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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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今日は美少女剣士が主人公のマンガ『あずみ』でよく知られている作者の 「小山ゆう」さんを取り上げたいと思います。

『おれは直角』が第一作目ですが、どの作品を読んでも、素直というか率直な気質だとわかります。

タイプ2w1と判定していますが、ウイングは重いようには見えません。ストレートな表現をしているので、1のウイングは軽いのではないかと思っているのですが、まだ確定していません。

『がんばれ元気』もヒットしていますが、この作品作りに関することを、小山ゆうさんが語っています。『ダメ!と言われてメガヒット』(著者・宇都宮滋一)の中にあります。

『がんばれ元気』は、アンチ「あしたのジョー」で、アンチ「梶原一騎」を目指したものだと述べています。

「星一徹(巨人の星)が、丹下段平(あしたのジョー)が、自分のできない夢を飛雄馬(巨人‥)やジョー(あしたの‥)に押し付けるのに対し、元気の父はそうしたことを望まない。ボクシングは元気自身がやりたくて始めました。また、ジョーが破滅に向かう美学なのに対し、元気は上りつめる美学…中略…アンチをいっぱい考えました」

ところで、マンガ界はアンチ作品が氾濫しており、どういう意味でアンチなのか知りたくて『がんばれ元気』を読んでみました。でも驚きました。基本がアンチとは思えないものだったのです。少し紹介します。

父は穏やかに、しかし、力強く言い出した。「私からボクシングをとったら、私はただのダメ親父になってしまいます。挫折した父親では…。とてもアイツに人生を教える自信がありません。元気のために親父としてやれることは…、私が自分の人生を偽らず悔やまないように精一杯生きる姿を見せてやることです!」…その後の試合でKO負け、試合後、病院を抜け出し、そして死亡。

父親が息子に対して何かを押し付けているという点では、『あしたのジョー』も、『巨人の星」も、『がんばれ元気』も全く同じではないでしょうか。

元気のほうは直接指導していませんが、死ぬまでボクシングで闘うという強烈さです。命を懸けろと教えています。生き方を「教えている」のですが、それならば、星一徹も丹下段平も同じです。男は夢を持って命がけで突き進むべきだと「教えています」

主語にあるのではなく、「教える」という述語に、気質というものを推し量れます。垣間見ることができます。ここが重要なのです。多くの人たちが「主語」のところの違いをみてしまうからです。

父親が教えなくとも、他人や世間が教えることもあり、自分は子に教えたり指導できる人間だと勝手に思っているようです。子からすれば、「あんたに教えてもらいたくない」ってこともあるはずです。

マンガとは違い現実の父は理想にほど遠いのですから、父親の指導や教えは、単なる押し付けとか干渉に過ぎないと、多くの息子たちは感じていますからね。

とは言うものの、子を正しく導くような立派な父親になりたいという願望を持っているのが、タイプ2の父親なのです。

小山ゆうさんの作品は「父と子のテーマ」がどの作品にも入っています。そして、自分がそうであるように、他の父親たちも、父親というものは息子を正しく導くべきであると思いこんでいるのです。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory5.htm

そして、バトンは父親から息子に渡されるのであり、父親の夢は息子の夢にもなるという基本路線としては同じなのです。小山さんは自分の作品をかの作品のアンチだと思ったのでしょうが、それは表面的なものでしかなかったと考えられます。

なお、アンチ「梶原一騎(タイプ8と判定済み)とありますが、「あしたのジョー」は、タイプ2w1のちばてつやさんとの合作です。また講談社の編集方針から、『巨人の星」や『あしたのジョー』は、「息子を導く父親」となったのですから、アンチ「梶原一騎」とは言えません。

タイプ8の父親は、意外かもしれませんが息子にあまり興味を持ちません。会社の経営や社会や、一族郎党を率いたり、村落共同体を守るほうに意識が行くタイプです。子どものことは妻に一任するタイプです。

守備範囲が広いのがタイプ8です。タイプ2の守備範囲は家族であり、「守る」というよりも、「育てる」のほうに意識が行く傾向があります。それが、父性と母性の違いなのです。

また、父のタイプ8は、「世界は否定的なところ」ですから、危機意識をより強く持っている気質です。タイプ2の「世界は肯定的なところ」とは違うのです。守備意識に違いが出てくるところです。


http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory1.htm

そして、タイプ8が強く意識する人間は、妻と母と娘です。息子のほうは世間の荒波に揉まれたらいい、と放任する傾向があります。そこで耐えられず成長しなかったら、その息子はそこでお仕舞になり、それは本人自身の問題だということになります。

自分の後継にできる息子をえるためには妻にたくさん産んでもらえばよい、となるのではないかと考えられます。タイプ8は「女性を強く意識するタイプ」で、子孫を増やすのは男の自分にはできない。

従って、女たちの子をむ産む役割を重視していると考えられ、それゆえ、「女たちを守らねばならない」という意識の高さに繋がって、「女を強く意識する」という気質ってことになったとも考えられます。


http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory5.htm

タイプ2の男性は、現実には自分は父親ですが、根はおかあさん気質です。ですから、タイプ8のような「父親の中の父親」を理解できないようです。

しかし、「親が無くても子は育つ」という言い方がありますが、「親があっても子は育つ」という表現を、タイプ2の親たちは少し掘り下げて考えてみるのもよいのではないでしょうか。

たとえば、「自分のような親が子どもを教え導くなどおこがましい」と、謙虚になることがタイプ4という成長の方向であると、エニアグラム図が示唆していますが、みなさんはどう思われるのでしょうか。

ところで、「守る」ことができなければ、「育てる」ことはできません。

エニアグラムと関係ないことですが、原発事故や放射能汚染から国民を守るという意識が、野田政権はかなり低いような気がします。

経済成長を期すために原発を再稼働させたとしたら、一番大切なことが何なのかわかっていない、と考えざるを得ません。なお、野田首相をタイプ2w1と判定しています。


 


 

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