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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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日本ペンクラブが声明を出している。 2010/04/20
 《 大飯原発再稼動に強く反対する 》

 

 政府はいま、関西電力大飯原発の再稼働を強行しようとしているが、日本ペンクラブはこれに強く反対する。

そもそも東日本大震災で事故を起こした福島第一原発は、各号炉の内部に近づくことすらできず、いったい何が起き、現在どうなっているのかもわかっていない。

にもかかわらず、他の原発一般について、机上のストレステストのみで安全性を確認したとする政府判断には信頼を置くことはできない。

まして、その判断のもとになった評価を、原発推進を前提としてつくられた原子力安全・保安院が行なったとなると、噴飯物としかいいようがない。

保安院は、各電力会社に原発賛成の世論づくりのためのヤラセ工作を指示してきた張本人である。

現在の民主党野田政権は菅前政権の脱原発方針を引き継ぎ、脱原発依存を謳ったのではなかったか。

まずやるべきは、福島原発事故の検証を行い、国内の各原発をいつ、どのように廃棄していくかの工程表を具体的に示し、代替エネルギーの研究開発と実用化の道筋をつけることである。

福島第一原発の事故は、ひとたび原発が事故を起こせば、その影響が広範囲・長期間に及ぶことを白日の下にさらした。

また、同原発で溶融した核燃料はむろんのこと、一般の原発から必然的に排出される膨大な「核のゴミ」についても、十万年ものあいだ安全な場所に隔離しておかなければならないことも広く知られるようになった。

こうしたことを併せ考えれば、再稼働をめぐる判断は、政権の一部や原発立地の一自治体のみでなされるべき問題でないことは明らかである。

日本ペンクラブは、言論・表現の自由、戦争と平和、地球環境に深い関心を寄せる作家・表現者の集まりであり、シンポジウムや編集出版などを通じて、脱原発・反原発の意思を表わしてきた。

私たちは野田政権が進める大飯原発再稼働方針に反対するとともに、その姿勢をただちに改めるよう強く求める。

二〇一二年四月二十日
日本ペンクラブ会長   浅田次郎
同 環境委員会委員長  中村敦夫
同 平和委員会委員長 高橋千劔破

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