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「いま、近年のこの国の様子を静かに顧みるとき、世の中がぐらりと傾いてくるような気分に襲われることはないだろうか。この重苦しい気配はどこから生じているのか」
これは今日8日、日本ペンクラブが公表した声明文にある最初の文言です。危機感に迫られて声明を出されたのでしょう。
まさに重苦しい気配で、それが憂鬱で最近は読書に浸ってばかりでしたが、たまたまネットで伊丹万作さんの文章が取り上げられていたので読み終えたばかりです。
なんと、原発事故の責任者の問題と被さってきます。下部に一部のみ(青字)転載してみました。
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★日本ペンクラブ声明『太平洋戦争開戦の日に当たって』
http://www.japanpen.or.jp
☆平和主義の危機憂慮=開戦日に声明-ペンクラブ
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014120800781
「ペンクラブ創設以来初めて太平洋戦争開戦の日に声明を出した」
★伊丹万作著『戦争責任者の問題』
(注伊丹万作さんは映画監督の伊丹十三さんの父に当たる方です)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000231/files/43873_23111.html
……多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。みながみな口を揃えてだまされていたという。私の知つている範囲ではおれがだましたのだといつた人間はまだ一人もいない。
ここらあたりから、もうぼつぼつわからなくなつてくる。多くの人はだましたものとだまされたものとの区別は、はつきりしていると思つているようであるが、それが実は錯覚らしいのである。
たとえば、民間のものは軍や官にだまされたと思つているが、軍や官の中へはいればみな上のほうをさして、上からだまされたというだろう。上のほうへ行けば、さらにもつと上のほうからだまされたというにきまつている。
すると、最後にはたつた一人か二人の人間が残る勘定になるが、いくら何でも、わずか一人や二人の智慧で一億の人間がだませるわけのものではない。
すなわち、だましていた人間の数は、一般に考えられているよりもはるかに多かつたにちがいないのである。
しかもそれは、「だまし」の専門家と「だまされ」の専門家とに劃然と分れていたわけではなく、いま、一人の人間がだれかにだまされると、次の瞬間には、もうその男が別のだれかをつかまえてだますというようなことを際限なくくりかえしていたので、つまり日本人全体が夢中になつて互にだましたりだまされたりしていたのだろうと思う。
少なくとも戦争の期間をつうじて、だれが一番直接に、そして連続的に我々を圧迫しつづけたか、苦しめつづけたかということを考えるとき、だれの記憶にも直ぐ蘇つてくるのは、直ぐ近所の小商人の顔であり、隣組長や町会長の顔であり、あるいは郊外の百姓の顔であり、あるいは区役所や郵便局や交通機関や配給機関などの小役人や雇員や労働者であり、あるいは学校の先生であり、といつたように、我々が日常的な生活を営むうえにおいていやでも接触しなければならない、あらゆる身近な人々であつたということはいつたい何を意味するのであろうか。……
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ところで、10日くらい前にわが町の区長が市議会の自民党候補の後援会に入ってほしいと、我が家を訪ねてきました。初めて見た顔です。なんと戸別訪問です。
今回の、国政である衆院選ではないので、選挙違反に該当しませんが、町内会の回覧に候補者の宣伝になるようなチラシが回ってきたところです。むろん、とんでもないと断りましたが、生まれてはじめての体験をしました。
でも、よく考えたら35年ほど前にも同じような体験をしていました。職場の上司から自民党候補の後援会に入会をと言われて、職場内で他の人たちが見ている前で、即決で断ったことがありました。
バイト気分で勤めていた所なので言えたのだろうと思います。それでも心臓バクバクで勇気が要りました。重苦しい気分も長く続きました。毎朝、顔を合わせる上司ですから。
ところで、伊丹万作さんが書かれているように、あらゆる人々が騙し騙されるのかもしれません。
しかし、そうとばかりは言えないのではと思う。それよりもプロパガンダが以前と比べると、彼らは歴史から学んだかのように賢くなったと思うのです。
たぶん、元は国民が納めた税金だと思うが、莫大な金をかけるようになり、大動員して、大々的に、隙間なく、隈なく、密やかに、鮮やかに、何気なく、巧妙になったからで、それをプロパガンダだと気付かないのだろうと、私は思っているのですが…。
国民のほうが歴史から学んでいない…、の、かもしれない。それに相手が悪い。負けるに決まっている。
だって、相手は、利権、地位、利益、収入等々、全てがかかっている人たちなのだから気合が入っているのだ。
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