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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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福島県の南相馬市に行き放射能測定をするボランティアに参加してきました。参加資格は50歳以上で子どもを作る予定のないことが条件になっています。

測定機を手にしたのは始めてのことです。そして、あのピコピコという警戒音と赤い点滅…。そして、数値がピタリと出るものではないこともはじめて知りました。

bcc824c9.JPG測定機はウクライナ製のGM(ガイガーミューラー計数)式です。精度が高いと聞いています。価格は9万円ですが、現地ではもっと安く手に入るようです。

以下のような線量率測定マップが作られていますが、これは7月版です。今回の調査で10月版が出るのではないかと思います。
http://www.chernobyl-chubu-jp.org/_userdata/msouma.pdf

ちなみに単位時間あたりの線量を、「線量率」と言いますが、ガンマ線の空間線量率を測るとき、ここでは地表から1㎝と1mのところで計測しています。マップにもあるように、500m×500mの枠ごとに一か所 測定地点があります。

そして、数値が安定するまで2分くらい待ってから平均値を出すようにと指導されましたが、他の測定機の中には10分くらいかかるものもあるみたいです。

以下は8月に出された南相馬市の測定の報告書です。10月版のほうが低くなるかもしれませんが、私自身は全体像を把握していないのでわかりません。
http://www.chernobyl-chubu-jp.org/_userdata/msoumasokutei.pdf

c2f77f90.JPG地元の人と愛知県からの参加者がペアになって、地元の人の車で測定予定地を探しながら移動しますが、その予定地を見つけ出すことがなかなか大変です。

土地勘のいい人はすぐに見つけ出すこともあるようですが。(写真は使った車とペアになった女性。測定地がなかなか見つからず、思案しているところ)

田畑や林の中なども多く、目印になるようなものが一つもなく、手元の地図にある字名(あざな)だけでは、地元の人にもわかりづらいことが少なくありません。

私は同年代の女性と組んで原町地域の測定です。南相馬市の中心部です。一番に高かったのは、高さ1㎝のところで、2.05マイクロシーベルトでした。1mの高さでは1.25マイクロシーベルトでした。

一年間の限度線量1ミリシーベルトを大きく上回ってしまう数値です。なお、私の住む豊田市での自然放射線量は0.09ですから、比較すればわかると思います。

測定地は市の東部で、海(太平洋)に近い地域は全般的に低くなっています。
他の組の中には、13マイクロシーベルトなどという高い数値も出たようですが、市の西部で山の中などです。

警戒区域に近い場所では、なんと22マイクロシーベルトという値も出るという。そして、
地面がコンクリートなのか砂利なのか草道なのかも記入して、測定時間も用紙に記入します。生活圏での放射能がどれほどなのかを調べることが目的ですから、必要な調査に絞っていると言えるでしょう。

朝9時に打ち合わせや報告などがあり、9時30分頃から夕方4時くらいに測定作業を終える予定になっていますが、5時頃に事務所に着く組もありました。

ところで、南相馬市内に入ってもマスクしている人はあまりなく、私も他の組の人たちもマスクもせず、手袋などもしないで作業しました。また、気温は愛知県と同じくらいで、当日前後の数日は、日差しが暑いくらいで、車の窓も一日中開けっ放しです。

もっとも寒がりで冷え性気味の人たちの中にはセーターを着たり、ダウンコートを着ている方もいましたから、車窓が開けっ放しになることはなかったと思いますが。

この測定ボランティアに応募したのは6月初めのことです。放射能にかなり汚染されるのではないかと、それなりに覚悟していましたが、出会った人たちの様子からは深刻そうに見えません。そのせいなのか、気軽な気分で測定作業に参加できました。

しかし、路肩で測定していると、近くの住人から「高いだろ!」と声をかけられたりします。「息子から畑に出るのは一日2時間が限度だと言われてるが、そんな訳にはいかない…」と、年配の女性が語り出します。こちらが尋ねているのではないのですが、おしゃべりしたい様子です。

放射線量のことも既によく知っているようで、「どうすべか〇〇…〇…」などと声をかけられたこともありますが、方言が分からなくて早口に聞こえて、意味がわからず、ただ頷くだけしかできません。

ある男性は、厳しい目つきで東電への怒りを吐き出していましたが、息子や嫁、孫たちと暮らしていたのに一家離散という境遇に突然おとしめられたのですから、当然のことです。(続く)

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