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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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枝雀さんは、落語の導入部にあたる「枕」のところで、「地球からロケットで脱出するとなると、役に立たない落語家が最後ですな」と、笑いをとったみたいです。

本心で言ったのに、聴いている人たちはみな笑っている。自分を理解してくれる人はいない。それが辛く悲しくて泣いてしまったのではと私は分析します。

また、落語で名を成しても自分は役に立たない人間だ、と思うとしたら、それはかなり無理をしているからではないかと考えられます。

エニア理論から見てみましょう。

世界は否定的→(837)→自分だけ愛されたい→A
世界は肯定的→(261)→自分を認められたい→B
世界は両価的→(594)→自分を理解されたい→C

(注*両価値的とは否定的でも肯定的でもないがどちらもあり得る。これは私の造語です)

落語家として人気を博して愛されていたならば、ロケットで脱出する時は真っ先に乗り込むことができるかもと考えることができます。それがAのグループです。

また、落語家として社会に認められるようになったのであれば、ロケットに乗り込む一員に自分は確実に入ると考えることができます。それがBのグループです。

しかし、自分をわかってほしいと思っている人間は、落語家として人気者になり好評を博して認められても、上記のような根源的な欲求が満たされたことにはなりません。

つまり、枝雀さんは837と261の可能性は低いという分析もできると考えます。Cであったがために、社会的な成功を得ても、心に充足感と安定感を与えなかったと思うのです。

枝雀さんはかなりの練習熱心で、度を越すほどだったらしく、完成度を高めようと必死であったことはよく知られています。

これは完璧主義的になりやすい優等生気質(174)の人たちによくある傾向です。しかし、優等気質とはいっても、7と1よりは4の可能性が高いと言えるでしょう。

また、自分は無価値とか無能だと思い込みやすいのは、3つのタイプの中では末っ子気質の人たちにみられる傾向です。

当ブログ2010年3月の中旬
頃に取り上げた、坂口安吾・つげ義春・テクジュベリ・サリンジャーのエニアタイプは枝雀さんとと同じタイプ4です。

「自分を小さくて無力な存在、無能な存在」だと、みなよく似たことを語っています。

ブログ内検索に名前を入れて確認して頂ければと思います。

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