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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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タイプ7の基本の自己防衛生存戦略は、「逃げる」と分析しています。以下にあります。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory3.htm

当会では、「性格とは自己防衛生存戦略である」と簡潔に定義づけています。タイプ7にとっての基本戦略が「逃げる」であるとすれば、「逃げる」に関する拘りが強くなります。

それゆえ、逃げるために必要になる「靴」とか「自転車」「車」などの移動手段を重視するのはごく自然な成り行きです。

ところが、「逃げ出す」ことは簡単ではあるが心理的には重いものです。他のタイプにとっても同様ですが、タイプ7にとっても、困難なことから逃げ出すような弱い人間にはなりたくないのです。

好きな女性を見捨てて自分だけ助かりたいなどとも思えません。街角で不良たちに絡まれた折、千葉君は惚れているリホコを守るためにひとりだけ残って不良たちと闘います。

谷君は、千葉君にその場をまかせて、リホコとその友人計3人で、そこから立ち去ります。それなのに、「やっぱり戻ろう」と言い出すリホコ。

「私 逃げてばかりいるのよ。まわりに流されてばかりいる自分がイヤなの…内気だし私 昔から…」 「このまま逃げたら明日も内気な私だけど、もどれば少しは変わるわ」 

映画「耳をすませば」を見て、「変わろうっておもった」とも言う。でも、友人は「変わるの明日からにすれば、今日は帰ろ」 でも、リホコは「ダメ!」

「また逃げるから、よけいに内気になっちゃう 夜 寝る時 悔やんで苦しむわ‥」 「私がもどっても何もできないけど、もどるっていう心構えが大切なのよ」叫ぶ。「そう 心がまえが大切なの そうそう!!」

見せ場というか、大切なシーンみたいなセリフです。そこで、友人は残り、谷君はリホコに従い現場に戻ります。が、なんと、リホコは今度は「千葉君と3人で逃げよう!」と言い出す始末。

「島さん逃げるのイヤなんじゃあ…」谷君は驚く。リホコは叫ぶ! 「違うの 今度は前向きな逃げなの ケンカしても何にもならないわ 千葉君と3人で逃げるのが一番いいの」

無事に逃げおおせて、キャッキャッと小躍りするリホコ。ここで、「自分の意志を通せた自分に喜びが隠しきれない島さんだった」というナレーションが入ります。

この辺りのストーリー少し変ですよね。なんか小理屈つけてます。ゴタクを並べているように見えます。

「内気」ということと、「逃げる」とか「流される」とが直接に繋がるとは思えません。臆病で弱虫であれば、逃げだすほうになります。それを知られたくないのでしょうか。

また、「前向きな逃げ」ならばよいというセリフも、なんだかこのシーンにマッチしません。千葉君だけ残して二人で逃げたのを悪いと気づいたので、それで戻ろうとしたのであれば、自然な成り行きになりそうに見えます。

しかしながら、「千葉君だけ残して二人で逃げたのを悪いと気づいたので戻る」という設定であれば、それは「自分は善い人間であらねばならない」が働いています。つまり、作者がタイプ2であれば思いつくストーリー展開です。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-1~/15-6.htm

タイプ2にとって、闘っている人を見捨てて逃げ出せば、自分は善い人間ではなくなってしまいます。

しかし、作者はタイプ7ですから、そのような発想はせず、そうした展開にもならないようです。


作者は「逃げる」に対する拘りが強いから、あれこれ小理屈をつけたり、ゴタクを並べているのではと考えざるを得ません。
 

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