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この映画の脚本を担当しているデビッド・ヘアさんがインタビューに答えています。
「英語で製作するのはシュリンクの希望だった。それにこのテーマはドイツに限ったことではなく普遍的なものだから、英語でいいと思った。…中略…実際に行われた裁判を完全に忠実に再現した。あの部屋にいた人たちは、当時の裁判に出席していた人たちで、エキストラとして演技していたんだよ。裁判官たちは、退職したドイツ最高裁の元判事たちだしね。スティーブンは、出来る限り現実に近づけることを要求する監督なんだ」。
ここを読んで、映画はなぜドイツ語ではなく、英語なのか、という点で私も誤解していたことが分かりました。でも、ドイツ語にしてほしかったと思います。
もともとアメリカなどでは吹き替え版ばかりだと聞いています。尤も、日本も吹き替え版しか見ないという人が多くなったみたいです。他の国や他の人たちを知りたいとか、理解したいという思いが減っているように感じられて、とても残念に思うところです。
ところで、上記からは、スティーブン監督は完璧主義的な方だったと考えられます。優等生気質(714)の人と、そのウイングを強く持つたちにある傾向です。
ついでながら、ミヒャエルを演じたデビッド・クロスさんがインタビューに答えているものを転載します。
「マイケルが彼女に惹かれたのは、彼がとても好奇心旺盛な少年で、全然違う世界に住んでいたからだと思う。彼女は労働者階級で、彼は中流階級の子息だ。あるきっかけで彼は彼女にとても興味を持ち、すぐに恋に落ちる。そして互いに必要な存在になっていく。彼にとっては年齢なんて関係ないんだ」
欧州は身分社会だということを日本人は忘れがちです。そして、日本は「訛り=出身地」ですが、欧州などでは、「訛り=出身地=出身階級」なのです。
たとえば、オバマ大統領は黒人なのに黒人特有の訛りがなかったので、白人からの支持も得られたのだという記事が載っていたことがあります。
また、ヘップバーンが主演した「マイ・フェア・レディ」という映画を知れば、そこら辺りが理解できるのではないでしょうか。ちょっと古い映画ですが、今でも身分社会であることに変わりありません。
ロンドンのハイドパークの横にMayfairという高級住宅地があります。主人公のイライザ(ヘップバーンが演じた)は、花売りで、下層階級の出身のために、MayfairをMy fairとしか発音できません。
住んでいるところがMayfairでも、下層だとまる分かりなので、娘をほめているように見せて、実はバカにした言い方が My fair ladyなのだそうです。
このイライザの出身地は、発音上の特徴として[ei]と[ai]の区別がつかないこと、Hの音を落とすなど)から、「マイフェア」になることをひっかけています。
日本でも地方訛りはなかなかなおらないもので、出身地がおよそわかります。しかし、訛りから身分がわかってしまう、それがハンナたちの生きていた社会です。また、デビッド・クロス君は、階級意識が強いので、あのような感想を述べたとも考えられます。
このように、映画で他の国のことを知ることができますが、エニアグラムの研究資料にもできます。しかも、楽しみながら各タイプの特長までわかるのですから、映画鑑賞は欠かせません。
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