お言葉「歴史から学ぶことが大切」

十年くらい前だったか忘れましたが、天皇陛下の言動にいたく感動するようになっている自分に気づきました。

戦争や災害で亡くなった方々の霊を弔うために、この人ほど時間とエネルギーをかけてきた人はいません。

この人ほど、５０年余をかけて世界中にある各地を訪ねて慰霊の言葉を捧げた人は、たぶん日本人には一人もいません。(不遜ながらも比べると私は平和を享受しているだけのなんという不束者なのだろうかと)

天皇として役割としてやるべき仕事だからやっていたのだと思っていましたが、自ら進んで求めたのだ、とある時から知ったために、受け取り方が変わってきたのだと思います。

また、毎年のように新年の所感も述べられていますが、2012年から今年まで、「放射能汚染によりかつて住んでいた地域に戻れずにいる人々」という文言が４回になりました。

つまり、原発事故から毎年のように取り上げておられます。以下にあります。凄いメッセージのように思うのです。国民みんなで協力してなんとかしてほしいと切望しているように見えます。来年も取り上げてくれるような気がします。

★2015年、天皇陛下、新年のご感想全文「歴史を学ぶことが大切
http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/31/japans-emperor-2014_n_6402542.html

★宮内庁サイトにある、過去の新年の所感　
http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/gokanso/shinnen.html

以前は、雲上人なのでまるで自分とは無縁で、お言葉なども上っ面でヨソヨソしいと感じていたのです。

また、宮内庁の誰かが用意した文をただ読んでいるだけだろうと、そんな想像をしていましたが、そうではなかったようです。しかも何週間も時間をかけているとか。

しかしながら、象徴天皇という立場から離脱することなく、天皇としてできる最大限のことを成されていると気づかされました。

肝心なことは忘れずに言及している。お歳を召しても心は枯れていない。それどころか苦難にいる人たちのことをけっして忘れず、民を慈しむ気持ちはより一層深くなっているように見えます。

それは、2012年以前の新年のお言葉、とくに古い年度のものと読み比べてもらえれば、クッキリと出ていることがわかります。

憲法９条改正問題が起きて騒然となった時期(2011年頃)に、ご夫婦であるき野市(五日市町を合併)をご訪問されたことがあり、五日市憲法の草案を視察されました。

ある土蔵から発見された憲法で、現憲法に近い内容もあり、素晴らしい草案ですが、ご存知だったと知り驚きました。

ジャストなよい時期(2012年１月)に訪れてくれたっていう感じで、けん制しているな！とあの時とても感動しました。

政治に口出しはできないので、五日市憲法を見に行くことで、現憲法を守るという考え方を現したのではと勝手に想像しております。

また、８０歳の誕生日の記者会見では、「憲法遵守」とキッパリと述べておられます。昨年の８１歳の誕生日に際してのお言葉も、一見淡々とした文章にみえますが、感動さえ覚えるものではないかと思います。

そして、今年の新年のお言葉では、「歴史を学ぶのが大切」と述べておられます。過去に起きた事実を知り、そこから学び反省して教訓を汲み取れ！と伝えようとしている。

歴史を間違えて受け取っている人がたくさんいます。安倍首相のような考え方をする人たちです。緊急を要すると考えて、改めて告げようとなされたのではと考えられます。

これは社会人として最も大切なことであり、この必要不可欠な学びをせよ！と、改めて指摘されていると私は考えています。

なお、チラリと書き添えますが、陛下のエニアタイプはタイプ４であろうと見ています。いつかその根拠を取り上げて説明したいと思っております。

★【天皇陛下　８０歳の誕生日　記者会見全文】
http://www.huffingtonpost.jp/2013/12/23/emperors-80-years-old-birthday_n_4491332.html

戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。(中略)今後とも憲法を遵守する立場に立って、事に当たっていくつもりです。

★【天皇陛下　８1歳の誕生日　記者会見全文】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141223-00000005-mai-soci

先の戦争では３００万を超す多くの人が亡くなりました。その人々の死を無にすることがないよう、常により良い日本をつくる努力を続けることが、残された私どもに課された義務であり、後に来る時代への責任であると思います。