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今日は、問いの②を取り上げてみます。
ミヒャエルはハンナが文字の読み書きができないことを知っていたので、彼女を助けることが出来たはずですが、そうしませんでした。なぜなんでしょうか? →②
ここを説明するのは簡単ではありません。映画では、ミヒャエルは留置されている彼女に会いに行きましたから、真実を告げて闘うべきだと彼女と話し合うつもりだったと考えることもできます。でもその場から立ち去りました。
その表情からは迷いとか葛藤みたいなものが少し見えたように思いますが、はっきりとしたものは出ていません。でも、その後にミヒャエルは父親に相談に行っています。
ユダヤ人の強制収容所にもでかけています。すぐに助けねばというふうになっていません。慎重な気質だと考えられるところです。
となると、前回のその3で絞っているように防御タイプ147の可能性は高くなります。このタイプは怖がりで小心ですが、だからこそ慎重という気質を備えています。
ここは映画だけでは確かではないので、原作を読みました。しかし、そこでも曖昧でよくわからない表現が続きます。なんとか次のようにまとめましたが…。
ミヒャエルは、自分が助ける行動を起してハンナの刑が軽くなったとしても、その後のハンナの人生まで考え出すと、どのような行動ができるのか、何が正しい行動なのかもわからず、ずっと自問し格闘し悩み続けています。
ハンナの犯した犯罪の恐ろしさとか、どのように裁けるものなのかと、さまざまに脳裏に浮かんでいます。そして、ハンナを理解しなくてはという思いも強いが、ハンナと話すことができなくなり、心は硬直して、ついにはハンナと関わりを持たない方向に落ち着いて行った…ということらしいのです。
さて、他の人たちがブログに載せている文は以下です。(青字は全て)
彼が裁判で、なぜ彼女を救わなかったのか全く分かりませんでした。
男は何を考え、何をしようとしたのかよくわからなかった。男の視点で物語は進むが、彼の意志が強く描かれていない。
裁判を見守るマイケルは、彼女が自分が不利になるのを承知で、ある“秘密”だけは隠し続けようとしていることに気づく。その秘密を知るただ一人の者として、マイケルは葛藤し、答えを見い出せないまま苦悩を深めていくのだが…。
そもそもマイケルは誠実であっても所詮ハンナの傍観者止まりで、映画でも文字通り語り部・READERに過ぎなかった。
唯一証言できそうな人間は事実上マイケルしかいなかった。彼はできなかった。彼もまた“秘密”があり、その葛藤で立ち往生してしまう。ハンナは生涯、自分の弱点に苦しむが、マイケルもまた悔恨から人嫌いになり、妻に離婚され、娘とも疎遠になる。
マイケルは彼女を救おうと思えば救えます。彼の学校の教授も「君は法に従う義務がある」と言いますが、彼は法に従うよりも彼女の意志に従ったのでした。自分で決めたこととはいえ、それによって無期懲役を言い渡されるハンナの姿を泣きながら見つめるマイケル。
ちなみに、監督のスティーブン・ダルドリーさんがインタビューに答えているものがあり、転載します。少しはスッキリできるかもしれませんね。
戦争が次の世代にどんな影響を与えたかというのが本作のテーマだ。ミヒャエルはハンナが戦犯であることに衝撃を受けるが、彼女を切り捨てることができない。かといって声を大にして彼女を救うことにもためらいがあった。そのことで罪悪感に影のように覆われて生きていくんだ。身近な人との間にこういう体験をしたのが、作者のシュリンクの世代なんだ。
ミヒャエルの動機を明確に書き出している文章は原作でも見つかりませんでした。でも、このような設定をした原作者の気質がわかれば、少しはハッキリさせられるかもしれません。が、今回はここまでです。
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