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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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秋から冬という時期に、うつ病にかかる人がいます。「冬季うつ病」と言い、一度発症すると毎年繰り返す傾向があると言われています。

女性に多く、症状としては、「自己否定・無力感・日中も眠くなる・集中力がなくなる・人づきあいがおっくうになる」などです。

治療としては、「光療法」というものがあり、2,500
10,000ルクスの光を浴びると症状が回復することがあるそうです。

該当の方がいたら治療法があるみたいなので、診察を受けることをお勧めします。薬も最近は副作用も少ない良い薬が出てきました。また、生活を朝型にして、午前中に散歩やスロージョギングなどされるのも効果があります。

なお、うつ病とは言えないが、ウツウツとした気分が続いているならば、柳澤桂子さんの著書をお薦めしたいと思います。私自身も読んで癒されたという経験があります。

彼女の本を読み終えて…たとえば、こんなふうに思うようになったのです。私には、目が2つもある。両手が使える。暖かい日差しを浴びて林の中を歩くこともできる。それを気持ちよいと感じる心もまだ残っている…。失ったものよりも、持っているものがあることを思い起こせばいい…、それだけで充分なのだと。

彼女のことを知ったのは、生命科学に興味があった頃で、「いのちとリズム」という本からです。難病というか奇病に苦しまれて、30年余も壮絶な闘病生活をしていることを知りました。

昨夜、寝る前に読んだのは、柳澤著の「やがて幸福の糧になる」です。苦しみを究めた人が、その先で見つけた幸福というものがあるらしい…。

また、「癒されて生きる」は、しばしば読んでいるものです。生命科学の本は少し読みづらいかもしれませんが、それ以外のものならば、軽く読めるものばかりです。

なお、以下は柳澤桂子さんのホームページ。著書もたくさん紹介されています。エニアタイプは、タイプ2と判定しています。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~doc_k_yanagisawa/index.html

柳澤桂子さんのプロフィールがよくわかるウェブサイトは以下です。
http://www51.tok2.com/home/sendatakayuki/etcgenkou4/syohyou181.html


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  ゲッツ・w・ヴェルナー著の「ベーシック・インカム」(現代書館簡)を読んで。もしかしたら、また夢を持つことができるかもしれない、と、懐疑的になりつつも熱中して読んでしまいました。

 さて、
ベーシック・インカムとは、簡単にならば「基本給付」のことです。もう少し付け出すならば、「全ての人々に無条件に一定の所得が与えられる制度」のことです。

 画期的なのは、この所得は無条件に交付され、他に所得があるのか問われないとするものです。資力を問われず、職歴も問われず、能力を問われず、就労条件を課されないというもので、本当に画期的!です。

 
憲法25条には、「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあります。しかし、現実はそこからは程遠い。「権利を有する」ではく、「その権利を保障する」と書き直すべきなのではないでしょう。

 考え方として惹かれたのは、そのための財源はどうするかという点です。ヴェルナーさんが言うには、消費に対してのみ課税して、所得(生産・サービス・貢献等)に対しては非課税するというものです。

 たくさん消費する者はたくさん税を払い、慎ましく生活するものは少ない税を払う。いいですね。慎ましく暮らすのは得意ですから、この部分は大賛成です。多くの人たちのなかにある「勿体ない精神」が発揮されたならば、環境にもよいのではないでしょうか。

 なかなか画期的なのですが、ずっと以前からこのようなことを考える人たちはたくさんいたようです。私も中学生くらいの時に早くもユートピア(理想郷)を思い描いたことがあり、飢えて死ぬというニュースに敏感に反応していたようです。

 
ベーシック・インカムについては、ちょっとここでは到底説明しきれないものです。
学び始めたばかりですからうまく説明できず残念です。がしかし、続きはいずれ書きたいと思います。
 

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  内山節という哲学者の著書を久しぶりに読んでみました。「自然・労働・協同社会の理論」(農文協)  また、以前、いろいろと考えさせられるきっかけのあった著書は、「自然と労働」(農文協)です。

 タイトルからは難しいという印象になるかもしれませんが、意外と読みやすく面白い内容ですから、どらちもお奨めしたい本です。

 その中に、「仕事」と「稼ぎ」の違いについて書かれています。山村の住人たちは、「今日は町に稼ぎに行く」と言い、一方、「今日は仕事をする」と使いわけています。「稼ぎ」と「仕事」を区別しているのです。

 「仕事」とは何か‥‥畑を作ったり、樹の枝打ちしたり、リンゴを育てたり、あぜ道をなおしたり、そういう自然を守るはたらきを「仕事」といい、それ以外のものはみんな「稼ぎ」だという。

 内山節さんのHPhttp://www.uthp.net/tyosyopage.html
 内山節と小栗康平の往復書簡掲載http://oguri-uchiyama.blogspot.com/


 
ところで、一ヶ月くらい前に見たNHKのテレビ番組「プロフェッショナル・仕事の流儀」に登場した湯浅勲さんは、本当の本物の「仕事」をしている人ではないでしょうか。
 京都府の日吉町森林組合で森林再生の仕事をしており、見事に日吉町の森を復活させています。この番組をビデオに撮っておけばよかったのにと悔やんでいるくらいです。
このような人こそ、もっと取り上げてほしいと思います。

 一方、ニュース番組の中で終盤になると、いつもプロゴルファーの誰それが○で優勝とか、プロ野球選手がヒットを打ったなどと、プロスポーツマンたちがよく登場します。これくらいならばまだましですが、ゴルファーが空港から○に遠征に行くとか、野球選手の肩のどこかが故障した、などという報道があります。

 ちょっとうんざりするほどで、なぜこのようなものをニュースとして取り上げるのか理解できません。他にもっと取り上げねばならないことが一杯にあるはずなのに、それらに大切な時間枠を奪われているように感じます。

 ちなみに、なにか大切な知らねばならないことがあるのに、それが何か分からないままで、途方にくれていた時がありました。そんな時に出合ったのが内山さんの本でした。

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 ルーツ探しはかなり興味を引くものです。4年ほど前に読んだ本ですが、胸躍らせワクワクしながら読んだのは久しぶりのことでした。今でも余韻が残っており、リソさんの「性格のタイプ」以来のことです。

「われわれはどこから来たのか」「われわれとは何か」と、根源的なことを知りたがる人たちはたくさんいると思います。エニアグラム性格学ならば、「自分とは何者なのか」を知り得る一つの方法です。そして、他人をも知ることで「われわれとは何か」に迫ることができます。

 次に、「われわれはどこから来たのか」を知りたいならば、ミトコンドリアDNAに関する最新情報です。「イヴの7人の娘たち」の著者はブライアン・サイクス。オックスフォード大学の遺伝学教室の教授です。予備知識なしでも興味が持てる読みやすい本です。

 ところで、ミトコンドリアは母親からしか受け継がれないものです。なぜなら、父親の精子の中にはミトコンドリアがないからで、母親の卵細胞のなかにあるミトコンドリアのみが、そのまま受け継がれていくと知られています。

 ですから、私のミトコンドリアのDNAは、私の母親から、そっくりそのまま受け継いだものです。つまり同じ塩基配列をしているのです。私の母は、その母から受け継いでおり、そのまた母もその母からというように、ずっと連なっています。母系のルーツを探り出すことができるという訳です。
 
 あなたのミトコンドリアDNAを調べて、私とそっくりであれば母方の遠縁になるかもしれません。なお、サイクスさんの調査では、現在のヨーロッパに暮らすほとんどの人の母系祖先をたどると、たった7人の女性に行き着くという。

 そうなれば、理論的には7つのクラスター(群れ)の元となる塩基配列を持つ人は、たった一人の女性につながると考えることができます。つまり、ヒト種と言えるそんな一歩を踏み出した女性が存在することを意味します。「ミトコンドリア・イブ」と名づけられています。

 なお、この考え方に疑問を感じるのであれば、ミトコンドリアの知識を深める必要があるのではないでしょうか。ちなみに、父系をたどれるのは「Y染色体」です。サイクスさんは「アダムの呪い」という本も著しており、人類の旅をY染色体を使って壮大なスケールで想起させてくれます。

 調べはさらに進んでいて、日本人の95%の人々が、9人のイブの娘たちの子孫と判定できたようです。そして、自分がどのクラスターに所属するのか知りたいならば、サイクスさんの以下のウェブサイトで調べてもらえます。

http://www.oxfordancestors.com/


 ちなみに、ごく最近になってエニアグラム性格学では、「人類は9人家族」という理論を格上げしました。基本理論の7つ目です。サイクスさんの調査からも人類がみな兄弟姉妹であり「家族」なのですが、行き着くところは同じだったのです。

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 そろそろ、このシリーズも終わりにしたいと思います。長丁場になり、少しだらけてしまいました。それでも、この本を読んでエッと驚いたものはまだ幾つもあり、ご紹介しようと思います。

 さて、双極性障害のある子どもには、「書字障害」というものがあると載っています。「書字障害(ディスグラフィアDysgraphia)
とは、鏡文字を書く・視写できない・聞き写しができない・作文が書けない等々とあります。

 ところで、私の把握しているものとしては、タイプ7の人たちの中には悪筆が多く、字を書くのが下手と言うべきか、字のバランスが悪いという傾向が見られることです。むろん、単に傾向というだけのことです。達筆な人たちもたくさんいますから、誤解しないでください。

 なお落ち着きのない気質から来ているのか、まとまりがなく、のたくっているというイメージの字です。また、学校では、「黒板の字を書き写しなさい!」と、教師から指導されることがありますが、字を書くことを嫌い、叱られても写さない児童生徒がいるようです。

 なぜか極端に書き取りをしたがらないので、なにか特別の理由があるかもしれないと予測するのですが‥。また、読書感想文を書くことを極端に嫌がる子どももしばしば見かけます。

  
 「学校の授業中、落ち着きなく教室を歩き回る」というものがありますが、これも、タイプ7の子どもたちによく見かけるものです。ここと関連したことを、学校の先生をしている受講生がレポートしています。このレポートは8年ほど前に公表されたものですが、ここで取りあげた子どもたちが、そのまんま出ていると言えます。以下です。
   
http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-101~/15-103.htm 
 

 
またこの本のなかに「子どもの双極性障害の鑑別診断上の留意点」とあり、「早い時期から強い性的関心や性的行動を示す」というものも載っています。これも、私が把握しているものと一致しています。

 たとえば、タイプ7の5歳の男児が、女風呂に入るのを異様に恥じらうことがありました。5歳で恥らうなど、ちょっと不思議です。座布団に一物をこすりつけて、「気持ちいい」と母親に話してしまった幼稚園男児もいます。小学2年生なのに、将来女の人と結婚できるのかと、本気になって心配していた男児もいます。
 
 エニアグラム性格学では、「タイプ7は、まれついての思春期で、永遠の思春期にいる人たち」という分析をしています。思春期というのであれば、性的関心が高くなるのは必然的です。生まれついての「長男」で、精神年齢が常に思春期に該当するという見方です。関連したことを以下に載せていますから、お読み願えたならと思います。

 
http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-1~/15-38.htm

 受講生が通信レポートで取り上げた男性も、40~50歳だと思っていたようですが、実際には68歳だったということがあります。年寄りになっても、心は思春期なのですから、いつまでも若々しく見られたがり、また、本当に若々しく見えることが多いのです。

 こんなところまで一致していることが不思議ですが、エニアグラムというものに触れた時から、ずっと不思議続きでしたから、もはや、さほどに驚いているのではありません。なお、本当のこと、事実なので、いずれどこかの研究調査結果との一致をみるのは当然のことだと思っております。

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 この本には障害について調べるための「症状チェックリスト」が載っています。その項目を全部見ていくと、主にタイプ7w8の子どもが追い詰められて、精神状態が悪くなったものとよく似ています。そのなかに、「しばしばウソをつく」というものがあります。

 「若年発症の双極性障害に特徴的に現れる症状と行動特性」というものにも載っています。この中にも「虚言」が入っています。しかしながら、このようなところに、「ウソをよくつく」などと書かれていると、どうも釈然としません。

 なぜなら、何らかの精神的な障害を持つと、家族との関係が良好になるなどあまり考えられません。人間関係が悪ければ、誰しも正直な対応ができにくくなります。「正直に言いなさい!」と言われても、意地になってしまうのです。

 これは、障害を持つ子どもではなくとも、よくあることです。親が厳しい躾をする人であればあるほど、また親の不安感が強くなるほどに、子どもに対して過剰な反応になります。そうなれば、子どもも自衛のためにウソをつくようになるだろうと考えられます。また、親の精神状態が悪ければ、当然に、子どもへの対応の仕方がおかしくなるだろうと予想できます。

 タイプ7の子どもが特別に虚言癖があるとは思えません。元々は真面目な気質であり、なんでも正直に語る子です。実際にも、タイプ7の子を持つ母親で、やさしく理解力のある方から、「うちの子はウソをついたことがない」と告げられたことがあります。

 タイプ7の子どもは、母親からきつい接し方をされれば、確実にウソをつくようになってしまいます。なぜならば、「
母親を強く意識するタイプ(8・3・4・7)」母親から愛されたい子どもです。何か叱られるようなことを起こせば、母親から嫌われてしまう、拒絶される、見捨てられるかもしれないと、否定的なことばかり頭に浮かびます。

 そうであれば、たとえば、
何かを壊したなら叱られるので、「僕は知らない」と言うしかありません。叱られることを怖がっているのです。次に、ウソがバレルなどすればさらに最悪事態に陥ります。絶対に避けねばならないことで、ウソにウソを重ねるしかない、という状態まで追い詰められるのです。根は正直で真面目な気質の子どもです。そうなった原因は、母親の対応の仕方にもあると考えられます。

 さて、「卵が先が鶏が先か」みたいなことなのかもしれません。ある母親にとって異常だと感じられる子がいたら、不安感から子どもに冷静な接し方ができなくなります。すると、その母親の叱責で、子どものほうではウソをつくしか、そこから逃れられる方法がないためにやむを得ずウソをつきます。

 そうなると
さらに母親は冷静さを失い、この子はおかしい子に違いないというように、悪循環に陥ってしまうのです。
その多くは、母親と子どもの気質(性格タイプ)が違う場合で、気質が違うと、とある行動は「異常」なことになってしまうのです。そういうことは非常にしばしば起きています。

 従って、ある意味では母と子の相互作用によって、「障害児」になってしまうとも言えるのではないでしょうか。さきに「障害児」がいたのではなく、ちょっとした些細なことから、いつしか子どもが追い詰められて精神状態がおかしくなり、追い詰めた母親のほうも、そこから追い詰められるのです。そして、終いには「受診しなければ!」と、母親のほうが病院に駆け込む、ということはおおいに考えられることです




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 「生まれたときから睡眠は夜4~6時間眠るだけで、昼寝はしない」と、双極性障害の子を持つ母親からの報告が、この本には載っています。また、「ひどく落ち着きがなく、夜中の3時になっても寝付かない日もあり、朝起きるとすぐに外出したがるんです」 看護師さんからは、「24時間泣きっぱなしで、どうやっても泣き止まない」などという報告も載っています。

 この障害を持つ子どもは、「睡眠覚醒周期障害がある」と書かれています。つまり、寝付きにくい、しばしば目覚める熟睡できない、夢遊病のようになる、ねぼける、怖い夢を見て突然に泣き叫び走り出す、おねしょする等々です

 実は、これは、タイプ7の子どもたちによく見かけるもので、母親たちから悩みとして訴えられているものです。通信レポートにもよくあります。睡眠時間の短い人が、全タイプで最も多いのがタイプ7ではないかと、ずっと気にかけておりました。

 ですから、この記事を読んで本当に驚きました。ただし、その傾向があるというだけで、全てのタイプ7の人たちの睡眠時間が短い、などと言っているのではありません。誤解なきようにお願い致します。

 なお、睡眠は少ないが、その反動で延々と眠り続けるという子どももいます。毎日一定の8時間型ではなく、
安定した睡眠をとっていないことがあるように見えます。
そして、タイプ7は神経質で怖がりな気質ゆえ、怖い夢を見るのは必然的です。この本にも、恐怖心が強いらしいことは報告されています

 そうであれば当然に、夕方頃から機嫌が悪くなり、夜を怖がって寝付けない子も出てくるでしょう。7w8の息子を持つ母親がプログのなかで、「夕方から、あまりにも機嫌が悪くなるので受診させた」というものがあります。


 また、あるブログでも、タイプ7らしい大学生が、夜更けに小さな物音に気づいて、その後は寝付けず、近所を徘徊したというものもあります。他家を覗いたりと夜は忙しいみたいなことを書いてあるブログも発見しています。

 ちなみに、最近はブログを読めば、本音が書いてあったり、悩み事もわかり、生活ぶりもわかります。たくさんの得がたい情報に接しられるので、重宝しています。どこの誰なのかわかりませんが、気質だけはくっきりと浮かび上がるのですから、私にとっては、かなりよい資料が手に入るような時代になりました。

 エニアグラム性格学理論から見ると、タイプ7は、「自分と世界は否定的に結びついている(8・3・7)」なのですから、この世界は戦場のように怖いところだという世界観を持っています。さらに、「自分は世界の淵にいると自己認識する(7・1・4)」のですから、いつも崖っぷちに立っているような危険な感覚にとらわれやすいでしょう。これに関する理論は以下をクリック。

 http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory1.htm


 そして、タイプ7を「外周りの人」と呼んでいるくらいですから、外出好きです。仕事や勉学に疲れたら、ちょっと外に出掛けて気分転換を測れば、回復するという感じです。また、「警鐘係り」「見張り番」という呼び名もつけています。つまり、見張り番ならば、あまり寝ないでいられる気質の人こそ、適任ではないでしょうか。

 エニアグラム性格学で正しく判定すれば、不思議に符丁が合うことが多いので、驚くことが多い、というのは本当のことです。
 

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 双極性障害のある子どもたちの特徴として、「易怒性」というものがあると取り上げられています。知らない漢字ゆえ調べてみましたが辞書に載っていません。どうやら心理学界の専門用語みたいです。小難しい言葉を使いたがる人をよく見かけますが、専門家らしさをかもし出したいのでしょうか。

 たぶん、「短気」に該当しそうです。短気というならば、かなり多くの人たちが短気です。そして、短気ではあっても、何もなくて怒り出すことはありません。何か不愉快なことショックなことに出遭ったので怒ってしまっただけです。子どもは、うまく言葉を使えないので、怒った理由が分からないのでしょうか。

 しかしながら、両親が、自分の子どもの怒りの原因を推察できないことが多すぎます。子どものことをよく観察している人は少ないと思ったほうがよいくらいです。子どもを理解しようと努めてもいないのです。

 たとえ、観察していなくても、その子の気質を理解していなくとも、怒りの原因がわからないのであれば、
穏やかに尋ねたり、後からじっくりと聞き出すようにしてほしいものです。そうすれば、子どものほうでも、安心して話し出すことができます。

 ところが、子どもが怒り出すと、逆キレする親がよくいますから、その親の怒り方を見て恐ろしくて、パニックになり騒ぎ出す子どもがいます。何か破壊的なことを仕出かしてしまうのです。その様子を見て親や大人たちは、「理由なく怒る子どもだ」と、勝手な解釈をしてしまうこともあるのではないでしょうか。

 また、これらの障害を持つ子どもの親たちも、短気であることが多いと考えられます。なぜなら、気質は親から継承されるものだからです。この本にも、そのようなことを書いています。むろん、隔世遺伝する場合もあり、親の気質に似ない子もいます。

 パニックになっている子をみて、自分の不明を省みず、なんてわがままな子だろうと思っている親たちが確実にいます。「うちの子は気難しくて‥」などと親たちは語り出します。この本にも、双極性障害のある子どもは「気難しい」とあります。「いつ怒り出すか分からないので怖い」と、ある母親から直接聴いたこともあります。

 当人にとっては、怒って当たり前のことだったのではないでしょうか。うまく反論できるくらい成長すると、「こんなことされたら誰だって怒るだろう」とか、「いちいち言わなくてもわかるだろう」と言うようになるのかもしれません。しかしながら、人によって、またタイプによって、怒りを感じる場面が違い、種類が違います。それで怒った原因が掴めない場合があります。

 どんな場面で怒り出すか、長年一緒に暮らしていればわかってくるはずではないでしょうか。子どもに尋ねたり、様子を見て予測することができるはずです。また、子どもに尋ねて確かめるという作業を続ければ、子どもの気持ちは理解できます。
 わが子を「わがままだ」と語る親が結構います。私からは少しもわがままには見えないのですが‥。

 
 (ちなみに、その1で述べたように、タイプ7は短気でせっかちな気質です。「易怒性」というもの、強いのかもしれません。エニアグラム性格学でならば、短気な気質は、防御タイプ714が該当します。次に、防御タイプのウイングが重い人たちで、次の2w1 3w4 5w4 6w7 8w7 9w1の6つとなり、ウイングが重い人たちです。

 防御タイプをウイング別にすると、7w6 7w8 1w9 1w2 4w3 4w
5の6つです。
つまり、人間の気質を9タイプではなく、18タイプ分けたならば12タイプが短気になってしまいます。「易怒性」の強い人は多数派なんです。従って、ことさらに双極性障害のある子どもたちがよく怒る、などと書き出す必要があるのでしょうか)

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 オーストリアのとある大学に在籍する2人の博士の双極性障害患者の聞き取り調査から、興味深い結果が報告されていると、この本に掲載されています。

 脳の機能をMRIで測ることができ、左右の半球で非対称が起こっていることが明らかになってきたようで、たとえば、うつの時は右前頭部の活動が活発になり、躁では左半球が活発になる傾向があると書かれています。

 これはちょっと面白い情報というか、私からはそうあって然るべきものですが‥。それというのも、タイプ7をエニアグラム性格学理論では、「左脳優位タイプ」と分析しているからです。タイプ7は辛い時ほど楽しみを追いかけますが、それは辛さを忘れるためでもあります。楽しい目標があるとガンバレるタイプです。
  
 それゆえ、カウンセリングでは、勉学や仕事などがはかどらない時、うつ的な状態が続く時などは、週末に楽しい計画を立てる、本人の好む遊びを家族がともにする、などと提案することがあります。

 たとえばタイプ7の子どもの夏休みの過ごし方としては、7月はどこかへ一泊旅行をすると計画したり8月はデイズニーなどに行く予定をして、遊ぶ日と学ぶ日を交互に配置してみてはどうかと提案します。また、週ごとの計画を立て一日単位ならば2時間勉強したらその後はプールで遊んでアイスを食べよう、などと、当日に決めるのではなく、あらかじめ本人に伝えたほうがよいとアドバイスします。

 (ちなみに、タイプ7は水族館などは好みの場所になるようです。ここを愛読されている方でタイプ7のお子さんがいるのならば、この夏休み、うつうつとしており聞き分けがない日が続いたら、水族館に連れ出すとよいかもしれません。あるいは金魚とか熱帯魚を買うなどでもいいかもしれません。尤も、タイプ間違いをしていなければいいのですが‥)


 また、彼らにとっは学校の始まる8月末は最悪な時期です8月の最終日と9月の第一週目の休日は必ず本人が喜ぶ計画を配置すれば、スムーズに落ち付いて勉学に集中できるようになりますと説明します。むろん、軽度のうつならば著しい効果を発揮しています。子どもだけでなく大人でも同様です。

 タイプ7の「自我の座」は左脳にあり、たぶん快楽を追う時は左脳が活発に動いているときではないかと予想します。(この理論は以下にあり、クリックしてお読み願えたらと思います)
http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory6.htm 

 なお、この本にある上記のものは、エニアグラム性格学理論が立証されているのでは、と思われるような記述です。
 

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 双極性障害のある子どもたちには、「分離不安」があると紹介されています。この「分離不安」という言葉、よく使われていますから知っている方は多いと思います。この本には「(母親が抱いている)赤ちゃんを下に降ろせない・いつも私(母親)から30センチと離れない・もしお腹に戻ることができるなら、この子はきっとそうしたでしょう」等々。

 私のところにも子連れで訪ねてくる受講生がいますが、5歳くらいでも母親にしがみついたままで下に降ろそうとすると嫌がり、それでも降ろすと泣いて怒るなどがあります。障害があるわけでもない元気なタイプ7の子です手のかかる子どもゆえ、子の存在を「煩わしいと感じることがある」と本音も聞かせてくれます。

 ところで、タイプ2の母親たちを見ていると、子からの「分離不安」があるのではと思うことがよくあります。別の言葉でならば、「子離れができにくいのです。たとえば、子どもの高校受験に際しては、自分が付いていなければならないと思い込んでいたりします。

 また、成人した子どもの新婚家庭に、一日に3~5回電話を入れる母親がいます。しかし、当人にとっては「親が子どもを心配するのは当たり前」ということになります。心配してもしなくとも子は育ちますし、もはや育て上げたのですから何を心配するというのでしょうか。その心配性が子どもには煩わしく不快になっていたりします。先の例と同じなんです。


 タイプ8の男性を見ていると、妻からの分離不安があるのではと疑ってしまうことがあります。妻を常時監視しているかに見え、放し飼いにすると、妻はふしだらになるかもしれないと、見えないヒモで繋ごうとしているかに見えるのです。妻からすれば煩わしいことではないでしょうか。

 タイプ1の女性を見ていると、夫からの分離不安があるのではと思わざるを得ないことがあります。細かなことでも夫に尋ねてからでないとできないとか、夫が出掛けると、そこに行っているのか確認しないといられない女性がいます。実際、逐一確認している妻がいました。夫からすればなんと煩わしいことでしょう。

 尤も、どのタイプも程度問題があり、重度の分離不安のある人と軽度の人がいるようで、一様なものではないのは当然のことです。あえて書き留めないと、例に挙げたタイプはみなそうなるのかと誤解されることがあるので、困ります‥。


 このように、エニアグラム性格学理論でみたら、多かれ少なかれ全ての人たちが「分離不安」があるように見えます。詳しく述べるなら、比較的タイプ5とタイプ9だけが分離不安があまりないように見えますが、他の7つのタイプは、夫々にある対象から分離できないでいると考えられます。

 「親離れ・子離れ」と言いますが、親離れできない子どものことだけが、どこか問題があるかのように捉えられています。しかし、子離れできない親もあります。また、妻離れできない夫、夫離れできない妻もいるのです。さらには、友達からの分離不安があるように見える人もいます。2w1と6w7です。

 
「エニアグラム性格学」でみたら、それらには問題はないのであり、他のさまざまな要因から不安感や恐怖感が強まった人たちが、ある対象から離れがたくなるだけのことに見えます。恐怖と不安に陥った原因を探しだすことが重要なだけで、ことさらに「分離不安」という用語を使う必要はないと思うのです。

 また、母親からの分離不安だけが一般的に取りざたされています。そうなると、3・4・7がそれに該当します。この人たちのうちの不安感の強い人だけが、「分離不安」があることになるようで、それでは納得できません。しかし、これはエニアグラム性格学だけが到達しえた見解です。

 ちなみに、このようなことに言及する研究者やカウンセラーたちが、自分にも分離不安があることに気づいているのでしょうか。たぶん、気づいていない人が多いのではと予想します。自分自身は、自分からは容易に見えないのです。


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竜頭 万里子 (りゅうとう まりこ)
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趣味:
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