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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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今夜は、問い③を取り上げてみます。
ハンナが出所する当日ミヒャエルが迎えに行くと、ハンナは早朝に首を吊っていました。ここで質問です。彼女はなぜ死を選んだのでしょうか。ミヒャエルの好意を受け入れてもよさそうなのに、どうしてそうはしなかったんでしょうか?
reader8
映画の中ではハンナを迎えに行くと、彼女は既に亡くなっていて、所長と会話をしています。彼女がずっとどんな様子だったのかミヒャエルは尋ねています。

原作にて、所長が語っていることです。「まるで自発的にここに来たかのように、規則にも自分から進んで従っていた。他の囚人たちに親切で、みんなからの人望は厚いものがありました。彼女には一種の権威があって、彼女が決めることなら、みんな受け入れました。数年前、彼女が投げ出してしまうまではね」

「それまでの彼女はいつもきちんとしてスマートで清潔好きでした。ところが彼女はその後たくさん食べ始め、めったに体を洗わなくなり、肥満して匂うようになりました。中略 外見や服装や体臭などが意味を持たない世界に引きこもった…」

なお、ミヒャエルが朗読テープをハンナに送るようになったのは服役後8年目で、18年目に恩赦になりました。所長の言う「数年前」が3年前だと仮定すると、8年目から15年目の7年間は、ハンナはかなりキチンとした人で人望もあったみたいです。

ところが死を選ぶ数年前から、ハンナは劇的に変化してしまったのですから、彼女が死んだ原因に、ミヒャエルは直接関わっていないことになります。

その後、所長さんがミヒャエルに、自分の予想を語っています。「何年も孤独な暮らしをしていると世間が耐えがたくなってしまうものなのかしら? 住み慣れた場所から世間に戻るくらいなら、自殺したほうがましなのかしら?」

所長の予想は当たっているのでしょうか? なお、映画にもこのシーンはあり、ハンナの変化にエッ!と気づかれた方もいらっしゃるかもしれませんね。以下は、他の人たちがブログに載せていた感想文です。

独房での苦労と精神的な困惑は想像できたが、すでに生きる力と精神をコントロールする力は表情から消えていた。

やっと、30年?ぶりぐらいに、再会。お互い、気まずくて・・・彼女は、彼の反応に失望??してしまい、刑務所の中で、自殺してしまう。

年老いたハンナと再会してもやはり「キッド」とガキ呼ばわりされるのは、その頼りなさのためだろう。だとすれば自殺されてしまうのも無理ないのだ。

これらの感想は当たっているのでしょうか? また、あなたの予想はこことは違うのでしょうか? 続きは次回にします。

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