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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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厚生労働省は、一般食品のこれまでの暫定基準値を改め、新たな基準値にする方針を固めたようです。

暫定値の5分の1に当たるもので、「1キログラム当たり100ベクレル、乳児用の食品と牛乳は50ベクレルなど」です。

基準値が下がってよい方向に行くと喜んでいる向きがあるとしたら、それはあまりにも楽観的です。

これまで、「暫定基準値以下なので摂取しても問題ない」と言っていたのですからね。

基準値を5分の1に下げるとしたら、「それまでの基準値では問題があり」、「摂取しても問題ない」と言っていたのはウソだったと認めたようなものです。

はじめから、国民に「我慢値」だから納得してくれと言うべきだったと、私自身は思っておりますし、むろん、「緊急時だから基準値を変えてもよい」という、その発想がそもそもおかしいのです。

「国民の健康を守る」という最も根本にあるべき方針が守られない、そんな酷い政府政権だったこと、それを改めて思い知らされたという感じです。


ところで、ドイツの放射線防護協会は、内部被ばくは年間0.3ミリシーベルト以下としています。

この協会は、日本政府に対し、乳児、子ども、青少年に対しては4ベクレル/kg以上のセシウム137を含む飲食物を与えないように、成人は8ベクレル/kg以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しないことを推奨しています。

さらに問題なのは、日本の高い数値設定には希釈率0.5を採用しています。

汚染された食品だけを口にするわけではなく、汚染されていない食品を食べることで汚染が薄まるという考え方をしているのです。


この「希釈政策」を停止するよう、ドイツ放射線防護協会は11月27日に緊急勧告を発しています。

「希釈政策」を禁止する国際的合意があり、日本の瓦礫処理や食品基準はこれに接触する、と指摘しています。

………………………………………………………………


★ 厚労省 食品の放射性物質 新たな基準方針
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111220/t10014781311000.html

★谷岡郁子事務所、新基準の考え方等に関する資料
http://taniokachannel.com/report/resource111222.pdf


    *************************


【 厚労省の食品の放射性物質新基準案に反対する 】
 
・食品による内部被ばくだけで1ミリシーベル基準は高すぎる
・外部被ばくを含めた1ミリシーベルトの遵守を
・ 子どもの基準をより厳格に設定すべき


政府が、現在のあまりに甘い暫定基準値をここまで長期に適用したことは、大きな問題である。

また、新基準値設定にあたり、放射性セシウムによる年間被ばくの許容上限を暫定基準値の「5ミリシーベルト」から「1ミリシーベルト」へ引き下げるということだが、この基準案には以下の問題がありとても認められるものではない。

・食品の放射性セシウムによる年間被ばくを1ミリシーベルト以下に抑えるだけでは、トータルな被ばくを1ミリシーベルト以下に抑えることはできない。
放射性セシウム以外にも、放射性ストロンチウム、放射性ヨウ素やウラン、プルトニウム等による内部被ばくがあり、それに加えて外部被ばくがある。これらを合せて年間1ミリシーベルト以下に抑えなければならない。
ストロンチウムやプルトニウムは「測定が困難」として、セシウムに換算していると報道されているが、これら健康影響の大きい核種について、独自の基準を設けるべきである。

・食品安全委員会の食品による健康影響評価は「追加的な被ばくを食品のみから受けたことを前提に」したものであり、現状ではこの前提は崩れている。
外部被ばくだけをとっても、既に1ミリシーベルトを超えている地域が多く存在すること、福島周辺では、放射能雲(プルーム)やホコリの吸い込み、食品を通じた内部被ばくが明らかになっており、子どもたちにこれ以上の余分な被ばくをさせてはならないことから、食品による内部被ばくは極力ゼロに抑えなければならない。

・給食では40ベクレルを事実上の基準値として運用する動きがあるが、それに比べても緩い基準である。

・チェルノブイリ周辺国であるウクライナでは、主食のじゃがいも60ベクレル、野菜40ベクレルなど、日常的に食するものについてより厳しい基準を設けているが、そのような措置をとろうとしていない。

・一般食品の基準値は、全ての年代で同等に設定されている。また、乳児食品の基準値は一般食品の2分の1にしかすぎない。
子どもが大人よりも放射線に対する感受性が高く影響が大きいことは常識といってもよく、原子力安全委員会も考慮するよう求めているが、厚労省案はこれを十分反映したものにはなっていない。

・食品の基準値は、子どもをもつ母親をはじめ、多くの人の関心事であるが、公開の場での検討が十分なされているとはいえない。

以上の点を踏まえ、現在の暫定基準値の一刻も早い抜本的な見直しを行うべきである。

2011年12月22日
・福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
・国際環境NGO FoE Japan
・グリーン・アクション
・美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
・グリーンピース・ジャパン

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