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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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次作に予定している著書のタイトルを考えました。『人の心理は、おおむねマンガから学んだ!(仮称)』です。

しかし、この1年ほとんど執筆していませんでした。なにしろ私自身が「福島県民」であるかのようで、他のことに意識が向かないという状態です。でも、近頃は関東圏内の住民という感じになっているかもしれません。

さて、今日は、柴田ヨクサル作の『谷仮面』を取り上げてみます。面白いものを見つけましたので、ちょっとご紹介します。

谷君という常時仮面をつけている高校男子が主人公です。島リホコという女生徒に一途に惚れています。男にはまるで関心がなく、男はライバルに過ぎないようで、男の友情など決して求めていないことがすぐにわかります。

登場人物も、女性は姓と名が付けられていますが、男性はなんと姓のみしか付けられていません。「女性を強く意識するタイプ(837)」と簡単に絞れます。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory5.htm

タイプ7w6の作品と判定しています。一言でいうならば、くだらないストーリーですが、そのくだらなさが成功している作品と言えるかもしれません。

2巻にあるものですが、谷君はバイトでサンタクロースになって、島リホコの家を探し出してプレゼントをしますが、なんとそれは「靴」です。

「タイプ7と靴」というタイトルを付けて調査活動したいと思うくらいに、タイプ7は靴への執着心が強そうです。当ブログ2010/09/09にも取り上げています。ブログ内検索を使うとすぐに見つかりますので、一度、ご覧ください。

そして、谷君の仮面が割れてしまう場面が最終巻にあります。それがふるっているんです。島リホコを助け出して、口づけをした瞬間に仮面が割れて素顔を晒してしまうのです。

まるで、男版白雪姫です。白雪姫は王子さまの口づけで生き返るというお話ですからね。

童話『白雪姫』は、「女性を強く意識するタイプ(8・3・7)」の可能性が高いとみています。なかでもタイプ7の可能性が高いのではないかと考えています。

(なお、童話『シンデレラ』については、かなり以前に以下のように公表しています。タイプ7かタイプ3の可能性があると書いています。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-201~/15-231.htm )

二つの童話に共通するのは、男性については結婚相手として必要なので最低限描いていますが、ほとんど「女の世界」だけを描いていると考えられるところです。また、主体的とは言えず、受け身なところも共通しており、その点はタイプ8には無いものです。

女性という存在が大きく感じる人たちが創作したのではないかと考えられます。

マンガ「谷仮面」を見ると、女性に対して受け身であり、女性が太陽のような存在になっている、そんな描き方をしています。

たとえば、島リホコが校内にある高い塔の頂きに磔にされています。リホコを助けるために敵をなぎ倒して大活躍しますが、塔に登りつめて、ついにリホコまで到達するというものです。

学校内の大勢が見ている中での男同士の闘いとなりますが、リホコとの位置関係が面白い! 

塔を下から見上げている構図があり、リホコは異様に高いところに聳えているように見えます。まるで聖母マリア様が磔にされているみたいです。

たとえば、納屋などに幽閉されて縛られている女性を助ける、というものではありません。 ( 続く )

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