そうして、「平和公園」と名付けられた・その２

長崎の原爆資料館には、重要な資料がたくさんあって、充分な時間を取る必要があると思います。G7 外相会合があり、各国の外相が広島の原爆資料館を訪れたというニュースがありました。

オバマ大統領もその気になっているようですが、ほとんど滞在は短時間だと思う。どこまで把握できるのかと疑問ですね。それに、長崎のほうに行くというニュースはあまり聞いたことがない。

ただし、便利になったと言うべきか、ネットでアーカイブを見て確認できる時代になったので、私自身はこちらで見直すことができて助かっています。

★長崎原爆資料館(アーカイブ)
http://city-nagasaki-a-bomb-museum-db.jp/search-bomb.html

さて、バスガイドさんが歌う『原爆を許すまじ』を聴いて涙が滲みましたが、さらに二度目がありました。如己堂に住んだ永井隆医学博士の著書『この子を残して』の始めところの朗読で、…とめどなく…こういうのに弱い体質？ それに、自分の父親の匂いをまだ覚えているような気がする……

永井医師は自らも被爆して重傷を負っていましたが、布を頭に巻くのみで救護活動をされたようです。被爆死した妻を葬った後で、すぐに救援活動に従事したようです。また、病で伏せてからは二人の子どもと二畳一間の如己堂で暮らし、被爆から６年後43歳で亡くなられた…。

★如己堂(にょこどう)・長崎市永井隆記念館
http://isidatami.sakura.ne.jp/heiwa3.html

★青空文庫『この子を残して』　全文読めます
http://www.aozora.gr.jp/cards/000924/files/49192_39848.html

★映画『この子を残して』
https://www.youtube.com/watch?v=u0y0_x-TisU&nohtml5=False

★この子を残して（著：永井隆）「家に父あれば」
　朗読：岸なつみ
https://www.youtube.com/watch?v=TuAkZqOE4n8&nohtml5=False

永井隆博士は、次のように述べています。
「私たち日本国民は、憲法において戦争をしないことに決めた。（中略）憲法で決めるだけなら、どんなことでも決められる。憲法はその条文どおり実行しなければならぬから、日本人としてなかなか難しいところがあるのだ。どんなに難しくても、これは善い憲法だから、実行せねばならぬ。自分が実行するだけでなく、これを破ろうとする力を防がねばならぬ」

ところで、永井医師はカトリックに改宗した人ですが、長崎はカトリックの信者が多いようです。街中で教会をよく見かけました。データを探すと、「日本におけるカトリック信者数は、448,440人（「カトリック中央協議会」HP 2010年データより）。そのうち、長崎のキリスト教信者数63,081人」とある。

１６世紀に平戸にキリスト教が伝えられて、やがて禁令となり弾圧や迫害を受けましたが、潜伏キリシタンとなり、禁令が解かれた明治以降もずっと信仰は続いているようです。

長崎地区周辺は小さな離島がたくさんあり、この地理的な条件が備わっていたので隠れて信仰を続けることができたのではないかと。
https://www.andrew.ac.jp/soken/pdf_3-1/sokenk215-2.pdf

それにしても、キリスト信者の人口に占める割合は長崎教区でも4.29％という低さです。日本全国の割合0.34％よりは高いのですが…。なぜだかわかりませんが、キリスト教はあまり広まっていないみたいです。ネットでこの疑問に答えているところを見ると…。

「もしキリシタン弾圧が無ければ、日本はキリスト教国になり、白人に完全に支配され、その結果現在の世界はヨーロッパ、アメリカの植民地のままだと思いますよ」とあります。

日本は敗戦後ずっと「実質アメリカの植民地」なのだってことを、この回答者は知らないみたいです。ベストアンサーとなっているんですが。