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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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受講生たちと話し合いをしているうちに、考え方というか捉え方がクッキリと2つに別れたことがあります。

それは、2006年6月に奈良県で起きた事件に関するものです。16歳の少年(Aとする)が父親の厳しい教育指導があり、どうやら追い詰められて放火し、継母と弟と妹を死なせてしまったというものです。

この父親は医師ですが私大出で、それに引け目を感じて息子のAには国公立の医大に進学させようと暴力的な指導をしていたようです。それを一部ですが転載します。

塾や英会話学校がない日、Aは夜7時半から12時頃まで自室ではなく父親の書斎で勉強をした。目の前には父親が黙って座っていて、問題を解くのが遅かったり、間違えたりすると、父親は こぶしで殴ったり、髪の毛を引っ張ったり、殴り倒してから足蹴りするというような暴力である。ある時にはシャープペンシルを頭に突き刺したこともあった。Aの前歯2本は殴られたためか差し歯だが、折れた時のことは覚えていないという。」

これほどの指導を受けたために、いつしかAは父親に殺されるかもしれないと恐怖し、殺される前に殺そうと計画を立てたようです。しかし、その夜、父親が宿直で自宅にいない。明朝のことを考える怖くて放火したというものです。

1つは、「暴力的な指導に関しては否定的だが、子への思いが強かったためだろうと、根本の動機に対しては肯定的な解釈をする」グループです。

もう一つは、「子への思いが強いことを肯定的に見られない、単に自分の思いを押し付けているだけで、本当に子どもを思っているとは言えない」と考えるグループです。


前者はタイプ2w1と判定している人たちだけで占められました。後者はそれ以外のタイプです。ちなみに、後者のグループにいたタイプは、2w3 4w5 7w7 7w8 9w1 9w8です。

同じタイプ2でも、w3とw1とは、考え方が違っています。その場に2名の2w3がいました。

なお、そのうちの1名は私ですが、子どもに対して暴力的になること自体が考えられません。教育熱心な人たちを身近に見ていましたが、ずっと違和感を感じていました。もう一人の2w3も同意見です。


でも、お母さん気質の人たちが、子どもへの思いが強くなるのは当然のことだと思います。しかし、それらの思いは良い方向に行く場合もあるかと思いますが、この事件のような悲劇を生むことがあります。

そして、他のタイプの親たちは子どもへの思いはあっても、それほど強くはなれません。子どもには子どもの人生があると考えてしまうのです。

あるタイプ4の母親が述べていたことが忘れられません。「私にはホームレスになる権利だってあるんだから!」と怒りを露わに出していたことです。

彼女の母親(2w1で1のウイング重い)はかなり教育熱心だったようです。しかし、彼女のほうでは母親に対して憎しみさえ抱いていますが、母親のほうはそれを知らずにいます。

ちなみに、子への思いは強くとも、それは主に息子に対して強く出るもので、娘の場合は放任主義的になることもあり、個々に違うのは言うまでもありません。

さて、「親がなくとも子は育つ」と言いますが、「親があっても子は育つ」という言い方もあります。どちらもすごく深い意味があるように思います。

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