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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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円谷幸吉さんのエニアタイプをタイプ4と判定していますが、その根拠になるものをもう少しご紹介します。再び『オリンピックに奪われた命』の中にある情報を取り上げます。

東京オリンピックの前後に円谷と知り合った人々は異口同音に、“生真面目な男”と語っている」 優等生気質(714)から探すところです。その他は2w1でウイングが重いタイプです。

一緒に風呂に入ったある友人が語る。「円谷君は衣服を脱いだ後、それをキチンとたたむのです。まるでこれから包装するみたいに、デパートの売り子みたいな手つきで、丁寧ですけどバカがつくほど丁寧にたたむのですよ」

そして、「その躾は父親がたたきこんだものだった」と著者は書き添えています。親の躾がずっと効果を上げていることもあれば、そうでないこともあります。7人もの兄弟姉妹がいたのですから、たたきこんでもムダだった子どもがいたのではないでしょうか。

元々の気質が真面目とか尊敬する師の教えをずっと貫くという従順な気質を内に持っていなければ、やがて崩れるものです。このような一般論はよくあります。一般論では見抜けないものがたくさんありますが、エニアグラムというツールを使えば、それらを見抜くことができます。

小学4年から6年まで担当した担任が幸吉さんのことを語っています。「子どもはお掃除なんか嫌いで、私が監督しないと、箒で遊んだりしていますが、そんな時でも円谷さんはひとりでこつこつとお掃除をやっていた」 

ここから真面目な気質とわかり、優等生気質から探すところです。しかし、ここで他のタイプの可能性を排除することはできません。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory1.htm

なお、タイプ7は、掃除嫌いになりやすいが、というよりもまるで脳裡に無いので忘れてしまうのかしれません。また、服をたたむという面でも可能性が低いので消去します。なぜならば、それは女性的なふるまいであり、男性性の強いタイプ7の可能性は低くなります。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-1~/15-42.htm

そして、幸吉さんは、「長姉を慕っており、この姉によく甘えていたようです。姉の結婚披露宴では姿をくらまして皆が探したが、水を抜いた風呂桶に隠れていた」とあります。「姉がいなくなるので寂しさに耐えかねてすねていた」と。

姉を慕い甘えるとしたら、「女性を強く意識するタイプ(837)」から探しますが、むろん、タイプ8は甘える人ではないので省きます。その他は、タイプ4です。母親代わりになるような姉ならば甘える可能性は高い。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory5.htm

また、「隠れる」というようなスネ方は、他のタイプには少ないもの。タイプ4は「隠れる」という自己防衛生存戦略を持つタイプゆえ、なにかにつけ隠れるという行動をよく起こすので、タイプ4から探すところです。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory3.htm

また、「スネル」という行動も、子どもタイプから探しますが、「大人タイプ」のタイプ2も排除しません。感情タイプ(234)で、感情的になりやすい気質だからです。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory2.htm

国体の高校生の部の5000mに出場するが、予選に通過できなかった時のこと、「先生申し訳ありませんでしたと謝り、ぼろぼろ涙をこぼした」とあります。

その他、よく泣いている人だということが、この著書で明らかになっています。よく泣くとしたら、末っ子気質のタイプ4から探します。その他はタイプ2w1に多いものです。(その理由については今回のテーマではなく、簡単に説明できませんから省きます)

以上から、タイプ4の可能性があると考えられます。

さて、円谷幸吉の走りの実力が認められるようになり自衛隊では特別扱いになり、勤務時間内に練習ができるようになりました。

その頃の上司が語っています。「円谷君はまったく一心不乱です。腰を降ろして休むということがない。一秒もムダにしないで練習していた」

「練習で疲れて帰ってきても円谷君は休まない。他の隊員は勤務中で誰もいないと隊員の寝台を整頓したり、自分より若い隊員の靴を磨いたりしていました。これには驚きました。これはなんとかしてやりたいという気持ちになります」

本当に、うわさ通りの「練習の鬼」だったんですね。度外れています。この情報だけで、タイプ1とタイプ4と絞れるくらいです。

「このようなエピソードがあり、仲間の隊員たちから、愛されている」と書かれています。末っ子気質の人たちは愛らしい人をよく見かけますから、愛され可愛がられることはよくあります。しかし、あまりにケナゲというか必死の様子をみて、周囲の人たちが応援したくなるのではないでしょうか。

幸吉さんは、「限界まで練習する、無謀と言っていいほどの練習」で、次第に疲労がたまったためなのか記録が伸びなくなります。

この頃(1960年代)は、やる気さえあればという「精神主義」がはびこっていて、休憩などもきちんと取り入れたほうが効果があがるという考え方ではありませんでした。ですから、「オリンピックに奪われた命」と言えるかもしれません。

しかし、円谷さんは期待に応えねばならないと自分を追い詰めてしまったようで、自分に厳しくなりがちで、あまりにも生真面目すぎる気質が、彼を追い詰めてしまったとも考えられます。

「円谷幸吉の自殺は日本のスポーツ史に最大級の痛恨事として記されている。円谷の悲劇の後、日本オリンピック委員会や一部競技統括団体では、オリンピック出場選手などのアスリートに対するメンタルサポートやメンタルヘルスケアが実施される様になっているが、これは円谷の自殺が契機となった苦い教訓の産物でもある」 (『孤高のランナー・円谷幸吉物語』(ベースボールマガジン社)より)
 


 

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