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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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7ケ月前に福島県内の人たちに書きまとめて送ったメールやファックスを、そのままこちらの載せることにしました。

4月26日の時点でも、避難するには遅いと感じて、気持ちが焦って大急ぎで書き出したものです。

しかし、事故から8か月も経った今でも、避難していない子どもや妊婦がいるようで、とても信じられません。

現在、賠償金の問題が迫ってきております。

私が求めたような「自主避難」をしていたら、賠償金は雀の涙くらいになる恐れはあると思います。むろん、そうさせてはならないのですが。

もしもそうなってしまったならば、この時点で避難を求めたことは間違っていたことになるのでしょうか。

でも、私自身は、安全な土地で生き延びることを考えるべきだったと思っております。

健康第一だと、今でも思っています。

健康でありさえすれば、取り戻せる事がいっぱいにあります。

たとえ高額賠償金を得ても、健康でいられなくなったら、なんの価値も意味もないと思うのです。

ただし、放射能への不安を抱えながらも避難しない人たちを非難する気持ちはありません。

それぞれに事情がおありだと思います。

そういう個々人の行動の仕方を問題にしているのではありません。

そうではなく、未来を背負う「子どもたちだけでも真っ先に避難させる」という対策を採らなかった政府関係者への憎しみと怒りがあります。

(もちろん、社会的な弱者も早い段階で避難させるべきだったのです)

かつて
太平洋戦争において都会が大空襲に遭っている危機的な時期に、子どもたちを「学童疎開させた」という事実があります。

そして、菅直人元首相が言っていたように、戦後では最大の危機に直面したのです。

それならば、危機に際して、真っ先に守らねばならない人間を、なぜ、避難させなかったのでしょうか。

不可能なことではなかったはずです。

子どもを守る立場にいる政府関係者、そして、教育者や保護者たちの責任を問いたい。



……………………………………………………………………

福島県教育委員会 様
その他〇〇 様

 

     要請・子どもたちを一刻も早く、学童疎開させてください

                            2011年4月26日
                              現住所 ○○○
                                                            元教員   竜頭 喜久雄
                                                            カウンセラー 竜頭 万里子
 
福島は例年ならば桜の開花でにぎわう季節なのでしょうか。しかし、現在、私たちは強い不安を感じています。

福島第一原発の事故で季節を楽しむ余裕は全くありません。
 
その原発事故に対して、これまでの政府発表を振り返ると、後手後手に終始し、しかも、何か情報を隠しているような印象を国民のほとんどが感じています。

私たちからも、福島県の皆さまのことを、政府が真剣に考えているとはとても思えません。

例えば、官房長官が「ただちに健康には影響しない」と幾度も会見していました。

しかし、それは急性の症状が出ないだけのことで、晩発性障害については語っていません。

5年後や10年後に、どのような障害が起きるのかは語っていません。

4月25日のニュースでは、福島市の公園に注意の看板が出て、「利用は1日1時間」というものがあります。

基準を上回る放射線量が出たからの処置のようです。

いつもなら公園の遊具が少し壊れただけでも、私たちは遊ばせないようにと配慮してきたのではないでしょうか。

それなのに、一日1時間の利用しかできないという恐ろしい環境に、子どもたちをそのまま置くというのでしょうか。信じられないことです。

ところで、福島県内では、3月と4月において講演している専門家たち(放射線健康リスク管理アドバイザーの神谷研二・山下俊一・高村昇)は原発を推進してきた人です。
                     
原発を推進してきた人物の話を聴いていては、真実を知ることはできません。

安全でクリーンだと言っていた人たちなのですから。

その安全神話が壊れたのは周知の事実です。

それなのに、なぜ、いまだに、この人たちの説くことを信じているのでしょうか。

危機意識のないところでは安全は得られません。

津波対策が万全で危機意識の強かった町や村は被害を最小限に抑えることができました。

一人も死者を出さなかった村もあります。このことはテレビ報道から知っておられると思います。

危機意識の強い学者や科学者の語ることを聞き入れる時期に来ています。

また、政府というものは、国民の安全を最も優先させるべきものです。

危機に際しては万が一を考慮して次々と手を打ち、また、先々の危機を見通して緊急に対策を講じるべきです。

しかし、その政府が今回、次のような発表をしました。

文部科学省は21日、「学校の校舎・校庭等の利用判断の暫定的な目安を年間20ミリシーベルト以下」と発表して、福島県の担当各位に通知しています。

しかし、この値はとんでもない数値です。

子どもたちにどれほど過酷な運命が待ち受けるのか、想像するだけで恐ろしくてなりません。

この年20ミリシーベルトは、屋外で3.8マイクロシーベルト/時に相当すると政府は示しています。

しかし、この数値は、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線量を子どもに強要するものです。

また、年20ミリシーベルトは、原発労働者が白血病を発症し労働認定を受けている線量に匹敵します。

さらに、この基準は、大人よりはるかに高い子どもの感受性を考慮にいれておらず、内部被曝も考慮していません。

チェルノブイリ原発事故ではその5年後から子どもの甲状腺がんが爆発的に増えたという報告が、13年前の日本のテレビで報道されています。

その次に乳がん、そして骨のがん、白血病と発病が増えていくとあります。

現在は、それに関しては、Youtubeの動画となっていつでも見られるようになっています。

どうか、見てほしいものです。(以下の参考資料に掲載)

これ以上、子どもたちが放射性物質に被曝されないように、文部科学省からの知らせに疑問を持ち、検討してください。

緊急のお願いをしております。

今すぐに、子どもたちを救ってください。

一刻も遅れてはならないと思っております。

かつての太平洋戦争時のように、子どもたちだけでも、「学童疎開」ができるように取り計らってください。

なお、私たちは一市民であり、元教員で、一カウンセラーに過ぎません。

放射性物質についての専門家ではありません。

それゆえ、専門家たちの文章、その他、参考になる資料を載せています。

どうか、これらをお読みくださって、全力で福島の子どもたちを守ってくださるよう要請します。 

                            以上

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