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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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  内山節という哲学者の著書を久しぶりに読んでみました。「自然・労働・協同社会の理論」(農文協)  また、以前、いろいろと考えさせられるきっかけのあった著書は、「自然と労働」(農文協)です。

 タイトルからは難しいという印象になるかもしれませんが、意外と読みやすく面白い内容ですから、どらちもお奨めしたい本です。

 その中に、「仕事」と「稼ぎ」の違いについて書かれています。山村の住人たちは、「今日は町に稼ぎに行く」と言い、一方、「今日は仕事をする」と使いわけています。「稼ぎ」と「仕事」を区別しているのです。

 「仕事」とは何か‥‥畑を作ったり、樹の枝打ちしたり、リンゴを育てたり、あぜ道をなおしたり、そういう自然を守るはたらきを「仕事」といい、それ以外のものはみんな「稼ぎ」だという。

 内山節さんのHPhttp://www.uthp.net/tyosyopage.html
 内山節と小栗康平の往復書簡掲載http://oguri-uchiyama.blogspot.com/


 
ところで、一ヶ月くらい前に見たNHKのテレビ番組「プロフェッショナル・仕事の流儀」に登場した湯浅勲さんは、本当の本物の「仕事」をしている人ではないでしょうか。
 京都府の日吉町森林組合で森林再生の仕事をしており、見事に日吉町の森を復活させています。この番組をビデオに撮っておけばよかったのにと悔やんでいるくらいです。
このような人こそ、もっと取り上げてほしいと思います。

 一方、ニュース番組の中で終盤になると、いつもプロゴルファーの誰それが○で優勝とか、プロ野球選手がヒットを打ったなどと、プロスポーツマンたちがよく登場します。これくらいならばまだましですが、ゴルファーが空港から○に遠征に行くとか、野球選手の肩のどこかが故障した、などという報道があります。

 ちょっとうんざりするほどで、なぜこのようなものをニュースとして取り上げるのか理解できません。他にもっと取り上げねばならないことが一杯にあるはずなのに、それらに大切な時間枠を奪われているように感じます。

 ちなみに、なにか大切な知らねばならないことがあるのに、それが何か分からないままで、途方にくれていた時がありました。そんな時に出合ったのが内山さんの本でした。

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