そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰?
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一昨夜、エマ・ワトソン主演のDVD『美女と野獣』を借りてきて観ました。苦手なミュージカル映画だとは知らず、ちょっとガッカリしましたが、画像やストーリー展開はまあまあです。
ところで、中学生の頃に『美女と野獣』を読んでいます。たぶん、ボーモン夫人版を読んだのではないかと思うのです。でも、ネットで調べたら、それとは違うみたいです。コクトー版というものもあり、ディズニーのアニメにもなっていますし、実写化も幾度もしているみたいなので、たぶん、女の子なら誰もが知っている物語です。
ところで、中学生の頃に『美女と野獣』を読んでいます。たぶん、ボーモン夫人版を読んだのではないかと思うのです。でも、ネットで調べたら、それとは違うみたいです。コクトー版というものもあり、ディズニーのアニメにもなっていますし、実写化も幾度もしているみたいなので、たぶん、女の子なら誰もが知っている物語です。
ネットではクロアチアの『ローザとジバル』という昔話が載っていましたが、私の記憶に近いものでした。以下に一部転載させてもらいました。
むかしむかし、あるところに、三人の娘を持ったお金持ちの商人(しょうにん)がいました。上の二人はわがままで、一日中、おしゃれをする事ばかり考えていました。けれども一番下のローザは、気だてのやさしいお父さん思いの娘でした。
お父さんは運の悪い事が続いて、財産をすっかりなくしてしまいました。でもわずかですが、まだ遠くの町にお金があずけてあります。そこでお父さんは、お金を取りに旅に出かけることにしました。ところが上の娘たちは、お父さんが貧乏になったってそんな事はおかまいなしです。
「お父さん。おみやげには、絹(きぬ)の着物と宝石を買って来てね」と、ねだりました。お父さんは、だまっている下の娘に尋ねました。「ローザ。お前は、何が欲しいかね?」 「・・・小さなバラの花を、一本ください。ほかの物は、何もいりませんわ」と、ローザは答えました。
お父さんは、遠くの町まで出かけました。その帰りにお父さんは道に迷って、いつの間にか深い森の中へ入ってしまいました。あいにくの大雨です。しかも運の悪い事は続くもので、強盗(ごうとう)にあってお金もウマも荷物もそっくり取られてしまったのです。
お父さんは、雨の森をあてもなくトボトボと歩いていきました。ふと見ると、遠くの方に明かりが見えます。
お父さんは、その明かりをめざして歩いて行きました。そして、ご殿のように立派な家の前に出ました。お父さんはヘトヘトに疲れており、しかもお腹はペコペコです。思い切って、中へ入ってみました。そこは台所で、誰もいないのにかまどが赤々と燃えていました。…中略…
翌朝、そこは今まで見た事もないほど美しい庭で、ありとあらゆる果物(くだもの)がなり、美しい花が咲いていました。バラの花を見た時、お父さんはローザとの約束を思い出しました。
「そうだ。一本だけ、もらっていこう」
お父さんが一本のバラを折ったとたん、突然恐ろしい物音がして、恐ろしい姿の魔物が現れました。
「わしの家にだまって入って、大切なバラを盗むとは何事だ! お前の首をヘし折ってやるぞ!」 お父さんは驚いて、自分の不幸せな旅の話やローザとの約束の事を話しました。すると魔物は、怖い声で言いました。
「では、わしの大切なバラを折ったかわりに、お前の一番大事な物をよこせ。下の娘のローザを、連れてこい。わしの妻にする。それがいやなら、今すぐお前の首をへし折ってやる!」 仕方がありません。お父さんは魔物に娘を連れてくると約束して、やっと家へ帰してもらいました。…
全文はここ
1946年にフランスで公開されたのがコクトー版の映画
★コクトー版の1946 - full movie
さて、この物語は私にとってはグッと来るもので、心が震えてくると言ってもいいくらいです。なぜならば、私には二人の姉がいて私は末っ子です。子どもの頃、ちょっとボウッとした気の利かない能無しの女の子に見られていたような気がします。
ですから、父親からは何の期待もされたことがなく、叱られたこともないが何も求められていない、という寂しさがあったように記憶しています。で、いつか私はやるぞと。父親にとっての一番大切な娘になってやる。自分はきっと役立つことをするのだと…。自分は姉たちとは違うのだ、と思っていたような…。
タイプ2はファザコンタイプですから、父親から認められること、父親から役立つ人間だと認識されるようになりたいという願望を持つ傾向があります。たとえ無自覚でも、深層心理ではわかっているので、この物語に心奪われる娘たちがたくさんいるのではと考えられます。
★九つのタイプとコンプレックス
★コンプレックスは誤解されている
残念なことに、父親を助けたり役立つ何かをしたことなど一度もないまま父は他界してしまいました。この映画を見て、改めて中学生の頃に、ゾクッとしたり震えそうになったりしていたことを思い出しました。これを読む娘さんたちの中にも、これに似た経験されたことがあるのはないでしょうか。なお、原作者もタイプ2だと判定できます。
むかしむかし、あるところに、三人の娘を持ったお金持ちの商人(しょうにん)がいました。上の二人はわがままで、一日中、おしゃれをする事ばかり考えていました。けれども一番下のローザは、気だてのやさしいお父さん思いの娘でした。
お父さんは運の悪い事が続いて、財産をすっかりなくしてしまいました。でもわずかですが、まだ遠くの町にお金があずけてあります。そこでお父さんは、お金を取りに旅に出かけることにしました。ところが上の娘たちは、お父さんが貧乏になったってそんな事はおかまいなしです。
「お父さん。おみやげには、絹(きぬ)の着物と宝石を買って来てね」と、ねだりました。お父さんは、だまっている下の娘に尋ねました。「ローザ。お前は、何が欲しいかね?」 「・・・小さなバラの花を、一本ください。ほかの物は、何もいりませんわ」と、ローザは答えました。
お父さんは、遠くの町まで出かけました。その帰りにお父さんは道に迷って、いつの間にか深い森の中へ入ってしまいました。あいにくの大雨です。しかも運の悪い事は続くもので、強盗(ごうとう)にあってお金もウマも荷物もそっくり取られてしまったのです。
お父さんは、雨の森をあてもなくトボトボと歩いていきました。ふと見ると、遠くの方に明かりが見えます。
お父さんは、その明かりをめざして歩いて行きました。そして、ご殿のように立派な家の前に出ました。お父さんはヘトヘトに疲れており、しかもお腹はペコペコです。思い切って、中へ入ってみました。そこは台所で、誰もいないのにかまどが赤々と燃えていました。…中略…
翌朝、そこは今まで見た事もないほど美しい庭で、ありとあらゆる果物(くだもの)がなり、美しい花が咲いていました。バラの花を見た時、お父さんはローザとの約束を思い出しました。
「そうだ。一本だけ、もらっていこう」
お父さんが一本のバラを折ったとたん、突然恐ろしい物音がして、恐ろしい姿の魔物が現れました。
「わしの家にだまって入って、大切なバラを盗むとは何事だ! お前の首をヘし折ってやるぞ!」 お父さんは驚いて、自分の不幸せな旅の話やローザとの約束の事を話しました。すると魔物は、怖い声で言いました。
「では、わしの大切なバラを折ったかわりに、お前の一番大事な物をよこせ。下の娘のローザを、連れてこい。わしの妻にする。それがいやなら、今すぐお前の首をへし折ってやる!」 仕方がありません。お父さんは魔物に娘を連れてくると約束して、やっと家へ帰してもらいました。…
全文はここ
1946年にフランスで公開されたのがコクトー版の映画
★コクトー版の1946 - full movie
さて、この物語は私にとってはグッと来るもので、心が震えてくると言ってもいいくらいです。なぜならば、私には二人の姉がいて私は末っ子です。子どもの頃、ちょっとボウッとした気の利かない能無しの女の子に見られていたような気がします。
ですから、父親からは何の期待もされたことがなく、叱られたこともないが何も求められていない、という寂しさがあったように記憶しています。で、いつか私はやるぞと。父親にとっての一番大切な娘になってやる。自分はきっと役立つことをするのだと…。自分は姉たちとは違うのだ、と思っていたような…。
タイプ2はファザコンタイプですから、父親から認められること、父親から役立つ人間だと認識されるようになりたいという願望を持つ傾向があります。たとえ無自覚でも、深層心理ではわかっているので、この物語に心奪われる娘たちがたくさんいるのではと考えられます。
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