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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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20年余も前に読んだ『ゲト戦記』から、作者であるアーシュラ・K・ル=グウィンの作品を「全部読むぞ!」だなんて親しい人に宣言したことがあります。

それなのに、どういう訳かずっと忘れていたのですから、どうかしてます。というよりも、私はどうも浮気性で気が多くあれこれ手を広げ過ぎてしまうきらいがあるみたいです。それで大切なことも失念してしまう、失敗するというソコツ者です。

久しぶりに読み直したのは『西の果ての年代記』です。



以前に読んで感じたものと今回とではかなり違っていたので、我ながら驚きました。歳を重ねると、印象など感覚的なものが移り変わってしまうんですね。

でも、その文章力からは、まるで映画を観ているみたい!というのは、当時も今も変わりありせん。お奨め本です。

なお、『ラウィーニア』も興味深くて、一気に読んでしまえるような作品です。でも、『闇の左手』や『所有さぜる人々』などは読みにくく、しかも体力が要るような内容になっていて、誰にでも奨められるものではありません。

しかしながら、当代一のSF&ファンタジー作家だと言えるのではないかと思います。今年齢い86歳です。なんと凄いことなのかと! 

ところで、まだ読んでいない『天のろくろ』について事前に情報をネットで探して見ました。タイトルが理解できなくて気になったからです。すると、『天のろくろ』(The Lathe of Heaven)というのは、荘子の思想の中にある「天
鈞」のことであると、書かれていたサイトが見つかりました。

映画化されてYOUTUBEで全編、見られますから、英語力のある方にお勧めします。

 


なお、荘子が唱えた
思想に、「万物斉同」があり、「これを和するに是非を以てし、天鈞に休む」というものもあります。


「万物斉同」の万物とはあらゆるものを指しています。「斉」とは、等しいで、「同」は同じです。従って、「あらゆるものはひとしく同じである」という意味になります。

「これを和するに是非をもってし、天鈞(てんきん)に休(いこ)う。これをもって、これ両行と謂う」

その意味は、是や非の区別を立てず、和合させて、「天鈞」つまり、自然の調和のままにまかせる。是も非もそのままに認められる自由な境地を両行という


つまり、生と死、光と闇、喜びと悲しみ、快と苦など対極にあるかと思うものさえ、よくよく考えたら等しく同じものではないか、というものです。

実は近頃どういう訳かおかしなことばかり思いついています。それが、どうも荘子が説いていることに近かったようで、不思議な思いをしています。まさかル・グヴィンの作品から、荘子の思想に触れることになるとは。これからは荘子を読もうかな! と、つい手を広げてしまいそう…。


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竜頭 万里子 (りゅうとう まりこ)
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