そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
[360] [359] [358] [357] [356] [355] [354] [353] [352] [351] [343]

漫画家・つげ義春の作品「退屈な部」には、「妻に秘密で、自宅とは別に小さなアパートを借りる」というものがあります。つい最近のことですが、坂口安吾(4w5と判定済み)も、妻には秘密にしている仕事部屋があり借りていたことを知りました。

自宅に居場所がないのか、単に一人になれる場が欲しかったのか、それはわかりませんが、同じタイプは同じような行動を取ることがあります。

また、つげと同様に、安吾にも流浪癖があったと、妻が語っています。(安吾と釣りと海、1979年4月より) 安吾は作品の中で流浪することを、次のように書いています。

「私は家に怖れと憎しみを感じ、海と空と風の中にふるさとと愛を感じていた。それは、しかし、同時に同じ物の表と裏でもあり、私は憎み怖れる母に最もふるさとと愛を感じており、海と空と風の中にふるさとの母をよんでいた。常に切なく呼び求めていた。だから怖れる家の中に、あの陰鬱な一かたまりが漂う気配の中に、私はまた、私のやみがたい宿命の情熱を托しひそめてもいたのであった。私もまた、常に家を逃れながら、家の一匹の虫であった」


これは、「石の思い」という坂口安吾が幼少の頃から少年期にかけてのことを書いたという作品に載っているものです。妻の著書に抜粋されていたものを転載しました。

彼は、家を出たがり、流浪したくなり、秘密の部屋を持ちたがっている。そして、彼自身は、家の「一匹の虫」というような存在みたいです。

「一匹の虫」とはちと大げさに思いますが、本人にとってはそんな自分だと感じていたのでしょう。タイプ4は末っ子気質ですから、自分のことを末っ子のみそっかす的な存在だと思いやすいのです。

また、上記を見ると、「家への怖れと憎しみ」と母という存在が直結しているみたいな書き方をしています。どうやら家や母が自分を縛りつけている、陰鬱にさせているらしいのですが、その家と母は彼にとっては捨てられぬものらしく、常に切なく呼び求めているのですから、複雑ですね。
 
でも、安吾は母親への愛憎を自覚しています。自身のなかにある複雑(コンプレックス)な心理状態をよく理解しているみたいです。

タイプ4がマザコンになりやすい気質であることは、当会の研究会で見つけたり調べたことではなく、私(竜頭)ひとりが発見したものですが、どうも誤解されていることがよくあります。

この理論だけでなく、公表している理論の全てが、ほとんど一夜くらいのうちに連鎖的に発見したものです。真実というものはコツコツと見つけ出すものではなく、一挙に明らかになるものなのではないでしょうか。

戻しますが、マザコンというものは、後天的に形成されるもので生育環境に拠る
もの、という考え方が一般的です。それは、他のエニアグラムの研究者でも、そのように捉えていますし、むろん、他の心理学理論にも、他のどこにも無い理論です。

しかし、このように著名な作家の著作物からも証拠立てることができますが、それが芋ヅル式に見つかるのです。調べる量が多くなるほど、より鮮明により確実に立証されるというに過ぎません。

「気質」というものの性格全体に締める割合の大きさが、予想されるよりも大きいと考えられます。芋ヅル式に見つかるのはそのせいだと考えざるをえません。
 
 

拍手[8回]

この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
09 2017/10 11
S M T W T F S
2 4 5 6
8 9 10 11 13
16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
プロフィール
HN:
竜頭 万里子 (りゅうとう まりこ)
性別:
女性
職業:
講師・カウンセラー・ライター
趣味:
読書・散歩
ブログ内検索
カウンター
バーコード
アクセス解析
【 ♥ イラスト提供:Night on the Planet ♥ 】