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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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ITER」というもの聴かれたことあるでしょうか? 「イーター」とも呼ばれています。International Thermonuclear Experimental Reactor(国際熱核融合実験炉)」の略称です。

1985
年頃からこの計画が浮上したようです。1988年に米、ソ、日、ECが合意して計画が具体的になってきたようです。

しかし、1998年にアメリカが核融合試験炉を閉鎖しています。事実上撤退しているのですが、2005年にフランスのガダラッシュに実験炉の建設地が決まりました。

そして、200611月に、プロジェクトの実施主体となる国際機関を設立する国際協定に署名がされました。

2007
1024日に協定の効力が発生し、イーター国際核融合エネルギー機構が国際機関として正式に設立されました。

核融合は水素のような軽い原子核が衝突して、より重い原子核が出来る反応です。

よく「地上の太陽」などと言う表現が使われています。太陽の表面温度が約6000度、中心部でも約1600万度に対して、ITERに用いられるD-T反応と呼ばれる方式では、実に1億~2億度にも達すると言われています。

これを知りギョッ!!ビックリ!! 1億度以上の熱を炉内に封じ込める金属などあるでしょうか? 

さて、以下は10年前に、ノーベル賞の受賞者である小柴昌俊さんと、マックスウエル賞受賞者の長谷川晃さんが、当時の総理大臣、小泉純一郎宛てに出した「嘆 願 書」です。


…………………………………………………………

「国際核融合実験装置(ITER)の誘致を見直して下さい。」

核融合は遠い将来のエネルギー源としては重要な候補の一つではあります。

しかし、ITERで行われるトリチウムを燃料とする核融合炉は安全性と環境汚染性から見て極めて危険なものであります。

この結果、たとえ実験が成功しても多量の放射性廃棄物を生み、却ってその公共受容性を否定する結果となる恐れが大きいからです。

燃料として装置の中に貯えられる約2キログラムのトリチウムはわずか1ミリグラムで致死量とされる猛毒で200万人の殺傷能力があります。

これが酸素と結合して重水となって流れ出すと、周囲に極めて危険な状態を生み出します。

ちなみにこのトリチウムのもつ放射線量はチェルノブイリ原子炉の事故の時のそれに匹敵するものです。

反応で発生する中性子は核融合炉の10倍以上のエネルギーをもち、炉壁や建造物を大きく放射化し、4万トンあまりの放射性廃棄物を生み出します。

実験終了後は、放射化された装置と建物はすぐ廃棄することができないため、数百年に亘り雨ざらしのまま放置されます。

この結果、周囲に放射化された地下水が浸透しその面積は放置された年限に比例して大きくなり、極めて大きな環境汚染を引き起こします。

以上の理由から我々は良識ある専門知識を持つ物理学者としてITERの誘致には絶対に反対します。

平成15年3月10日            
                     小柴昌俊(ノーベル物理学者)
                     長谷川晃(マックスウエル賞受賞者

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