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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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夏目漱石と言えば、千円札に顔写真が載っているので、日本人なら知らない人はいないでしょう。
この漱石に師事した中勘助という小説家が、ある随筆の中で漱石の素顔を語っています。写真のイメージと少し違っていて興味深く感じたので、ご紹介したいと思います。(中勘助随筆集より抜粋)

「先生が最初の言葉を読みはじめた時の、その特色ある発音を忘れはしない。それはいわゆる恐ろしく気取ったーそれだけ正確なー発音のしかたで、少し鼻にぬける金色がかった金属性の声だった」

「先生は独創が無くてはいけないということ度々言った…中略…講義中、奇癖を数々見せた。むしゃくしゃに顔をしかめて頭をかいた後、指を鼻の先へもってって犬が臭いものをかいだ時のように鼻の上にしわをよせてみたり、よく皆をくすくす笑わせることがあった。そんな時、先生は気づいて一緒に笑い出すこともあった」

「その笑顔は不機嫌なときの無愛想にひきかえて、可愛らしい顔だった。先生は随分身の回りに気をつけるらしかったけれど、その割に風采はあがらなかった。背が低くて体が貧弱な割に顔が大きくひねていた。額の広い割合にアゴが短かった。そして、顔だけとってみれば、それは真面目な智的な、そういう意味での立派な顔だった」

漱石のエニアタイプをタイプ4と判定していますが、ウイングまではわかりません。日記がありますが、まだ読んでいないのでいずれは確認したいと思っています。

まず、「金属性の声」とありますが、これまで判定しているタイプ4の人たちにもあります。英語の「正確な発音」も、正確さを重視する傾向がタイプ4にあるので、合点がいきます。

タイプ4が「独創」を重視するのはごく普通のことで、目立ちたがるとか、自分らしさを追及する気質が関係していると考えられます。なお、奇癖がタイプ4に多いのかわかりませんが、子どもっぽい好奇心の強い気質であれば、面白いことにはノルほうではないでしょうか。

千円札にある画像のイメージからは、「可愛らしい顔」はなかなか想像できません。しかし、タイプ4は「末っ子気質」ですから、最も可愛らしい笑顔とか所作をするほうです。ただ、漱石のことを、そのように見ている人がいたのだなあ、と、驚きつつも納得できます。

さらに、「顔が大きくて額が広いわりにアゴが短い」とあるところからは、ネオテニー(幼形成熟)に該当しそうです。
 http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-201~/15-209.htm

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