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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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世の中がだんだんとおかしな方向に突き進んでいるとしか考えられず、気持ちが落ち込んでやる気が出ません。夏バテしていたせいなのかもしれませんが…。

少しでも気を引き立てられるものを探そうと努めていたら、幸運なことに出会うことができました。『逝きし世の面影』という素晴らしいタイトルの本です。著者は渡辺京二さんで、刊行は葦書房。

江戸末期と明治初期に来日した外国人たちが書き表した旅行記とか日記などから、その頃の日本の有様を描写しています。

なんと、彼らからは地上の天国みたいな国に見えていたのでした。日本は子どもの楽園で、うっとりするような自然景観に恵まれていた。

貧乏人でも貧しくなかった。快活でイキイキとして好奇心が強くて親切だった。礼儀正しく落ち着きがあり、健康に見えていたのだった。

渡辺さんは、そういうことをたくさんの資料から掘り出して事細かに書きまとめてくれている。

ホントにそうなのか、と疑う気持ちもあるが、外国人からはそのように見られていた、という一面も確かに事実としてあったらしい。

貧富の差が少なく、野鳥の楽園でもあり、江戸は田園都市で緑豊かな大都市だったことなど、とり上げたら幾つも素晴らしい一面が見つけられる。

約150年前のことで、曽祖父や曾祖母が生きていた時代のことだ。500ページ近い本だが二日で読了して、その後も何度も読み返している。

読むたびに、うれしい気持ちがこみ上げてくる。涙もにじみ出て、ご先祖さまの存在を身近に感じるようになってきたような…。

そして、その頃の日本人の遺伝子が私の内にも脈々と流れているのを実感できたりします。

天国のような国など無いことはわかっているのですが、肯定的な側面だけを見つめていたいという気持ちが圧倒的に今の自分を支えてくれているようです。

もしも、貴方も落ち込んでいたならば、目を通されるとよいのではとおすすめします。
 


 


 


 

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