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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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友人の一人が、毎日のように「俳句と今日の一言」をメールで送ってくれます。私だけでなく、たぶん数十人の人たちに送っているのではないでしょうか。

もう5年以上は経っています。なにかで調子が悪かったのか数か月間なかったこともありましたが、それ以外は、ほぼ毎日のようにあります。

たぶん、俳句作りなどを通して自分の感性を磨くか、自分自身を
鍛えているのではないかと思うのです。本人に尋ねたことはないので本当のことはわかりませんが。

その彼からの大晦日のメールは、テニスン(1809~1892)の詩でした。タイトルは、「打ち出せ 荒ぶる鐘よ Ring Out, Wild Bells」です。

桂冠詩人テニスンと呼ばれていますが、「国家に公式に任命された詩人・poet laureate」という意味です。

1850年に発表された詩で、「古い年の不幸な出来事から立ち直って、新しい年を迎える勇気を、教会の打ち鳴らす鐘に託したもの」です。

スウェーデンでは1897年以来 大晦日の晩に俳優がこの詩を朗読する伝統が続いているようです。そして、1977年からはテレビで全国に放送されているという。

一読しただけで、瞬く間に胸の奥からこみあげて来るものがあり…、過去のことはキッパリと忘れて未来を目指そう、という気持ちにさせてくれました。

この詩を読んだあなたはどのように受けとられるのでしょうか? よい影響を受けるのではと予想しつつ…。


なお、友人から次のような説明が添えられていて、それを転載させてもらいました。
「文語の訳は美文調で少し意味を犠牲にしてるとこがあるので、わかりやすい現代語訳を探しました。ちょっと頑張れば原語理解も難しくないです。脚韻の調べを味わえます。(ABBA型です)」
 

どんどん鐘を鳴り響かせなさい~Ring Out, Wild Bells~

風吹きすさぶ冬の荒涼とした夜空に

鐘を大きく鳴り響かせなさい

飛びゆく雲 凍てついた光

夜のうちに年はまさに暮れゆこうとしている

鳴り響く鐘よ

大きく鳴り響きなさい

古い年を追い出してしまいなさい

古いものは鐘を鳴らして追い出して

新しいものを迎え入れなさい

幸福な鐘を雪を越え鳴り響かせなさい

今年が去ろうとしている

行かせてしまいましょう

今までの偽りのものを鐘を鳴らして追い出して

真実なるものを迎え入れましょう

じわじわと人の心の生気を弱らす悲しみを

鐘を鳴らして追い出しましょう

私たちがこの世でもう見ることができなくなってしまった人々のために

豊かなものと貧しいものの争いを

鐘を鳴らして追い出しましょう

すべての人類に対する救いの手を

鐘を鳴らして迎え入れましょう

ゆっくりとすたれゆく主義主張

昔ながらにある党派の争いを

追い出してしまいましょう

よりよい作法とより純粋な法律をもった

人生の最も気高い新しい政治の習慣を迎え入れましょう

欲望 心配ごと  罪  規則だけ主張して

愛情のない時代の進行のない冷淡さを送り出しなさい

私の悲しみの歌を鐘を鳴らして送り出しなさい

その代わりにもっとすぐれた完全な歌を迎え入れましょう

地位と血統の間違った誇りを送り出しなさい

人間同士の争いと憎しみ合いを送り出しなさい

真実と正義に対する愛を迎え入れましょう

善に対する普遍の愛を迎え入れましょう

精神や道徳の様々な墜落を送り出しなさい

金ばかり追い求めている心の狭さを追い出しなさい

古から我々人類が繰り返す幾戦もの戦いではなくて

千年続くという平和の鐘を鳴らして呼び込みましょう

自由に 勇敢に行動する人を鐘を鳴らして迎え入れましょう

心がより寛くて より優しい行いをする人を迎え入れましょう

この地 イギリスの暗闇を送り出して

これから来るであろうキリストを

我々の手でもって迎え入れましょう

 

訳 大森恵子

Ring out, wild bells, to the wild sky,
The flying cloud, the frosty light;
The year is dying in the night;
Ring out, wild bells, and let him die.
Ring out the old, ring in the new,
Ring, happy bells, across the snow:
The year is going, let him go;
Ring out the false, ring in the true.
Ring out the grief that saps the mind,
For those that here we see no more,
Ring out the feud of rich and poor,
Ring in redress to all mankind.
Ring out a slowly dying cause,
And ancient forms of party strife;
Ring in the nobler modes of life,
With sweeter manners, purer laws.
Ring out the want, the care, the sin,
The faithless coldness of the times;
Ring out, ring out thy mournful rhymes,
But ring the fuller minstrel in.
Ring out false pride in place and blood,
The civic slander and the spite;
Ring in the love of truth and right,
Ring in the common love of good.
Ring out old shapes of foul disease,
Ring out the narrowing lust of gold;
Ring out the thousand wars of old,
Ring in the thousand years of peace.
Ring in the valiant man and free,
The larger heart the kindlier hand;
Ring out the darkness of the land,
Ring in the Christ that is to be.

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