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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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受講生の一人が次の著書を紹介してくれました。井口昭久著『鈍行列車に乗って』 風媒社刊行のものです。

エニアタイプはタイプ7w6です。当地の名古屋大学の名誉教授で女子大の教授にも。全体としては淡々としたエッセイです。

また、どういう訳なのか、これまでみたところ大学教授にタイプ7は多そうです。

タイプ7は総じて文章のセンテンスが短く読みやすい文を書く傾向があるように見受けられます。また、自虐的で、読者を笑わせてくれるような配慮があります。以下に少し転載しました。(青字部分)

「若い頃の人生は、腰を浮かせて自転車をこいで坂道を上がるようなものだ。上りで頑張った報酬として、ゆっくりブレーキを握りながら下り坂を楽しむのが老後である」 「これからはわくわくした下り坂をいこうと思っています」

タイプ7は、人生を楽しみたいという意識が高いので、上記のような文になるのでしょう。が、私も下り坂にいますが、わくわくになれるなど羨ましい限りです。願望を書いているだけではないかと思うのですが…こちら、そんな願望も考え付かなかった…。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/cgi-bin/page05/05-7.htm

「私の行きつけの床屋は夫婦で営んでいる。ふくよかなかみさんが、顔を近づけてひげをそってくれる。近づく彼女に息をつめながら目を閉じていた。女性に顔を触ってもらっていい気分であったが、目を開けてみるといつの間にか亭主に代わっていた。勘違いしていた間も気持ちよかった。ということは、人は触ってもらうということが気持ち良いことであるようだ」

ムサイ男性に触られたら、気持ち悪くなるような感じですね。少し笑わせてくれます。女性の存在が大きいことがよくわかります。 

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory5.htm


「母の死は私にとって最も哀しい出来事であった。ニューヨークへ留学していたが、母の命の終わりが接近しているのを知って、居ても立ってもおられなくなり、妻と息子もいたが一家でニューヨークを引き上げて日本に帰った」帰国してから、母が死ぬまでの3週間、病室で昼夜を問わず、つきっきりで母の傍にいた。私は母の年を越えた。駒ヶ岳のあたりに母の面影を探している。外出するときには母から決まって樟脳の匂いがした。雨が降ると母は田んぼの仕事をやめて家に帰ってきた。雨が降ると母が帰る、だから私は雨降りが好きになったのだろう。今でも雨が降ると死んだ母が帰ってくるような気がする。

留学先から、自分だけ帰郷するのではなく、一家で引き揚げたのですからスゴイです。ここだけでなく、母親に関する記述が多く、父親に関してはあっけないほど少ない。

「定年を迎えて大学を辞めて、女子学生の多い大学で週2回の講義と一日の外来診療だけが私に課せられた仕事になった。18歳の女子学生は、あまりに若く、この頃では女性は50歳過ぎた人のように思え、老婆の診察を診るとホッとします」

タイプ7は永遠の思春期にいる方ですが、実年齢はどんどんと高くなり、18歳の女子学生と同じにはなれない、ってことを悟ったかのような文です。

その他、バレンタインデーのことを他のタイプ7の男性も3人ほど取り上げおり、「ブルータス、お前もか」って感じです。

バレンタインデーのことやお返しのホワイトディのことなどを取りあげて、女性たちが送ってくれるであろう手紙を自分で創作している文もあり、笑いを取ろうとしています。

女性とのことは考えると、妄想がよく働くようです。ということは、タイプ1の女性、あるいはタイプ2w1の女性たちも、男性とのことでは妄想がよく働いているのでしょうか?? 


「故郷の匂い」というタイトルの章に書かれているものです。
「秋の稲刈りの匂い、川干しの時の魚の匂い。もう一度、人生をやりなおしたいことをあげなさいと言われたら、私は迷わす、川干しの時の魚とりと言うだろう」

タイプ7は「釣り遺伝子」があるような人たちです。以前ブログにも載せていますが、この人も釣り遺伝子はあったみたいです。
    

「ヘルマンヘッセは「老年の価値」という著書で次のように書いている。若いとか年とったとかいうことは、平凡な人間にしか存在しないのです。才能があり洗練された人間は喜んだり悲しんだりするのと同じように、ある時は年をとったり、ある時は若かったりするものです。青は赤より悪くないと同じように、老年は青年より劣るものではありません。老年が青年を演じようとするときにのみ、老年は卑しいものになるのです」

永遠の思春期にいるタイプ7としては、女子学生相手の仕事は楽しかっただろうと思います。また、老年になることは受け入れがたいものになると考えられるので、取り上げたのではないかと思われます。

むろん、子どもタイプ(17634)の人たちに共通にあるもので、大人タイプ(9582)よりも、「高齢者の自分」を受け入れがたい傾向は見られます。

老年になって隠居してから初めて自分らしくなったと思う方がいたら、それはタイプ9とタイプ5です。

おばあさん気質と、おじいさん気質だからと考えられます。


http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory7.htm

それぞれに関連する理論のアドレスを掲載しています。緑字です。お読み願いたいところです。

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