そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰?
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ブータンは、アッサム独立派ゲリラ組織との戦いで11人の兵を亡くしましたが、一日半でゲリラを国外に駆逐することができました。つい最近のことで、2003年の秋にあったことです。なお、ブータンではその後に戦勝式典をすることは無く、兵士たちを顕彰することもなかった…。
ただし、国営新聞を通じて、軍事作戦の反省の態度を取り続けたようです。仏教国として殺生という罪を犯したと認識し「否定的な態度を取り続けた」とあります。
また、ブータン人は、アッサム人捕虜を一度も虐待することはなく、同じ内容の食事をして同じようなテントで寝泊まりしたようです。アッサム側にも犠牲者はいましたが、アッサム人も、ブータンに報復行為することは現在まで一度も無かったとあります。
前回の高僧の訓示にあるように、「敵といえども他の人間と同じように」扱ったからこそ、アッサム人はブータン人を信頼できると見たのではないでしょうか。
たとえば、敵の呼び方でどのような軍隊なのかわかります。その最たるものとして旧日本軍の731部隊の人体実験において、中国人を「マルタ」と呼んだことです。人間扱いしないことで自分たちの行為を正当化しているのか…?
★731部隊
https://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/030a4e742428dd3e96c4403481b3a903
この事実を知ったのは、私が中学生の頃のことで大ショックを受けました。たぶん終生忘れることはないと思う。アメリカ兵も日本人のことを「ジャップ」とか「イエローモンキー」と呼んでいましたが、この手のことは世界中にあったと容易に想像できるところです。
ちなみに、これより一世紀前にイギリスとブータンが対決した「第一次ドゥアール戦争」がありました。イギリス軍の或る記録係の報告書が出版されているようで、ブータン人に関する記事が載っています。
「戦士としてのブータン人の資質の良さを物語る事柄がある。彼らは極めて人間的であり、戦争期間中、彼らが死体を切断したり、捕虜を虐待したことは一度もなかった」 (ここまでの青字は、熊谷誠慈編著『ブータン』より転載。創元社)
しかしながら、敵の死体を切断するなどは、太古から人類普遍にありました。古代中国において、戦場の食糧が尽きるとネズミを捕って食べ、それらも尽きると、将軍が連れてきた愛妾を殺して、兵士に食べさせたと伝えられています。近代ならば、第二次世界大戦の戦場で、日本兵が米軍捕虜を殺害し食べたようです。古代から連綿と続いていることです。
ゆえに、ブータンの戦場であったことは、稀有なこととして報告されたのでしょう。さて、「捕虜」といえば、日露戦争でのロシア兵捕虜への扱い方で有名な松山でのことなら、一般によく知られています。
★写真ありhttp://dayzi.com/a-izinkatuta2.html
ロシア兵捕虜は8万人で日本各地に収容されましたが、愛媛県松山の収容所の待遇は想像以上と言えます。私の持っている本の中にもあります。
「ロシア兵は戦場で銃を捨てて投降してくるが、その折(松山の噂を聞いていたのか)、“マツヤマ、マツヤマ”と叫びながら駆け寄ってきた者もいると伝えられている」
一方、日本兵捕虜の記録は残っていないので分かりませんが、メドヴィージ村の収容所で「日本兵捕虜の即興演奏会」の写真が載っている本を持っています。若かりし頃に購入した本で、何十年ぶりで開いて読んだところなのですが、昨夜初めて見つけたもので、待遇が悪そうには見えません。(ここまでの青字は、『近代日本史』から転載。国文社)
なお、死体の切断に関してですが、「アメリカ兵が、殺したベトナム人の膵臓を食べた」という記事や、韓国兵士が耳を切りとって首飾りにしたとか、日本兵が刀の試し斬りをしたとか、人肉食をしたとか、取り上げたら枚挙にいとまがありません。
ところで、故・白川静さんは、漢字の起源を研究した方で、私にとっては尊敬する人物のトップに入ります。「さん」づけでは恐れ多いと思っているのですが…。彼の解いた漢字の起源を知って、あまりの恐ろしさから、起源など知らねばよかったと思ったくらいです。
古代中国史にも出てきますが、殺した敵兵の耳を切り取って自分の武功の証拠にしており、ここから「取る」という漢字ができたとか。「最」という漢字は、戦場で切り取った耳を袋に詰めている形だとか。「撮」も切り取った耳を摘み持つという意味があります。
人は戦場で命のやり取りをすると人柄はガラッと変わる。自身が恐怖感で一杯になって自己コントロールが正常に機能しなくなったからではと想像していますが…。それゆえか、ブータン王の賢さと誠実さ、粘り強さなどが輝いて見えて来るのです。(つづく)
また、ブータン人は、アッサム人捕虜を一度も虐待することはなく、同じ内容の食事をして同じようなテントで寝泊まりしたようです。アッサム側にも犠牲者はいましたが、アッサム人も、ブータンに報復行為することは現在まで一度も無かったとあります。
前回の高僧の訓示にあるように、「敵といえども他の人間と同じように」扱ったからこそ、アッサム人はブータン人を信頼できると見たのではないでしょうか。
たとえば、敵の呼び方でどのような軍隊なのかわかります。その最たるものとして旧日本軍の731部隊の人体実験において、中国人を「マルタ」と呼んだことです。人間扱いしないことで自分たちの行為を正当化しているのか…?
★731部隊
https://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/030a4e742428dd3e96c4403481b3a903
この事実を知ったのは、私が中学生の頃のことで大ショックを受けました。たぶん終生忘れることはないと思う。アメリカ兵も日本人のことを「ジャップ」とか「イエローモンキー」と呼んでいましたが、この手のことは世界中にあったと容易に想像できるところです。
ちなみに、これより一世紀前にイギリスとブータンが対決した「第一次ドゥアール戦争」がありました。イギリス軍の或る記録係の報告書が出版されているようで、ブータン人に関する記事が載っています。
「戦士としてのブータン人の資質の良さを物語る事柄がある。彼らは極めて人間的であり、戦争期間中、彼らが死体を切断したり、捕虜を虐待したことは一度もなかった」 (ここまでの青字は、熊谷誠慈編著『ブータン』より転載。創元社)
しかしながら、敵の死体を切断するなどは、太古から人類普遍にありました。古代中国において、戦場の食糧が尽きるとネズミを捕って食べ、それらも尽きると、将軍が連れてきた愛妾を殺して、兵士に食べさせたと伝えられています。近代ならば、第二次世界大戦の戦場で、日本兵が米軍捕虜を殺害し食べたようです。古代から連綿と続いていることです。
ゆえに、ブータンの戦場であったことは、稀有なこととして報告されたのでしょう。さて、「捕虜」といえば、日露戦争でのロシア兵捕虜への扱い方で有名な松山でのことなら、一般によく知られています。
★写真ありhttp://dayzi.com/a-izinkatuta2.html
ロシア兵捕虜は8万人で日本各地に収容されましたが、愛媛県松山の収容所の待遇は想像以上と言えます。私の持っている本の中にもあります。
「ロシア兵は戦場で銃を捨てて投降してくるが、その折(松山の噂を聞いていたのか)、“マツヤマ、マツヤマ”と叫びながら駆け寄ってきた者もいると伝えられている」
一方、日本兵捕虜の記録は残っていないので分かりませんが、メドヴィージ村の収容所で「日本兵捕虜の即興演奏会」の写真が載っている本を持っています。若かりし頃に購入した本で、何十年ぶりで開いて読んだところなのですが、昨夜初めて見つけたもので、待遇が悪そうには見えません。(ここまでの青字は、『近代日本史』から転載。国文社)
なお、死体の切断に関してですが、「アメリカ兵が、殺したベトナム人の膵臓を食べた」という記事や、韓国兵士が耳を切りとって首飾りにしたとか、日本兵が刀の試し斬りをしたとか、人肉食をしたとか、取り上げたら枚挙にいとまがありません。
ところで、故・白川静さんは、漢字の起源を研究した方で、私にとっては尊敬する人物のトップに入ります。「さん」づけでは恐れ多いと思っているのですが…。彼の解いた漢字の起源を知って、あまりの恐ろしさから、起源など知らねばよかったと思ったくらいです。
古代中国史にも出てきますが、殺した敵兵の耳を切り取って自分の武功の証拠にしており、ここから「取る」という漢字ができたとか。「最」という漢字は、戦場で切り取った耳を袋に詰めている形だとか。「撮」も切り取った耳を摘み持つという意味があります。
人は戦場で命のやり取りをすると人柄はガラッと変わる。自身が恐怖感で一杯になって自己コントロールが正常に機能しなくなったからではと想像していますが…。それゆえか、ブータン王の賢さと誠実さ、粘り強さなどが輝いて見えて来るのです。(つづく)
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