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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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北海道議会議員のお一人(自民党) から、二度目のご返事(8/16、青字)が届いて、それに対しての私の返事を公開しようと思います。

なお、当ブログ8/15に、「往復書簡・その1」を載せていますので、併せて読んで頂ければ幸いです。 


   …………………………………………………………………

ご返信有り難う御座いました。様々な考え方がある中で、何を基準にどう判断するかはとても難しいことだと思います。

福島原発でも、貞観津波という1000年前の事例を指摘した意見を軽視したからと言われています。

もしこれを重視していれば、例え原発を建設したとしてもそれに備えることも出来たかも知れませんし、今回のような重大事故を防ぐことも出来たかも知れません。

原子力という放射能を出すものを制御しながらそのエネルギーを利用とすることは、人の英知を越えたものかも知れません。前回の繰り返しになりますが、人類は今回の事故から何を学び、どう今後につなげるかが問われていると思います。

私たち政治の場にあるものは、皆さんがいかに満足できる暮らしを実現するかが、一番の使命と思っています。しかし、その満足できる暮らしが人それぞれに違っていることで、非常に難しいものになって居ます。

これまでは、日本人の大半が、経済成長による暮らし向きのアップを求めていたことで、成長路線をひたすら走ってくるだけで殆どの要求に応えることが出来ました。その延長線上にエネルギー源としての原発がありました。

勿論安全神話の上に乗ってのことです。今原発を全て止めても、電力の不足は起こらないという話もありますが、円高、石油の値上がり、追いつかない再生可能エネルギーの実現などが予想される中で、いかに経済の空洞化を防いで皆さんの職場を守るかもまた大きな課題です。

私自身は、原子力も石油火力と同じ過渡的エネルギーと思っています。6月の定例会では、安定して電力の確保出来る小水力発電網の整備を急ぐべきと提案しました。ダムを無駄とした民主党政権でしたが、見直しも必要でしょう。

ただ、私の提案は、農業用水や、治水、上水といった発電目的外に整備されているダムを使っての一基あたりではそれ程大きな発電が出来ないけれども、集めると原発3基分くらいは北海道内で発電できるものと言うことです。

風力は不安定。太陽光はパネルを作るコストが高すぎ、またそのために使うエネルギーが大きすぎる。

パネルが廃棄物になるときの処理法が確立できておらず、20年後には大問題になる可能性がある(原発の核廃棄物よりは良いか?)

水資源に恵まれている日本こそもっと水力を使うべきと言うのが基本です。

但し、今の時点ですぐに原発に変わる電力の確保は難しいことから、30年という原発の寿命が切れるものから、順次廃止していくという案を支持したいと思います。

あなた方の思いとは違っているでしょうが、今の日本経済の現状と、失業問題をこれ以上悪化させられないという苦渋の判断となることをご理解戴きたいと思います。

長くなりましたが、私も、本業は酪農家です。自分の搾った牛乳から放射性物質が検出されたらと思うと決して平常心ではいられません。一日も早く脱原発が実現できるように努力をしていきます。

                           北海道議会議員 中司哲雄


  …………………………………………………………………
 
北海道議会議員 中司哲雄 様

再度のご返信をありがとうございます。誠実なお人柄の方と思われ、また、それは本業が酪農家であるためではないかと推察します。

北海道知事の高橋はるみ氏のような元官僚ではそういうことはないだろうと思われるからです。

さて、議員という政治に関わる人間は
、「皆さんがいかに満足できる暮らしを実現するかが一番の使命」とあります。しかし、それは基本的な認識が間違っているのではないかと思います。

なぜなら、私たちが欲しいのは、「満足」ではなく、「安心」です。私だけでなく多くの人たちがそう考えているはずです。それが原発反対8割という数字①に表れていと考えられます。



①原発廃炉推進が82% 全国世論調査、3人に2人新増設反対 6/19

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201106190071.html


安心できる暮らしがあってこそ、満足できる暮らしを求められるのです。しかし、現在、その安心が脅かされているのです。

地震対策は、地震国ニッポンに住む者ならば、肝に銘じておかなければならないものです。  

福島原発事故から学びとることがあるとしたら、地震国では原発を全廃するしか安心感を得られないということです。生きていくための最も基本の「安心」を犠牲にしてまで、原発を稼働する必要性はないと考えます。

さらに、原発は稼働しているかぎり、常に放射性物質は放出されています。原発雇用があるかもしれません。高額な交付金もあるので自治体の財政も豊かなのでしょう。

しかし、一方で、健康を損ねている②③のではありませんか。



玄海原発周辺で白血病が増加 全国平均の6倍

http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-4139

③ドイツ政府の調査では、原発から5km圏内の小児ガンは全国平均の1.61倍
、 小児白血病は2.19倍となっている。 8/12

http://janjan.voicejapan.org/world/0812/0812110292/1.php


泊では、ガン死亡が北海道では第一位④になっています。泊原発のせいでガン死亡が多いのかわかりませんが、可能性がないとは言えません。


④がん死亡、北海道では、泊が、 第一位
http://www.pe-ringnet.or.jp/wp-content/uploads/2010
/02/5270c2d5a77872ea4eed5c5db4f52805.pdf



また、健康であってこそ働くことができます。雇用云々よりも、どのような仕事であれば健康的な暮らしが保障されるのか、そこが問題になっています。

また、ご返事には
、「経済成長による暮らし向きのアップを求めていた」とありますが、それどころではないとは思いませんか。経済格差が拡大しています。貧しい人たちはさらに貧しい暮らしに追いやられています。

「暮らし向きのアップ」を求めていたのは中間層か上層です。アップを求めたくとも現実は以前よりずっと貧困になっています。こちらをなんとかしてください。

ほおっておけば金持ちはもっと金持ちになり、貧しい人はさらに貧しくなるというのが資本主義経済です。

また、右肩上がりの経済成長をするしか生き延びられないのが資本主義経済です。暮らし向きのアップを求めても求めなくとも、そうなる定めを持つのが現経済システムです。

ご返事の中にある、
「殆どの要求に応えることが出来ました」という意味がよくわかりません。ご自身が自分の議員活動に対して、そのように自負するのはご自由です。

しかし、道民たちや日本人の全ての要求に応えられてきたなど、全く考えられません。

原発建設反対という要求は、当初からずっと一貫して無視され続けてきました。環境破壊しないでという要求にも、当初(1980年代)は問題にもされませんでした。そういうことを取り上げると、多すぎて書き切れません。

なお、自然エネルギーのほうが、原発より12倍の雇用効果あった⑤、という報道がありました。⑥も似たようなものです。

⑤ドイツ現地レポート4 
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/4-12/blog/35548/

⑥脱原発・自然エネルギー普及シナリオの経済影響評価 7/21
http://www.iges.or.jp/jp/news/press/11_07_21_3.html


そして、現在、さまざまな企業や団体が自然エルネギーの分野へ続々と参入しています。太陽光発電システムの価格も下がり⑦、パネルの価格も低下⑧しております。

また、太陽が沈んでも発電できる⑨とか、塗る太陽電池⑩など、画期的な技術も続々と発表されています。自然エネルギー分野の新情報もあまりに多く、ここではほんの一部だけ載せました。

なお、太陽光パネルから放射性物質がでるとは聞いておりません。原発の危険性は圧倒的で、他と比較できないほどです。



⑦ドイツの太陽光発電システムはこの5年で半額以下・業界団体が発表8/10

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110810/195270/

⑧楽天、太陽光パネル販売へ「半額以下で」  8/4
http://www.sanspo.com/shakai/news/110804/sha1108042345016-n1.htm

⑨世界初!太陽が沈んでも発電可能な太陽熱発電所がスペインに誕生 8/6
http://alternas.jp/uncategorized/2011/08/6477.html

⑩塗る太陽電池、実用化めど 三菱化学、13年春ごろ発売 7/19
http://www.asahi.com/eco/TKY201107190319.html

⑪国内最大級の太陽光発電計画  愛知県 5万キロワット 8/20
http://www.47news.jp/news/2011/08/post_20110820103002.html


ところで、日本は水資源に恵まれていますが、火山国なので地熱という資源にも恵まれています。設備投資も少なくて済み、環境破壊ももっとも少ないもののようです。北海道にも幾つがあるみたいです。


⑫日本の地熱資源量は世界3位、国内各社が開発加速

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1108/19/news011.html

⑭レスター・ブラウンが語る原発事故とその後にくるもの・地熱発電
YouTubeの動画 2011/7/9  

http://www.youtube.com/watch?v=sJB2IyMttBY


さて、ご返事に「30年という原発の寿命が切れるものから、順次廃止していくという案を支持したい」とあり、それは現実的な考え方で、それに同意する人間は少なくないと思います。

しかし、私自身は即時、原発廃止を願っているものです。なぜならば、地震はいつ来るかわからないからです。しかも、大地震の予想ばかり出ています。

前のメールにも書いていますが、その後も地震に関する報道はかなり出ています。



⑮大地震、震源と活動が9世紀と酷似 専門家が警鐘
神戸新聞 8/19

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004384230.shtml

⑯日本の地盤、震災で一変 震度5級すでに59回誘発
日本経済新聞
http://t.co/5K69Pvu
"今後数年間、M7級の大地震が日本中どこでいつ起きてもおかしくない。


2、3日前にも大きな地震がありました。少しの亀裂が大きく破壊的なものになってしまう恐れがあります。私の家の壁にも亀裂が見つかりました。地震の恐ろしさは圧倒的なものです。

がしかし、それ以上に怖いものは、地震によって原発事故を引き起こすかもしれないという不安です。その恐怖心が、私をして、こうした行動に駆り立てています。

福島県の酪農家が自殺したという報道もありました。毎日絞っている牛乳を毎日のように捨てなければならないのです。その悲しさ辛さは、かなりご理解いただけるものと思います。

精根こめて育てた牛を捨てるしかなかった酪農家たちの立場になれば、泊原発の稼働が正式に認められることが、どんなにか悔しいか予想できるでしょう。

議員としてではなく、仲間の苦しみや無念さを考えて、行動に移して欲しいと切に願います。
 
                        2011年8月23日 竜頭万里子

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