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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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高畑勲監督の『火垂るの墓』を観られた方はわかっていると思いますが、あまりにも辛く悲しい物語です。

私にとっては二度と見たくない映画です。夢にまで出てきてうなされる。大げさではありません。それほど辛くなる映画です。で、高畑勲監督も反戦映画としては役に立たないという(青字)。

「攻め込まれてひどい目に遭った経験をいくら伝えても、これからの戦争を止める力にはなりにくいのではないか。なぜか。為政者が次なる戦争を始める時は“”そういう目に遭わないために戦争をするのだ“と言うに決まっているからです」 以下に載っています。

★宮崎駿に続き高畑勲も安倍首相を批判!
「『火垂るの墓』では戦争を止められない」
http://lite-ra.com/2015/02/post-886.html 

★背広組による制服組への文官統制の規定を全廃
http://goo.gl/M2yh7T 

上記のニュースは、昨日知りました。防衛省の設置法のある条項を変えようと、3月の通常国会に提出するという。つまり、文官が武官より優位だと解釈されていた規定を全廃するというのだ。

これって、シビリアンコントロールが効かなくなるってことなのでしょうか? しかし、どのみち文官もアウト・オブ・コントロールというのが実態です。安べ自身もアウト・オブ・コントロールと言えるくらいなので、この国は親分であるアメリカのアンダー・コントロールで物事は進んでいくのだろう。

このニュースを聞いて胸クソ悪くて
安眠できそうもないと、借りてきた映画を観ることにしました。『モンゴル』です。広大な草原で簡素な暮らしで寡黙な人々が登場します。詳しくは以下のサイトでお読みください。

★映画『モンゴル』公式ページhttp://www.mongol-movie.jp/

若き頃のチンギスハーンを描いていますが、図太さや執念深さ、一途さがうまく描かれています。絶体絶命の危機時でも、テムジン(本名)は誰も裏切らず、汚い手を使わず、全力でただただ戦う。己自身が主人だという。
こういう人物こそ、インテグリティがある。しかも強烈だ。

「インテグリティ」とは、誠実、正直、完全性、全体性、整合性、統合性、一貫性などを意味するそうです。その逆は、不誠実、ウソをつく、裏切る、ぶれるになります。

ここまで書けばわかると思いますが、同盟国アメリカで
インテグリティが備わっている人物がいたとしたら、その人物にとっては、自分たちにヘイコラする、自分たちの意のままになる、顔色ばかり窺がう、対等意識がなく、自国への誇りを持たないヘタレがいたとしたら、軽蔑するだろうってことです。

自分のボスの首を持って、敵に投降すると、テムジンは即座にそやつを殺しました。

映画などでよくありますが、武将たちの戦いで、裏切者の投降者を受け入れる大将がいます。その大将を「器が大きい人物」みたいに描いていたりする。それが不満で疑問を感じていましたが、この機になり、ようやくうまく説明できるようになりました。

インテグリティがない人間は、味方を裏切ることがある、そして、たとえ敵でも、敵に利することをすれば敵に評価されて、自分の命は助かり、あるいは用いられると予想する。

敵の大将がインテグリティのない人間ならば、たしかに評価される。で、こちらの人間ばかりだ(とくに日本の政治家)と、私は思うので、インテグリティのない人が出世する社会だとみています。

従って、インテグリティのある人を見つけると、それだけで満ち足りた気分になります。私に欠けている資質だからなのか…。

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竜頭 万里子 (りゅうとう まりこ)
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