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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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(マル激トーク・オン・ディマンド・718日ダイジェスト版)

あの日、日本でクーデターが起きていた。そんなことを言われても、ほとんどの人が「何­をバカな」と取り合わないかもしれない。しかし、
残念ながら紛れもなくあれはクーデタ­ーだった。そして、それは現在も進行中である。



安倍政権は715日の衆院の委員会で安全保障関連法案の採決を強行し、翌16日には­本会議を通過させた。

国会の会期が927日まで延長されていることから、仮に参院が­法案を議決しなくても、衆院通過から60日後には衆院の3分の2の賛成で法案は可決す­る。

衆院では自民、公明を合わせると3分の2以上の議席を得ていることから、16日の­衆院の通過を持って、事実上法案の成立は確実になった。

これは
一見、民主主義の正当な手続きを踏んでいるように見えるが、決してそうではない­。今回日本の政治に起きたことは、後世にまで禍根を残すことになるだろうと東京大学法­学部教授で憲法学者の石川健治氏は言う。
 
その理由として石川氏は今回、安倍政権が、憲法を改正しないまま、長年にわたり憲法に­よって禁じていると解されてきた
集団的自衛権を容認する法解釈と法整備を強行したこと­によって、「法秩序の連続性が切断された」と考えられるからだと説明する。
 
元々、安倍政権は憲法9条を改正して、日本も軍隊を持ち戦争のできる「普通の国」にした­いという野望を抱き、それを公言して憚らなかった。

しかし、それを実現するために必要­な国民の支持がないことがわかると、今度は憲法改正を困難にしている憲法96条を改正­し、現行の3分の2から国会の2分の1の賛成で憲法改正を発議できるようにしたいと言­い出した。
 
憲法の条文を改正する手続きを定める
憲法96条は、憲法の中では他のすべての条文より­も高い位置にある。

それを壊す行為は、憲法そのものを転覆させる行為であり、これを法学­的には「革命」と呼ぶが、「革命」が成功するためには国民の支持が必要だ。

しかし、日­本国民は憲法96条の改正を支持しなかったため、「革命」は失敗に終わった。

 
ところが安倍政権は今度は、国民を置き去りにしたまま、政府レベルで法秩序の連続性の­破壊を図った。

内閣法制局長官を集団的自衛権容認論者にすげ替え、集団的自衛権の行使­容認を閣議決定し、政権与党のみで法案を国会を通してしまった。

国民から支持を受ける­「革命」に対し、国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的­には「クーデター」と呼ぶのだと、石川氏は言う。

(以上、ゲストの石川健治氏とともにジャーナリストの神保哲生と社会学者­の宮台真司が議論した。この続きはマル激トーク・オン・ディマンドで見てください)

★エネルギー充填は、『世界』8月号の石川健治論文と、泥憲和インタビュー
http://hanshin204.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/8180-41e7.html

★安倍政権によるクーデター「715事件」http://togetter.com/li/847542
 
 

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