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枡野さん語る。(前編9ページ17段目)
( 「はるかなる息子へ言葉を届けたい」歌人は詩人に相談をした・前篇 )
http://www.bungaku.net/wasebun/read/pdf/tanikawa_masuno01.pdf
「CDに短いメッセージが添えられ、“おれも女で苦しんだことがある”って書いてある。“谷川さん、男らしいな”って思ったんです。僕は、どちらかというと、子どもに会えないことが苦しいから、離婚を“子ども問題”として受け止めていた。」
枡野さんのエニアタイプは2w1と判定していますが、タイプ2のことを「何につけても男、男、と連発する傾向がある」と書いたことがあります。
離婚を体験すれば苦しいのは当たり前で、そのまま正直に語っているだけです。「正直=男らしい」とはとても考えられません。
(ちなみに、いつもふつうに正直でいられる人がいます。また、自分の弱さも正直に語れる人もいます。しかし、虚勢をはったり正直な自分を出せない人間は、とかく弱い自分をさらけ出せないようです。
そんな人間は、苦しんでいる自分を出せず、隠す傾向があるので、正直な人間を「強い人間」だと思うようです。そして、「強い=男らしい」になる可能性があります。ただし、枡野さんが該当するとは思っていません。誤解しないでください。)
タイプ2の男性は、女性性の強い気質ゆえ、「男らしい」と思われたい願望が強く、また、他の男もそうだろうと思い込んでおり、さらに、それが「普通だ」ということになっているのではないか。
従って、「男らしいな」と言うことは、枡野さんが谷川さんを持ち上げているとも考えられます。2w1の人の中には、善い人間に思われたい願望が強く、ヨイショしたり、持ち上げるということもよく見かけるものです。
また、離婚は、男女あるいは夫婦の問題であり、子どもの事はそれに付随する問題だと考えるのが一般的です。
それなのに、離婚を「子ども問題」として捉えています。子どもという存在が大きいと予想されます。枡野さんはお母さん気質なのですから、さもありなん、というところですが。
一方、これに対する谷川さんの返事は、「小さい子どもを相手が握って離さなかったら、ぼくはきっと苦しむと思うよ。もっと攻撃的になると思う」
調べてみたら、谷川さんが奥さんと離婚したのは、子どもが29歳の時です。小さな子どもではありませんから、子どものことで争いになる可能性はありません。。
また、谷川さんは「もっと攻撃的になると思う」と返事しておられますが、子どもが小さくて母親を慕っていたら、谷川さんはすぐに子どもを手離すのではないかと予想します。
なぜならば、谷川さんのエニアタイプはタイプ4です。本質的に母親を慕うタイプで、父親の影は薄くなる傾向があります。
たとえば、妻が子どもを顧みず、子どもも母親を嫌っているのに、妻が意地になって親権を主張して子を手離さないのだとしたら、彼は子どものために攻撃的になって闘うことも考えれます。
谷川さんは、子の不幸を座してみている方ではないと思うのです。もっとも精神的な余裕がなく自分に自信のないタイプ4の親であれば、子が不幸になると予想できても闘うことなど考えもしないでしょう。
しかし、タイプ2の親は、自分に精神的な余裕がなく自信がない時期でも、子どもを手元に置きたがるという傾向があります。それほどに、子どもの存在が大きいタイプで、子どもを育てることが自分の支えになるからです。
一方、タイプ4は、親や配偶者など保護者の支えによって、苦しい時期を乗り越えられるタイプです。子という存在が自分の支えにならないだけでなく、重荷になりやすいのです。
子どもタイプ(17634)はみな同様な傾向があります。尤も、子どもが重荷になっているタイプ2の親は実在します。親子関係が最悪になるのは、どのタイプにもあることだからです。
そして、ここではいつも「~傾向がある」「~なりやすい」などと書いています。同じタイプがいつも同じように感じたり同じ行動を取るものではありません。
ところで、タイプ2の人たちから“離婚に際しては子どものことで争いになるかもしれない”と心配を打ち明けられることはよくあります。自分が子どもに固執するので、相手も固執して手離さないと思いこんでいるのです。
(人はみな思い込みだけで行動している、妄想の塊だと思ったほうがより正しい)
しかし、相手が他のタイプであれば、とりわけ子どもタイプ(17634)であれば、争そう恐れは低いと考えられます。「子はかすがい」になるのは、同じタイプ2の夫婦だけにあるものにすぎません。
このように、相手のタイプを知れば、杞憂でしかないことがたくさんあります。エニアグラムは活用できるものなんです。
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