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大沼レポート
今年になって初めての通信です。放射能管理の基本原則は拡散せず集中して管理することです。しかしながら現実は真逆で、福島原発事故由来の放射能で汚染された様々な物質の拡散が続いています。
ガレキだけでなく、ワラや牧草、椎茸ほだ木などの農業資材などが一般ごみと一緒に燃やされ始めています。バイオマス発電に汚染した木材チップが使われ始めています。焼却で放射能が濃縮された焼却灰がセメント原料にされたりもしています。
環境省は燃焼ガス中の放射能はバグフィルターで99.9%除去できるとしていますが、その根拠となるデータは極めて薄弱で、焼却の危険性を指摘する市民側の疑問に全く答えられていません。
この論理をまかり通らせている最大の元凶は「放射性物質汚染対処特措法」です。原子炉等規制法に定められた放射性物質の定義は100Bq/kg以上ですが、特措法は、福島原発由来の放射性物質に限り8000Bq/kg以下を普通ゴミとして扱ってよいとしているのです。
なんと80倍ものリスクを国民に強いる滅茶苦茶な法律です。8000Bq/kgを超えるものは指定廃棄物として管理と処分方法が規定されますが、これとても汚染状況重点調査地域に指定された8県104市町村と、4都県の一部市町村に限定されています。また、品目も限定されていますから、それ以外は野放し状態です。
指定廃棄物最終処分場を国から強引に押し付けられようとしている宮城県加美町、栃木県塩谷町、千葉市などでは町をあげての反対運動が展開されています。しかし環境省は方針を変えようとしていません。
放射性物質の管理原則からすれば、汚染物質は事故を起こした福島第1原発および第2原発に戻して集中管理すべきです。また、それで足りなければ、高濃度汚染して100年間は人が住むべきではない帰還困難区域(337平方キロ)に集中して厳重管理すべきなのです。
チェルノブイリ原発事故では3700平方キロが立ち入り禁止区域とされ、除染せずに今日に至っています。双葉町と大熊町にまたがって計画されている中間貯蔵施設は明らかに面積不足です。それでさえも買収は全く進まず(わずか1%)、福島県内の除染廃棄物は仮置き場に積み上げられたまま、フレコンバッグの劣化破損や大雨での流失が起きています。
地権者の方々が企画されたフォーラム(於:郡山市)に参加した時、「国(環境省)の買収はまるで一般の公共事業と同じで、放射能汚染している価値のない土地であることを理由に買い叩いてくる。貯蔵施設の必要性は理解できても、これでは応じられない」という声を聞きました。
帰還困難区域の住民の皆さんには、単なる賠償ではなく、失われた希望や暮らし、地域コミュニティなどあらゆるものの再生を汚染していない地域で展開できるようなケアが必要なのです。
東電も国も、このことを怠っています。そもそも賠償の条件を下手人である東電が勝手に決めているという不条理がまかり通っている異常な事態です。
こうした状況に対して原子力市民委員会は昨年末「核廃棄物管理・処分政策のあり方」を発表し、その第2章および第3章で事故由来放射能汚染物質の処分政策の誤りを指摘し、工学的最適解としての集中管理を提案しています。ご一読いただければ幸いです。http://www.ccnejapan.com/?p=6183
長野県宮田村(伊那谷)では、放射能汚染物質を持ち込む民間大型産廃処分場計画が起きています。宮田村及び周辺市町で住民による反対運動が始まり、現在10万人署名が行われています。
天竜川流域全体の問題として取り組まれるべき重要課題だと思います。また天竜川流域だけでなく、どこからでも署名は出来ます。岐阜県御嵩町に計画された巨大産廃処分場計画を跳ね返した木曽川流域圏からも多くの署名を届けたいと思います。
愚かな国の施策に対抗するのは骨の折れることですが、モグラを叩くように判明した事態ごとに素早く叩き潰していくしかありません。下記のサイトで電子署名もできますし、署名用紙(PDF版)をダウンロードして署名集めもできます。
★ネット署名はこちらからhttps://ssl.form-mailer.jp/fms/8f5de1b7419954
紙の署名用紙はこちらからダウンロードできます。
http://miyadakankyo.officialblog.jp/archives/507664.html
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