そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰?
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自宅に放火して、家族を三人死なせてしまった少年は、父親からの長期間(4~15歳)の厳しい受験教育に耐えていた。しかし、その厳しさは半端じゃなかった。
父親の期待にこたえねばならず、名門中学に合格したが、そこは優秀な子どもたちばかり揃っている。小学生時代のようにトップになるのは容易ではないはずです。で、初めての中間テストで180人中160番という成績となります。
この時の父親は、「はらわたが煮えくりかえり、息子を怒鳴りつけ髪の毛を引って、その場に引きずり倒し、握り拳で頭を殴ったり蹴ったりして息子を怒りつけた」と供述。
そして、「息子は放っておくと遊んでしまう。厳しくすれば成績があがる」とみて、父親はさらに厳しいノルマを与えるようになります。勉強大好きな子どもだと気づくことはなく、それどころかゲーム禁止令を出して、マンツーマン指導を続けます。
中一の冬休み明けのテストの成績は全科目平均以下になり、少年は父親から暴力を受けるのを怖がり、成績表を改ざんします。すぐにバレて、より激しい暴力を受けます。暴君もいいところで、もはや「虐待」が当て嵌まると考えられるほどです。
中二の夏頃、「僕は、パパに対する憎しみがますます増えていきました。パパの命が危険にさらされるのを強く願うようになっていました」と供述しています。凄いストレスに晒されていますから、またなにか起きるだろうと予想できるところです。で、実際、酷いことになりました。
中三の3学期の期末テストでカンニングをします。その件で学園で書かされた文章です。
「昨日、3時まで父さんに理1を教えてもらい、寝たのは4時過ぎだった。父にはいろいろ言われ続けて苦しかった。死にたいと思うことも何度もあった。朝、友だちと問題を出しあっていたら、全然覚えていないことがわかり、あせった」
4時まで勉強! ウソって思ってしまう。少年は焦りに焦って、ついにカンニングに手をだしてしまった…。この件で担任教諭は少年の家を訪ねて、少年と両親と話し合いを持ちます。少年の要求は2つで、「なぐらんといて」と「行きたい塾に行かせてほしい」です。
この期に及んでも、「もう医師などなりたくない! 塾など行きたくない! 勉強など絶対しない!」などではありません。やっぱり勉強好きな子どもだったのです。優等生気質の成せる技です。しかし、父親は依然変らず、少年は一層追い詰められていきます。
それでも父親の期待に応えようと健気に勉めた結果、高校入試に合格します。が、父親は監視を続けた。高校の教科は難しくなり、自ら教えられなくなったからです。
高校一年の一学期、中間テストの成績は真ん中より若干下だが、成績は以前よりは上がっていた。しかし、英語1が低く、それで父親が怒りだし、「これまでにない暴力を受けて殺されるのではないかと思うにようになった」と、少年は供述しています。
で、殺害計画を立てますが、英語1の成績が父親に知られるのは保護者会の日で、焦ってか混乱したのか殺害から放火に変えた、その日です。
この父親は、自分のように医師になることが唯一絶対の正しい価値や生き方であると教育して、息子に医師になることを強要した。自分にできなかった公立医大に入れることが、父親の生きがいにもなっていたようです。
なお、少年はこのように供述しています。「なんでこんなに勉強させられなあかんのや。なんでパパからこんなに殴られたり蹴れたり暴力を受けなければならないんや。一生懸命勉強しているやないか。パパに殴られるのは、僕の性格に合わない。パパの勉強方法は間違っている」
さて、父親が暴力を振わなかったら、何事も起きず、息子は受験勉強を続けていたはずなのです。つまり、父親は息子の性格を知らなかったのです。知ろうともしなかった。
(なお、少年は、ちょっとおかしな言い方をしていますが、怖がりという気質からきているので、その言い方は正確だと言えます)
また、父親が、暴力を受ける側に立って、その暴力がいかほどの恐怖を与えるのか、少しでも想像できたならば、このような悲劇に至らなかった、と考えられます。
なお、父親のほうが、「受験勉強しな息子」こ腹を立てて刺殺してまった事件のほうですが、この親子はともどもに短気で攻撃的な気質だったために起きたと考えられます。誰にとっても、怒りは制御できにくいものなのですが…。その後、以下の報道もありました。
★県警の調べに、父親は「自分の人生はうまくいかなかったので、子どもには頑張って欲しくて厳しくした」という趣旨の説明をしていることがわかった。
http://www.asahi.com/articles/ASJ8S67GHJ8SOIPE01H.html
しかしながら、子どもにも人権があります。どのように生きるのかを自分で選ぶ権利もあるのです。それゆえ、子どもに期待するなと、自分に期待しろ、いつだってやり直しはできると、世の親たちにきつくきつく言いたいところです。
拙い文章ですが、お終いまで読んで頂けたようで感謝します。終わり
中二の夏頃、「僕は、パパに対する憎しみがますます増えていきました。パパの命が危険にさらされるのを強く願うようになっていました」と供述しています。凄いストレスに晒されていますから、またなにか起きるだろうと予想できるところです。で、実際、酷いことになりました。
中三の3学期の期末テストでカンニングをします。その件で学園で書かされた文章です。
「昨日、3時まで父さんに理1を教えてもらい、寝たのは4時過ぎだった。父にはいろいろ言われ続けて苦しかった。死にたいと思うことも何度もあった。朝、友だちと問題を出しあっていたら、全然覚えていないことがわかり、あせった」
4時まで勉強! ウソって思ってしまう。少年は焦りに焦って、ついにカンニングに手をだしてしまった…。この件で担任教諭は少年の家を訪ねて、少年と両親と話し合いを持ちます。少年の要求は2つで、「なぐらんといて」と「行きたい塾に行かせてほしい」です。
この期に及んでも、「もう医師などなりたくない! 塾など行きたくない! 勉強など絶対しない!」などではありません。やっぱり勉強好きな子どもだったのです。優等生気質の成せる技です。しかし、父親は依然変らず、少年は一層追い詰められていきます。
それでも父親の期待に応えようと健気に勉めた結果、高校入試に合格します。が、父親は監視を続けた。高校の教科は難しくなり、自ら教えられなくなったからです。
高校一年の一学期、中間テストの成績は真ん中より若干下だが、成績は以前よりは上がっていた。しかし、英語1が低く、それで父親が怒りだし、「これまでにない暴力を受けて殺されるのではないかと思うにようになった」と、少年は供述しています。
で、殺害計画を立てますが、英語1の成績が父親に知られるのは保護者会の日で、焦ってか混乱したのか殺害から放火に変えた、その日です。
この父親は、自分のように医師になることが唯一絶対の正しい価値や生き方であると教育して、息子に医師になることを強要した。自分にできなかった公立医大に入れることが、父親の生きがいにもなっていたようです。
なお、少年はこのように供述しています。「なんでこんなに勉強させられなあかんのや。なんでパパからこんなに殴られたり蹴れたり暴力を受けなければならないんや。一生懸命勉強しているやないか。パパに殴られるのは、僕の性格に合わない。パパの勉強方法は間違っている」
さて、父親が暴力を振わなかったら、何事も起きず、息子は受験勉強を続けていたはずなのです。つまり、父親は息子の性格を知らなかったのです。知ろうともしなかった。
(なお、少年は、ちょっとおかしな言い方をしていますが、怖がりという気質からきているので、その言い方は正確だと言えます)
また、父親が、暴力を受ける側に立って、その暴力がいかほどの恐怖を与えるのか、少しでも想像できたならば、このような悲劇に至らなかった、と考えられます。
なお、父親のほうが、「受験勉強しな息子」こ腹を立てて刺殺してまった事件のほうですが、この親子はともどもに短気で攻撃的な気質だったために起きたと考えられます。誰にとっても、怒りは制御できにくいものなのですが…。その後、以下の報道もありました。
★県警の調べに、父親は「自分の人生はうまくいかなかったので、子どもには頑張って欲しくて厳しくした」という趣旨の説明をしていることがわかった。
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しかしながら、子どもにも人権があります。どのように生きるのかを自分で選ぶ権利もあるのです。それゆえ、子どもに期待するなと、自分に期待しろ、いつだってやり直しはできると、世の親たちにきつくきつく言いたいところです。
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