横山やすしさんのエニアタイプ・その3

横山やすしさんのエニアタイプは、前回では防御タイプ(714)と絞っています。今回も、横山やすし著の『親に一言、子に一言、世間に一言申します』に書かれている情報(青字)を取り上げて、一つのタイプに絞れるかトライしています。

・子どもの前で夫婦ケンカは絶対にするな。子どもを傷つける。真っ白な子どもの心にインクの染みをつけていくんやと思うで。
・子どもちゅうもんは、親がどんだけ自分に関心を示してくれとるかちゅうことが、ごっつう気になるもんらしい。オレが子どもの時分を思い出してみても確かにそやった。

さて、初回で取り上げていますが、息子の一八さん曰く、「我が家では、長男の僕が怒られる姿を妹には見せなかった。妹が叱られる姿も、僕には見せないようにしていた」と同じです。やすしさんの家族への気遣いの細やかさを感じさせられます。他人には気遣いしない人のように見られているのに、家族にはそうなっていない。家族を大切にする人だったんですね。

・オレには知られざる一面がある。メチャメチャ神経質なところがあんねん。運転するときハメる白手袋を百二十枚ほど持っとるで。メガネは30分に一回拭いとるな。車は毎日洗う。毎日散髪屋に行く。オレは潔癖性や。

これほどクリアな潔癖症であれば、防御タイプだという核心的な情報になります。しかし、潔癖症となれば、他の人たちの不潔性に気づき、腹立たしくなる可能性は高くなりますね。気遣いも細やかですから、他の人たちが気遣いしていないことに気づき、場合によっては不満になるのではないかと予想できす。

ゆえに、短気という気質もあって暴力沙汰になってしまったとも考えられます。なお、防御タイプは基本的に短気です。そして、攻撃的な気質だとしたら、3つのタイプの中では最も攻撃性の強い気質であるウイング8が該当することになります。

・オレは他人を気にしながら生きてきよったわけや。けどな、こない他人の目を気にして続けとったら、頭も体ももたん。よう考えてみたら、他人の考えてることや、他人の目を全部クリアできる一番手っ取り早い方法は、いっさい他人を気にせんこっちゃちゅうことに気づいたわけや。

家族への気遣いは普通、他人より減るという傾向がありますが、これほどに細やかに気遣うのであれば、他人の気遣いの仕方もよく見ているはずです。他人の様子や言動、礼儀があるのかなど至るところに気づき、それが気になって仕方がないくらいになるでしょう。これじゃあ大変なことになります。

それが原因で暴力沙汰を幾度も起こしていた可能性があり、当人がそうと知れば、自分を責めたり反省などもしているはずです。で、いっそのこと他人を気にせんようにするしかない、と彼は思ったのではないかと思うのです。でも、それは無理というものです。彼もわかっていて、そんなことを書いたのでしょう。

気質は生涯変えることができません。職業を変えるなどで環境を大きく転換させれば、少しは変えられるかもしれませんが…。国民的人気の漫才師ですから、のんびり落ち着ける環境ではありません。

・オレは「世の中ちゅうもんは戦争と一緒や、その戦術を教えたるさかいな」てゆうて、子どもと戦争ごっこして教えとる。世間を生き抜くちゅうことは、戦火をくぐり抜けることと一緒ちゅうことや。
・オレの最大の欠点は、なんちゅうても、まったく世間を信用しとらんことやと思う。

ここは、「自分と世界は否定的に結びついているタイプ(837)」に該当する情報です。ホームページに載せているものです。(緑字)　

★私と世界は否定的に結びついている
http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory1.htm

この3つのタイプは、
①基本的には世界を否定的に見る（脅威と暗闇の迫る世界)
②基本的には､人間の本性は悪だと見る（人を信じにくいが､だまされにくい）
③絶対愛を求める（条件をつけず､どんな自分でも愛してほしい）
④人々を押しのけても､欲しいものを手に入れる（自分の欲望に忠実に生きる）
⑤奪わなくては奪われると考える（まず獲得してこその､明日や未来である）
⑥得体の知れないものが忍び寄る恐怖（恐怖心が強く自分だけの利益を求め利にさとい）
⑦最小のエネルギーで最大の効果を求める（無駄にエネルギーを使わない）

やすしさんの気質(タイプ)が、タイプ7だと考えられそうなところまでたどり着きました。さて、この続きがあります。乞うご期待を!