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昨夜、読み終えたのは、『街場の戦争論』です。そこで知ったのですが、日本は「普通の敗戦国ではなかった」ということです。日本ほど徹底的で完璧な敗けをした国は他に無さそうなのです。
まさかと思うのですが、日本と同じく無条件降伏したドイツは主権を取り戻している。一方、日本は…、
日本は、敗戦後71年を経ているのに、かつての敵国アメリカの支配下にいる。つまり主権国家ではない。
ゆえに、経済大国と言われるようになっても国連の常任理事国になれない。ちなみに、常任理事国になれるのは、第二次大戦の戦勝国(USA、イギリス、フランス、ロシア連邦、中国)です。
しかしながら、フランスはナチスドイツに侵略されてドイツの属国となり、ドイツに協力した国です。いわば敗戦国なのに、ドゴールというやり手によって戦勝国扱いとなった…。そういう政治力のある政治家は日本国には一人もいないのだ。
また、日本は国連の事務総長になったことも一度とてない。なお、国連の事務総長として選ばれるのは、特定の国や地域に権力が集中することを防ぐため常任理事国からは選出できないことになっている。日本は常任理事国ではないのだから、事務総長になれるはずなのに、それでもなれっこない。
しかも、国連への分担金はアメリカに次いで世界2位。ちなみに、アメリカ6億余ドルで22%、日本約3億ドルで11%、ドイツ約2億ドルで7%を負担)膨大な金を拠出しているのに、それでも名誉ある地位に就けないのだ。金で得られるものではないのだということを知らないらしい。
日本はアメリカの従属国で、ただの家来でしかない、ということを世界中の人たちが知っているので選出されないのだ。大国アメリカが、確実に2票が取れることを、どの国も避けなければいけない、と考えているからだ。
ところが、アベ達はまちがえている。以下にあるように、日本会議の議長の見当違いも甚だしい。
★「"普通の国"実現に着手した、たった一人の政治家が安倍晋三」〜田久保忠衛・日本会議議長が会見2016年07月13日http://blogos.com/article/183306/
日本会議議長曰く。「仮に国家が「政治」と「経済」と「軍事」の"三本足"で立っていると仮定致します。日本では、その一本の軍事は、全く普通の国のそれではないのです」
アホやん!アホ過ぎる! たとえ軍事大国になっても、「普通の国」にはなれないのだ、と、彼らは知らないようだ。日本人は政治家だけでなく、国民性そのものが政治に疎い。清濁併せ持つ必要のある政治に慣れていない。あまりにも稚拙だ。
他国から侵略された歴史もなく、国中を巻き込んでの戦争もなかった。なぜならば戦国時代の戦いは、局地戦争だったのだ。それでは政治意識が高まるはずがない。たぶん…。そういう酷い戦争を、先の戦争まで体験したことがなかったので、政治的には幼児の段階に留まっているのか。 体験不足?
そんな情けない国が憲法をないがしろにして、アメリカに従って戦地に行こう(集団的自衛権にて)というのだから、世界中の人々にバカにされて当然ではないか。
アメリカに「おもいやり予算」をつけて、アメリカの古くなった武器を押し付けられて高額で買う。日本の空はアメリカに占領されてもいる(横田空域)。日本のどこにでも基地を造ることができる。軍事の指揮権もアメリカが持つという密約もあるという。(これは矢部宏治著『日本はなぜ戦争ができる国になったのか』に掲載されている必読の書だと思う)
その他まだまだアメリカの言いなりになっているものが多々ある。どこからみても家来に対してやりたい放題のアメリカ。そのアメリカに忠義を尽くす日本という図。これでは世界中から尊敬されていないというだけでなく、嘲笑されているとしか思えない…。
『街場の戦争論』のなかで取り上げられているのですが、映画監督のオリバー・ストーンが広島で講演で話したことが載っています。
「日本には豊かな文化がある。映画もすばらしい、文学もすばらしい、食文化もすばらしい。でも、あなたがたの国には、かつて高邁な道徳や平和のために立ち上がった総理大臣がひとりでもいたか」と。
「アメリカの国益を配慮して、日本人が戦後これだけの長い間アメリカに尽くしてきたのに、当のアメリカ人は“従属の忠義”に一片の感謝も敬意も抱いていない」とにべもなく告げている。
こんなこと当たり前ですよね。アメリカ人でなくとも、ロシア人でも南アフリカ人でも北朝鮮人でも、こんな情けない卑屈な国に、一体誰が敬意を払えるのか。日米地位協定をちょっとでも変えようという気もないらしい。
wレビでは連日、日本を自画自賛するようなことばかり取り上げている。視聴率もよいらしい。もしかしたら、アベ政権が各テレビ局に求めた類のものかもしれない。もしかしたら、局側の卑屈さからすりよってできた番組かもしれない。もしかしたら、卑屈な国だということを、日本国民はどこか深いところでわかっているから?(続く)
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