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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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 私にとってのエニアグラムは、当初はずっと受け身なものでした。友人の一人がリソ氏の本に夢中になっていて、電話のたびにエニアグラムの話を持ち出します。こちらはまるで興味を感じなくて、一方的な話を聞いているだけでした。

 ある日、「性格のタイプ」というリソ著の本の「あるタイプ」のところだけを、友人はコピーして郵送してくれました。「あなたはこのタイプよ」と勝手に判定されているのです。
 しかし、自分の性格らしきものが書いてある箇所を読んでも全く理解できません。文章自体も少しおかしいものだったというせいもあるかと思います。

 毎回のように友人は深夜に電話してきますが、いつも話しはエニアグラムのことです。ちょっと食傷気味でした。そんな日々が一年くらい続いたある日、友人は、リソ本を持って我が家を訪れ「本を貸す」つもりでいたようです。

 ページ数は511。本を見るとつい手を出してしまう性分で、つい読み始めてしまったのが運のつき! (否、開運だった!) 明け方まで一気に読み終えて、「私はこのタイプに間違いない!」 

  全タイプの項目を読んで、友人が判定したタイプは正しいと納得しました。それ以降はエニアグラムの話題ばかりです。あれこれ語り合い、楽しみつつ興奮して互いの考えを述べ合いました。密度の濃い時間を共有して刺激を受けました。

 そんな中でリソさんの説く「3×3」について、他にもまだ何かあるかもしれないと模索しつつも、モヤのようなものが立ちはだかっていました。

 あれは春頃のことです。暖かいお湯に浸ってうっとりとしている時に突然に頭の中にひらめいて、風呂場から飛び出して一目散にワープロ機に向かいました。とんでもないものを発見したという興奮で、キーを打つ指が少し震えていると気づいていました。

 「世界認識」と「自己認識」の仕方を各3つにわけて「3×3」となせば、9つのタイプがうまく説明できる! と、突然に「降りてきた」ようにひらめいたのです。「エニアグラム性格学」という道程への最初の門だったと考えられますが、その後の理論はほとんど何の苦もなく、芋づる式に発見したものです。

 一気に何かが開けていくという感じでしょうか。思い出すたびに、運命の悪戯というか奇跡のような体験をしたように思われます。この友人には感謝しています。エニアグラムに興味を持たずにいた私に、約1年くらい粘り強く働きかけてくれたので、現地点があるのですから‥。
 

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