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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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 受講生から、おすすめの映画があったら、「一つだけでいいから教えて欲しい!」と告げられてしまいました。一つだけといっても困ってしまいます。あんまり長く生きてきたので、観た本数もかなりになります。第一、あまり覚えていません。そんな返事をしましたが、何回も乞われてしまい、いろいろと考えたすえに、「“ストレートストーリー”がいいよ」と、つい答えてしまいました。

 あらすじは、73歳の老人アルヴィン・ストレートが、兄が倒れたと聞いて550キロも離れた兄の家へと旅する、いわゆる「ロード・ムーヴィー」です。

 アルヴィンは貧しく、運転免許もないらしく、目も糖尿病を患い、それ以外の持病もあり身体はガタガタです。腰も痛めており、杖なくしては歩けない頑固な爺さんです。
それでも、ケンカわかれしたまま10年くらい会っていない兄と、最後になるかもしれないと、旅立ちを決意します。

 そこで考えたのが芝刈り用の
トラクターです。アイオワ州ローレンスから、兄の住むウィスコンシン州のマウント・ザイオンまで、時速6.4キロのトラクターで旅します
旅の途中、いろいろなアクシデントが起きますが、いろいろな人々との出会いありで、見せ所は各所にあります。そして、結末で泣きます。たぶん! 多くの人たちが‥?
 

 この映画の監督は、デビットリンチ1999年の作品で彼が53歳のころです。「エレファントマン」で売り出し、「ツイン・ピークス」・ブルー・ベルベット」などで高い評価を受けています。この監督の作品の中で私が好んでいるものは、「マルホランド・ドライブ」です。他に類を見ない印象深いものです。

 作品から考えるに、リンチさんはタイプ4w5の可能性があります。ところが、この「ストレート・ストーリー」は、他の作品とだいぶ趣きが異なりますあまりにも素直というかストレートです。たぶん、そういう意味が込められていると思うのです。この映画だけを見ていたら、タイプ2なのか、いやタイプ4の作品だろうなとか、いろいろに迷ってしまいます。タイプ4の作品だとストレートには言えません

 そこで調べてみたら、なんと実話を元にしたものでした。また、脚本はパートナー(妻)のメアリー・スィーニーの手になっているようです。この女性がタイプ2なのか、または、実話の主がタイプ2なのかなあなどと、まだ調べてもいないのですが‥。ただ、そうであるなら納得できるという感じだからです。
 
 登場人物のセリフはタイプ4らしい雰囲気があるのですが、行動の仕方がタイプ2っぽく感じるのです。また4w5らしい凝ったところはなく、どちらかというと、退屈というか地味な作品です。
 ただし、しみじみとした気持ちにはなれました。


 さて、ここを読む皆さんも、ちょっと気持ちが荒れているならば、この映画を見ると、涼しい風に吹かれたような気分になるのではないでしょうか。でも、その気になって観てみたら、「期待外れだった」とわざわざ伝えないでくださいね。もう遅くなりました。今夜は淀川長治さんみたいに、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!         (済みません一度は真似したかったので‥)

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