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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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 7/16、バスジャックをして逮捕された山口県宇部市の中学2年の少年(14)が、県警の調べに対して供述していると報道されています。
 犯行の動機らしいものとして、「両親から“お前なんか死んでしまえ!”とののしられた。“児童相談所に行け!”と言われた」と書かれている。車内にいた乗客は、「少年は親から見捨てられたといい、親に恥をかかせたかったと言っていた」とある。

 ところで、現在、2006/06に起きた奈良の少年の自宅放火事件を調べています。この少年の父親は、「ウソをついたら殺すとか、カンニングするんだったら死んでしまえというようなことを言いました」と、裁判官とのやりとりで述べています。そして、「ただ、本当に殺すという気は毛頭ないんですけれども、そういう言葉を発したことは事実です」

 しかしながら少年のほうはウソをついたので「殺される」と思い込み、その結果として放火事件をおかしたと考えられます。なお、「字義通り性 」という言葉がありますが、字の意味のごとく、そのまんま受け取るという意味です。奈良の少年は、父親から「殺す」と言われて、本当に殺されると思ってしまったのですから‥。

 つまり、引き金みたいな役目をしたのが、「死んでしまえ」というセリフだと考えられなくもありません。それまでのいきさつから親子関係は悪かったと予想されますが、このセリフがなかったら、どうなっていたのかなと考え込んでいます。プチ家出だけで済んだという可能性はないのでしょうか?

 父親の怒りは一時のことで腹立ち紛れに言ったものに過ぎない、本心は違うと思える人がいます。しかし、そうはとらない子どもたちが他にもいるかもしれないと、ここから学べるのではないでしょうか。私の性格分析では、怖がりな気質の子どもであれば、それは本気だと受け取るだろうと予想するものです。

 バスジャックをしたほうの少年は、殺されるとは考えなかったようです。しかし、「親から見捨てられた」と思い込んだようではあります。親のほうでは頭に血が上って、つい言ってしまっただけで、見捨てる気持ちなど毛頭なかったのかもしれません。

 
「死んでしまえと(親が)言うなど、本気で言っているのではないだろう」と解釈する子どもであれば、悲劇は起きません。しかし、「親は自分に死んで欲しいと本気に思っている」と解釈する子どもたちがいることを、私たちはしっかりと聞き取るべきではないでしょうか。

 
そこまでは考えないが、「見捨てるつもりのようだ」と解釈する子どもが、攻撃性の強い気質の子どもであれば、事件を引き起す方向に進んでしまうのではないでしょうか。「覆水盆に帰らず」です。「死んでしまえ!」などという空恐ろしい言葉は、少なくとも家庭内では、たとえ冗談でも使うべきではないと考えます。

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