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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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フランク・パブロフ作の『茶色の朝』がネットで話題になっているようです。

 

これは寓話とも言えるもので、「どこにでもありそうな街の普通の市民たちの平穏な日常が、少しずつ茶色に染まっていく」というお話です。

 

ある日、毛が茶色以外のペットは法律で禁止されたというところから始まります。それからずんずんと、市民生活が茶色に染まっていくというものです。

なんと、「茶色」とはナチスを表す象徴的な色なのだそうです。これを知れば、どのような物語なのか予想できると思います。

 

短文です。10分で読めるかもしれません。

 

以下に、日本語だけでなく、英語と韓国語も載っています。

★フランク・パブロフ『茶色の朝』

http://www.tunnel-company.com/data/matinbrun.pdf

茶色に染まり始めた朝(東京新聞 私説・論説室)
2013
320

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013032002000124.html

 

 

 パブロフ氏は諭すように解説してくれています。民主主義を花瓶に例えています。

 

「少しだけ欠けたのをほっておくと、ひびはだんだん大きくなる。まあいいかと思っていると、いつの間にか割れてしまう」。

 

「毎朝起きたら注意を払い、時には行動しないと守れないものだ」と。

 

 

 なお。この短編寓話を読んで、すぐに連想したのが、ドイツの詩人の詩です。

牧師でもあるマルティン・ニーメラーの以下の詩です。一部の人たちにはよく知られているものです。


彼らが最初共産主義者を攻撃したとき…



彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった

(
ナチの連中が共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった)

私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから

彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった
私はユダヤ人などではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

First they came for the communists, and I did not speak out,
(When the Nazis came for the communists, and I did not speak out,)
because I was not a communist;

Then they locked up the social democrats, and I did not speak out,
because I was not a social democrat;

Then they came for the trade unionists, and I did not speak out,
because I was not a trade unionist;

Then they came for the Jews, and I did not speak out,
because I was not a Jew;

When they came for me,
and there was no one left to speak out for me



ちなみに、寓話(ぐうわ)とは、比喩によって、物事の本質を知らしめようとしている物語のことです。

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