲が高じたように思います。不安定で無気力に過ごした時間を取り返すかのようです。
読了したばかりのものは『タックス・ヘイブン』です。志賀櫻著の岩波新書です。苦手の分野ですが、なんと一気に読めてしまったので、それにもビックリです。
著者が金融機関の取り締まりの最前線で働いたプロゆえ、実際に起きた事件を取り上げているので面白かったのだと思います。
★志賀櫻http://www.attorney-shiga.com/
ところで、昨年の漢字一文字は「怒」だと賀状に書いたりしていましたが、今年も「怒り」から始まってしまいました。元旦の東京新聞のスクープ記事のことです。
★東電、海外に210億円蓄財 公的支援1兆円 裏で税逃れ
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014010190070819.html
国から公的支援1兆円をもらっている企業がすることなのでしょうか。国民が納めた税金が、このとんでもない企業へと流れた。
しかも、東電は事故対策にケチって汚染水を大量に流出させてしまった…、もうここまで来ると怒りを通り越してしまったかも…。
この210億の蓄財にタックス・ヘイブン(租税回避地)が利用されていたのです。
志賀さん曰く。「タックス・ヘイブンは魑魅魍魎の跋扈(ばっこ)する伏魔殿である」とバッサリ!
「脱税をはたらく富裕層だけでなく、不正を行う金融機関や企業、さらに犯罪組織、テロリスト集団、各国の諜報機関までが群がる」
なんと諜報機関もです!まるで映画みたいです。
「タックス・ヘイブンではCIAなども犯罪収益を利用するようなダーティなことをする場合がある。CIAによるイラン・コントラ事件はその一例である」と。
なお、原発事故と同時期くらいに起きた「オリンパス事件」でもタックス・ヘイブンが利用されたみたいですよ。
しかし、どれほど有り、どれほどの規模で利用されているのか、また悪質さも分からずにいましたが、この本を読んで、ここもメチャメチャだと知ったところです。
ハッキリ言えば、「1%」がタックス・ヘイブンなるものを考え創設し、そして徹底利用している。税金逃れをしたり収益を隠したり、汚いマネーを洗浄(マネー・ロンダリン)するなど、あらゆる利用法を考え駆使している。
たとえば、金融商品を駆使したマネー・ゲームの殆どでタックス・ヘイブンが用いられています。そのマネー・ゲームによって世界的な金融危機が巻き起こった。
それなのに、奇怪な金融商品を開発したばくち打ちみたいな金融機関や企業の破たんを救済した。つまり、「税金泥棒を救済するために税金が使われた」のですから、何をか言わんやです。
さらに、「タックス・ヘイブンの規制強化」などとよく述べているのが、それを盛んに利用している「1%」です。本腰で規制することなどない!とわかるでしょう。もうはじめからメチャメチャなのです。
このような悪事を支えるカラクリを、「99%」はもっと知る必要があると思う。必読の書です。
★タックスヘイブン ケイマン諸島へ日本の投資残高 55兆円
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-25/2013082501_01_1.htm
★タックスヘイブンの調査報道に世界中の企業と富裕層が戦々恐々
http://www.junpay.sakura.ne.jp/index.php?option=com_content&view=article&id=1256:155&catid=27:2008-12-26-11-25-27&Itemid=29
★タックス・ヘイブンの規制強化 山口和之
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200911_706/070603.pdf
★国税庁、「大量のタックスヘイブン資料入手」と公表(NHK2013/6/1)|オーストラリアの税務当局からの資料提供だという
http://hashigozakura.wordpress.com/tag/%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%98%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%B3%E5%9C%B0%E5%9B%B3/
豊田市美術館で、赤坂憲雄さんの講演を聴くことができました。
赤坂さんは民俗学者として知られている方ですが、福島県立博物館館長でもあり、今回の講演はその立場でのお話でした。
講演では、「他の国では博物館と美術館の境界はあまりなく、日本のように催す内容がクッキリと分かれていない」ということでした。
ですから、赤坂さんは文化財の収集や研究や展示だけでなく、活用や継承なども考えて、博物館に新しい風を起こそうとしているみたいです。
赤坂憲雄館長の挨拶
http://www.general-museum.fks.ed.jp/10_chief/10_chief.html
ところが、その数日後に読んだ本が、堤未果著の『貧困大国アメリカⅡ』です。
アメリカの博物館館長が、広島に原爆を投下したエノラ・ゲイ(B29)の展示を企画していたというものです。
日本の博物館では考えられない企画です。また、赤坂さんのお話は本当なんだなと確認できてついニンマリしました。
しかし、この企画は大変に厳しい批判にさらされて通らなかったようです。
原爆投下は正しい判断だったと大方のアメリカ人は思っており、日本人でも、かつての敵国の人たちと同様に理解している人たちが少なくありません。
事実誤認も甚だしいのに、本当のことをいまだに知ろうとしない人たちばかりです。
なんだかキナ臭い悪臭が漂ってきて、嫌なことばかり想像してしまいます。歴史から学ばないというか、学べない人たちが権力を持つと、どういうことになるのかと…。
古代史は丁寧な授業を受けたと記憶していますが、明治維新以降になると時間切れ。
たぶん、そういうことがずっと続いていたみたいです。そんな戦後の歴史教育の結果が、今日ような有様を招いたのでしょうか?
ところで、堤さんの著書から、アメリカの国立スミソニアン航空宇宙博物館の当時の館長だったハーウィットさんのお話の部分だけ転載させてもらいました。
ただし、この館長さんは更迭されました。どうやら、世界中どこでも、欲に目がくらんだ人たちが力を得て、まっとうな考えを持つ人たちが排除されたり冷遇される運命みたいです。
「これを単なる飛行機の展示にとどまらせず、「原爆投下」の裏にある歴史的背景を広く知らしめる機会にしたいと考えた。
あの原爆が日本人にもたらした被害や、原爆投下が世界の力関係にもたらした新しい核の恐怖など、アメリカ国民が目を向けるべきものがたくさんあるのではないかと思いました。
歴史教育は国籍や宗教、世代に関係なく、今現在の社会的問題や個人が直面する問題を解決し、進化させることのできる、最も優れた手段の一つだと私は確信しています。…中略…
いかに速く高く遠くまで飛べるか、いかに強力に敵を攻撃できるかなどという説明を並べて何になるのか。
戦争はゲームなどではなく、人間がそれによって死ぬのだ という事実を子どもたちにハツキリと教えなければいけない。…中略…
その時代の人々がなぜそういう決断をするに至ったのか、そのプロセスを正確な事実をもとに理解することです。
なぜなら、それをしない限り、人間は過ちを繰り返すからです」
《参考資料》
★広島に原爆を投下したB29爆撃機「エノラゲイ」展示と抗議行動
http://www.gensuikin.org/kkj/links/us/smithsonian.html
★日本は降伏しなかったから、原爆を投下された!?
http://www.jiyuushikan.org/jugyo/jugyo43.html
★原爆投下不必要論
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/hiroshima_nagasaki
/why_atomic_bomb_was_used_against_japan/01.htm
随分と以前になると思いますが、「なにかお奨めの小説とか良い作品があったら教えてほしい」というメールを頂いていましたが、やっといいものを見つけました。
著作権の消滅した作家の作品が載っているサイトです。もう多くの人たちに知られているのでしょうね。
短編ですから、すぐに読めそうなものをご紹介したいと思います。お気に召していただければいいのですが…。
★坂口安吾『もう軍備は要らない』
http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45748_24336.html
一部のみ転載
「人に無理強いされた憲法だと云うが、拙者は戦争はいたしません。
というのはこの一条に限って全く世界一の憲法さ。
戦争はキ印かバカがするものにきまっているのだ。
四等国が超Aクラスの軍備をととのえて、目の玉だけギョロつかせて威張り返って睨めまわしているのも滑稽だが、四等国が四等国なみの軍備をととのえ、それで一人前の体裁がととのったつもりでいるのも、同じように滑稽である」
★原民喜 『夏の花』
http://www.aozora.gr.jp/cards/000293/files/1821_6672.html
広島での被ばく体験をもとに創作された作品です。
一部のみ転載
「私は厠にゐたため一命を拾つた。
八月六日の朝、私は八時頃床を離れた。前の晩二回も空襲警報が出、何事もなかつたので、夜明前には服を全部脱いで、久振りに寝巻に着替へて睡つた。
それで、起き出した時もパンツ一つであつた。
妹はこの姿をみると、朝寝したことをぷつぷつ難じてゐたが、私は黙つて便所へ這入つた。
それから何秒後のことかはつきりしないが、突然、私の頭上に一撃が加へられ、眼の前に暗闇がすべり墜ちた」
チリ出身で東京在住のヴェロニカ・ランソデールは、リビアについての間違ったイメージが日本に広がっていることに警鐘を鳴らす。
「私はリビアに沢山友人がいるけれど彼らは高学歴・高福祉の国であるリビアを誇りに思っています。
アフリカ大陸で最も生活水準が高いリビアでは、教育も医療も無料で、女性も尊重されている。
日本の人たちは、そういうことを知っていますか?
国民は、電気代の請求書など見たことがありません。42年間も政権を維持できたことには、ちゃんと理由があるんです」
カダフィは全ての国民にとって、家を持つことは人権だと考えており、新婚夫婦には米ドル換算で約5万ドルもの住宅購入補助金を、失業者には無料住宅を提供し、豪邸を禁止した。
車を購入する時は、政府が半額を支払う。
電気代はかからず、税金はゼロ。教育、医療は質の高いサービスが無料で受けられる。
もし、国内で必要条件に合うものが見つからなければ、政府が外国へ行けるよう手配してくれる。
大家族の食料費は固定相場、全てのローンは無利子でガソリンは格安。
農業を始めたい国民には土地、家、家畜、種子まで全て国が無料で支給、薬剤師になりたい場合も必要経費は無料だ。
42年間、カダフィが権力の座に就く前に10%以下だった識字率は、今は90%を超えている。
これらの政策を可能にしていたのは、アフリカ最大の埋蔵量を誇る石油資源だった。
………………………………………………………
以上は、堤未果さん著の『政府は必ずウソをつく』の中にある文を転載したものです。
リビアがこんな国だったとはまるで知らずにました。カダフィ大佐は何度も整形手術した醜い顔で、まさに“アラブの狂犬”と言われただけはあるような…。
リビアは北アフリカにあり、日本よりも社会福祉が遅れた、砂漠の貧しい国だと思い込んでいたのではないでしょうか。
彼の破壊されたかつての豪邸が、テレビ画面に何度も映し出されたと聞いています。
そして、「独裁者は倒された」という感じで、「アラブの春」と言われていたはず。
この本のタイトルは、政府の嘘ですが、政府の意を受けたマスコミも嘘をついていたようです。
欧米の通信社の流すニュースを何の疑いもなく日本のマスコミも流した。
嘘だと知って流したマスコミもあったかも…。見事に私たちは騙されてしまったのでしょうか。
イラクが大量破壊兵器を持っていると言う名目で戦争を仕掛けたのはアメリカです。
しかし、大量破壊兵器は無かった。大嘘をついたブッシュ政権。イギリスもだ。
そのアメリカの家来として日本の自衛隊は兵站を任されて遠いイラクにまで行った。
つまりは、私たちが支払った税金がイラクの人々を殺すのに使われた。
騙されて、言いように利用された。当時の自民党政権、大嘘だわかった現在でも加担したことを謝罪しない。
そこに使った税金を返せよ! 死んでいった罪なき人の命を返せ!と言いたい。
これだけではないのだ。9.11も大芝居だった。
嘘で固めて、でっあげをして、自国民何千人もの犠牲もなんのその…、
ことほどさように、嘘、嘘、嘘の連発、連続、連打であったとは…。
まずは、以前のリビアがどういう国だったのか、私たちは知る必要があると思う。
★堤さんのオフィシャルウェブサイト
http://mikatsutsumi.org/
対談者のプロフィール
孫崎 享(まごさきうける)‥日本の元外交官、元防衛大学校教授、評論家。
孫崎さんのツイッターhttps://twitter.com/magosaki_ukeru
天木 直人(あまきなおと)‥元駐レバノン日本国特命全権大使、作家。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
『戦後史の正体』(孫崎享・創元社)、これは凄い本です。一気に読了しました。
著者が高校生でも読めるように書いたようです。実際、わかりやすく読みやすく、全ての高校生に読んでほしいと思うほどの内容です。
全く聞いたことのない情報を、根拠を示して取り上げています。しかも、著者自身が外務省の官僚で、ウズベキスタンやイランの大使を歴任しており、国際情報局長まで務めている人なので、説得力があります。
戦後史を一つの切り口でざっくりと、気持ちよく切り込んでいます。つまり、「アメリカ追従路線」と「自主独立路線」という切り口です。著者自身が自ら「自主独立路線」だと明らかにしている点でも説得力があります。
なぜ日本はこんなにも米国に従属的なのか、依存的なのかと不審に思ってきた人たちはたくさんいると思いますが、その謎が解ける内容です。
中国という大国と日本との間に何か起きれば、米国が日本を守ってくれるという幻想を抱いている方を結構見かけますが、それはあり得ないことだとわかるのではないでしょうか。
ところで読んでいる最中、少し背中がゾクゾクしました。敗戦後の昭和20年代頃にあった下山事件、三鷹事件、松川事件という一連の事件のことを思い出してしまったからです。米国の諜報機関が関わっていると予想される背中が凍るような怖い事件です。
なお、この事件を取り上げている松本清張の『日本の黒い霧』なども、読まれるとよいのではないかと思います。
自民党総裁選が始まりますが、こんどの立候補者5人は全て改憲論者たちばかりです。全て「アメリカ追従路線」の人たちです。
米国の指導で作られたのが日本国憲法です。しかし、今ではアメリカに対して日本の国益を守る防波堤になっているのが第九条だと考えられます。
なお、この切り口であれば、私も「自主独立路線」に入ります。ですから、九条を守ることが大切だと考えています。
自民党の党員に多いのですが民主党員の多くも、米国が作った憲法など変えるべきだと、いかにも「自主独立路線派」のようなフリをする人がいます。また、本人も自主独立論者だと思っているのかもしれません。
しかし、実際には、米国の意向を受けて、米国の言いなりになっている議員たちばかりではないでしょうか。むろん、外務官僚たちもです。そういう人たちが、平和憲法を改憲しようとしているのです。自分が何をしているのか、わかってしているのかと‥。
卑屈なまでに米国従属を続けてきた国が私たちの国・日本です。そんな中で改憲されたならば、米国に好きなだけ利用されるのではないかと非常に恐れています。危惧しています。不安になります。
歴史を知ることは、現在の自分を知ることです。大国とつきあうとはどういうことなのか。どうしたら主権を守れるのか。対等な関係が作れるのか。、それを歴史からが学びとる必要があると思います。
危険な道に進まないために‥、若い人たちに、自分の拠って立っているこの国が、どんな国なのか知ってほしいと思っています。
★孫崎享さんの『戦後史の正体』を100頁無料ダウンロードできます。
→ http://www.sogensha.co.jp/pdf/preview_sengoshi.pdf
★孫崎享さんの講演「「日米同盟と原発について考える」
9/16 IWJ 愛知Ch1 録画
http://www.ustream.tv/channel/iwj-aichi1?rmalang=en_US#/recorded/25448063
世の中がだんだんとおかしな方向に突き進んでいるとしか考えられず、気持ちが落ち込んでやる気が出ません。夏バテしていたせいなのかもしれませんが…。
少しでも気を引き立てられるものを探そうと努めていたら、幸運なことに出会うことができました。『逝きし世の面影』という素晴らしいタイトルの本です。著者は渡辺京二さんで、刊行は葦書房。
江戸末期と明治初期に来日した外国人たちが書き表した旅行記とか日記などから、その頃の日本の有様を描写しています。
なんと、彼らからは地上の天国みたいな国に見えていたのでした。日本は子どもの楽園で、うっとりするような自然景観に恵まれていた。
貧乏人でも貧しくなかった。快活でイキイキとして好奇心が強くて親切だった。礼儀正しく落ち着きがあり、健康に見えていたのだった。
渡辺さんは、そういうことをたくさんの資料から掘り出して事細かに書きまとめてくれている。
ホントにそうなのか、と疑う気持ちもあるが、外国人からはそのように見られていた、という一面も確かに事実としてあったらしい。
貧富の差が少なく、野鳥の楽園でもあり、江戸は田園都市で緑豊かな大都市だったことなど、とり上げたら幾つも素晴らしい一面が見つけられる。
約150年前のことで、曽祖父や曾祖母が生きていた時代のことだ。500ページ近い本だが二日で読了して、その後も何度も読み返している。
読むたびに、うれしい気持ちがこみ上げてくる。涙もにじみ出て、ご先祖さまの存在を身近に感じるようになってきたような…。
そして、その頃の日本人の遺伝子が私の内にも脈々と流れているのを実感できたりします。
天国のような国など無いことはわかっているのですが、肯定的な側面だけを見つめていたいという気持ちが圧倒的に今の自分を支えてくれているようです。
もしも、貴方も落ち込んでいたならば、目を通されるとよいのではとおすすめします。
昨年、岩手と福島の被災地に出かけてから、それまで関心を持っていなかった東北への興味が強くなり、東北に関する本をあれこれ読み漁っています。
とくに面白かったのは、『宮本常一とあるいた昭和の日本・14東北①』と、『同15東北②』(農山漁村文化協会刊行)です。
民俗学者である宮本常一さん自身の文章もありますが、昭和40~60年頃(1960~1980)の写真も収録されていて、郷愁を感じさせます。
また、ある地元の人からの聞いたことを書きまとめたものが特に印象に残りました。津波に出遭った体験談もあり、この部分をちょっと転載させてもらいました(青字の部分)。
①の中に収録されているもの
「ノーンノーンという不気味な音を海のほうに聞いたかと思うと、津浪が押し寄せてきた。明治29年(1896年)の三陸津浪は夕食時のことで、死者21953人、流失戸数6049戸。
昭和8年(1933年)3月3日の地震と津浪は、午前2時13分。この時も、ノーンノーンという津浪の押し寄せる音を聞いた者が多かった」
宮本さんは「津浪」と書いていますが、津波に「音」があるのか!?と思うのですが、昨年3月の報道に、それらしいものは見つかっていません。何故なんでしょうね。
違いがあるとしたら、昨年の津波は午後3時の昼間(地震発生14時46分18秒)に起きました。他の二つは、夕刻と真夜中です。
周囲の物音があまりない時間だったためか、あるいはその頃は経済活動が小さく静かな環境だったために聞こえたのでしょうか?
なお、明治頃の地方にある村落であれば、早くも夕方は就寝時間です。寝静まっていたから津波の音か聞こえたのかもしれません。
それにしても、津波の音が、ノーンノーンとあるところが意外という感じですが、よりいっそうの不気味さを感じさせますね。
②の中に収録されているものは、岩手県田野畑村の島越という部落に住む地元の女性(明治41年生まれ・1908年)の津波体験が載っています。
「昭和8年の津波の時は幾つだったか…。子どもが二人おりやした。大きな地震の後で、みな起きて寝ないでいやしたら、明け方の3時頃になって、じいさまが“津波だ!”って言うんで、素足で逃げやした。
今より戸数は多うござしたよ。けれども、この部落には死者はありませんでした。私の家もきれいに何にもなく流れさやしたけんど、岩泉辺りの親類たちが自分の山から木を切ってきて、3月3日の津波で流されてから6月10日には、新しい家さ入れるように建ててくれやした。
八寸角の栗の大黒柱が2階まで通って、松と杉と栗。他の材は一つも使ってないこの家は、どの大工さんに見せても、どっこも曲がったとこない。解すことはない、と言いまんもんで、建て替えず、もう53年になりやした。そうでごわす。舟も全部津波で流されやした。舟も全部作り直してもらって、世間の皆さまに恵んでもらってここまできたと思っておりやす」
ちなみに、明治29年の三陸地震は6月15日午後7時32分のこと。津波は、観測史上最高の海抜38.2m。巨大津波です。
津波の第一波は地震発生から約30分後の午後8時7分と記録されている。マグニチュード8.2~8.5と記録されており津波被害は甚大。
昭和8年の三陸地震は、3月3日の午前2時30分。津波は、海抜28.7mを記録しており、第一波は約30分後に到達したと考えられているようです。気象庁の推定によるとマグニチュード8.1です。
さて、現在のような仮設住宅ではなく、53年経ってもビクともしない堂々とした立派な家が建てられていたとは…。予想だにしないことでした。しかも、3か月も経たないうちに、しかも、立木を切り落とすところから始めていたのですから…。
ところで、岩手に行ったおりに泊まった民宿は、「曲屋」という東北の伝統的建築でしたが、「地震の時は、屋根が波打っていた」と、その家の主から聞いています。
屋根が波のようにうねっているのに、なんと、壁に「筋かい」は無いという。百三十年も持ちこたえています。東北に居た間は、ほぼ毎日のように地震がありよく揺れましたが、伝統建築の耐震性は素晴らしいものがあると、感じ入りました。
WEB書籍『原発と放射線 第3版』
著者は中山幹夫
日本語対応しない米アマゾンが、『原発と放射線』を初のテキストベースの日本語電子書籍として承諾したものです。
中山研究室 http://www.kuis.ac.jp/~nakayama/essay/atm.html
私たちは放射線と関わらずには暮らせなくなりました。
放射線について分かりやすく説明します。
子供を守ろうと望むすべての人に。パパママ必読です。
副タイトルは、「真実を知り、自分の身は自分で守るしかない」
これは、私自身も常々、よくブログでもつぶやいているセリフです。
お勧め本です。
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