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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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今日は、ちばてつやさんがインタビューに答えているものを取り上げてみようと思います。

大ヒットを飛ばした『あしたのジョー』と共作した梶原一騎さんについて述べているところが興味深いのでご紹介します。

「梶原さんの原作は、男っぽくて好きなんだけど、なんだかいつも張りつめていて、読んでいてちょっと息が詰まるんですね」

「あの作品はとにかく疲れましたからね。力石の葬儀が行われたりして、すごいプレッシャーがありました…中略…ジョーがリングで吐き続けるときは、つられるように僕も十二指腸潰瘍になってしまって…」

8951bfdb.jpegなお、これは『コミックを創った10人の男』(ワニブックス)に載っています。

エニア講座でタイプ8の女性を招いて受講生たちとともに語り合ったことがありますが、みな張りつめていました。首筋もまっすぐで背骨も立っていました。

受講生の多くはタイプ2w1が多く、ゲストとして招いている人が話し中でも私語が絶えず、騒々しくて、話声が聞こえないこともよくあります。

しかし、タイプ8をゲストに招いた時、私語は全くなく姿勢も崩れなかったのでかなりビックリしました。タイプ8の人の緊張感に影響を受けたのだと思われます。

タイプ8と長い時間ご一緒すると疲れてくるというのは本当のことで、本人も緊張を解けないのかと思いますが、解く気もないのだろうと。

また、『あしたのジョー』のラストシーンは有名です。ジョーは「燃え尽きてしまう」のです。試合で力を使い切ったというわけです。

ところが、これは、ちばてつやさんが勝手にラストシーンを変えたものです。

梶原さんの原作は、
「段平がジョーに対して “お前は試合には負けたけど、ケンカには買ったんだ”と慰めて、戦いに敗れたジョーは夜の街へ消えていく” という終わり方でした」と、ちばさんはインタビューに答えています。

タイプ8は「力強くあらねばならない」という「ネバ人間」です。それゆえ、「勝たねばならない」というネバ人間とも言えます。以下に掲載。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-1~/15-6.htm

タイプ8にとっては、ラストシーンを「負け」にさせることはできない。が、勝たせてハッピーエンドにもできないはずです。

なぜならば、タイプ8にとって世界は否定的なところであり、否定的な終わり方しか納得できません。自分らしい作品にもならず、かといって主人公は負けさせられないのだろうと考えられます。

つまり、上記のようなラストしか考えられなかったのだろうと想像しております。

一方、ちばてつやさんのエニアタイプは、タイプ2w1と判定しています。2w1は、努力信仰があると言えるくらいの気質です。以下に掲載。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-1~/15-11.htm

自分の持てる力の全てを使い果たしたならば、結果はどうであれ自己満足できる傾向があります。「燃え尽きた」というラストシーンは理想的
な終わり方と言えるかもしれません。

タイプ2は「善い人間であらねぱならない」ので、勝負をつけるよりも、ベストを尽くすことに意義があります。ベストを尽くしたら人々から認められる、その努力を高く評価されると自分自身がそのように思うので、周りの人々もそう受け取るだろうと予想するのです。

しかし、タイプ8は「力強い人間であらねばならない」のですから、どうしても勝負には勝たねばなりません。


どんな作品にも、各々の気質(本能的な行動パターン)が顕れていることが、ご理解いただけるものと思います。

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仮面をつけているのは、素顔を見られたくないからなのかと想像するものです。醜いのか、大きな傷があるのか、それとも火傷かアザか? と何か隠したいものがあるのではと想像しますよね。

それは、最後の6巻になって判明します。でも、ネタバレになるので、『谷仮面』を読む予定のある方は、これ以降は読まないでくださいね。

さて、リホコに口づけされた後に割れてしまった仮面。その仮面から出てきた素顔はかなりの美形です。谷君は長身で闘いにも強い、さらにイケメンとなれば怖いものなしです。

読者のなかにはガッカリした人がいると思います。でも、主人公は醜いほうがよかったのでしょうか? そこの判断が難しいところだと思います。

作者は、はじめから長編を描くつもりがなかったので美形にしたのだと、私は想像しています。元々、長くひっぱっていかれるようなストーリーではありません。

評判になり、編集者から続けろと言われても、描きたいという気になれない作品もあるだろうと思います。しかし、かなり美形です。マンガの主人公はたいてい作者の理想像ですから、当然のことなのですが‥。

しかしながら、タイプ7の美形好み、何か気になります。美形を見た場合の反応がかなり大きい人たちです。

「夫は、町を歩いている時、美人だと決して見逃さない」と友人が語ってくれたことがあります。しかも、妻にそれを把握されているのに、「そんなの見ていない」と否定するのだそうです。そこが可愛らしいというか、怪しいところです。

NHKの連続テレビドラマで美形の女主人公が登場したことがあり、「夫はテレビの真ん前に陣取って、しかも正座して、毎回食い入るように見ていた」と、ある受講生が教えてくれました。

ある三人姉妹の母親もタイプ7でしたが、なんとミスコンテストをよく開催していました。親戚友人などの中で一番に美しい女性は〇、二番目は〇、などとランクづけして楽しんだとか。

また、乳房の美しいのは〇で、あの娘のは大きいが少し垂れている、乳首が上のほうがカッコイイ等々。その手の話になるとウキウキとしていたというのです。

ある知り合いの男性が、美しい女性と出会った場面に、偶然に居合わせたことがありますが、かなり緊張しており興奮もしていたのか、言動が明らかに変でした。後からタイプ7だと判定できました。

美形の力って凄いんだなと、その時思いました。しかし、タイプ2の男性も同席していたのですが、その美人にチヤホヤしたり、キレイだねと誉めそやしていました。それだけのことで、さほど緊張も興奮もしていませんでした。

私自身も他のイケメンに出会ったことがありましたが、このタイプ2の男性と同じか、もっと控えめだったと思います。だれかにチヤホヤしたことは一度もなく、ほめそやすなどということも苦手です。とても無理です。

しかし、一緒に居合わせた友人のタイプ2w1女性は、あきらかに様子が変でした。イケメンの顔を一度見ただけで、その後けっして見ようとしなかったのです。意識し過ぎだとわかるところです。

また、30年前、偶然に名古屋駅で郷ひろみさんを
見かけたことがあります。追っかけしているファンの女性たちが、キャーキャーと奇声をあげて半狂乱になって騒いでいました。

郷さんは若い頃はかなりの美形でした。が、私自身は、実物を見ても別に何とも感ぜず、半狂乱になっている人たちが理解できないままでした。

また、男優ファンや
女優ファンになったことも無く、誰かのファンになったことも一度もありません。そういうファン心理が理解できないほうです。これは2w3の共通頃かもしれませんが、確かめていません。 

さて、837は、美人には超弱い人たちです。乳房の話題などからも性的なことに強い関心を持つ傾向があるとわかります。「女性を強く意識するタイプ」ですからね。

一方、261の女性はイケメンには超弱い人たちです。「男性を強く意識するタイプ」ですから。この中ではとくに2w1の女性がイケメンに緊張しやすいようです。 以下の基本理論にあります。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory5.htm

さらに、もともと緊張しやすい気質の人たちであれば、美形に出会うと緊張すると考えられます。防御タイプ(714)です。

さて、ようやく、『谷仮面』を終えることができました。飽きずに読み続けて下さった方、ありがとうございます。

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主人公の谷君が惚れている島リホコの家庭での出来事も創作されています。5巻末にあるもので、リホコが谷君に告白すると決意するシーンですが、それはバスルーム内でのことです。

風呂場からの変な物音を聞きつけて、リホコの父親がかけつけてドアを開けたので、父親はリホコの裸体を見てしまいます。

なんと父親は鼻血を出して転倒。「10年ぶりに見たぞリホコ 立派になって…父さんうれしいぞ うれし泣きだ」というセリフになっています。

しかし、娘の裸体を見て、鼻血を出して転倒するとは、ちょっと気になります。6巻にもよく似たシーンがあります。

休日、リホコは疲れていたのか、リビングの長椅子で朝から二度寝に入ったようです。弟も起き出しますが、リホコの大きな乳房に包まれて二度寝に入りました。

父親は、「おあ~~っヨウノスケェ(弟の名)~~っ」 2人の様子をみて、「うらやましいやつめ……」と少しカッカとした様子です。そこへ母親がやってきます。

「二人とも大きくなったわね。あと何年かしたらリホコはお嫁に行くのかしらね」という妻(母親)の言葉に、夫(父親)のほうはカァーッと血がのぼり、「ばっ ばか まだまだ先の話だ!」

さらに、リホコの「たにくん…」という寝言を聞いて、父親は驚いてバタンキュー! 娘が年頃になり異性を好きになったことを知って、気が動転する父親ってことになっています。

その日の夕食時なのでしょうか。「リホコ好きな男の子いるんでしょ」と母親がうれしそうに尋ねます。しかし、父親は不快そうです。

父親は先に夕食を済ませて、独りベランダでタバコをふかしますが、涙っぽいものが描かれています。

さて、年頃の娘の裸を見ても、大して気にならない父親がいますが、ビックリドギマギする父親も現実にはいます。

大人タイプ(9582)は前者になるとみています。子どもは成人してもずっと子どものままとして見ているタイプです。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory7.htm

とくにタイプ8(お父さん気質)とタイプ2(お母さん気質)は親意識が生まれてからずっと備わっています。まして、実際にも親になると、自分の子どもは永遠に子どもでしかありません。

娘の裸を見ても、女性として意識することはないだろうと予想しています。

しかし、子どもタイプ(17634)は、結婚して実子を得ても、本性が子どもですから、親意識がないかのような振る舞い方をします。

そして、「女性を強く意識するタイプ(837)」は、娘をかわいがる傾向がクッキリと見られます。息子には無関心になり、邪見になったり冷淡にもなります。怒りのはけ口になることもあります。

つまり、この2つのシーンだけを見ても、作者のタイプを「タイプ3・タイプ7」の2つまで絞ることができます。

そして、タイプ7の親たちが、可愛がっている娘を手放したがらない、ということを聞くことがあります。
むろん、他のタイプにも子どもを手放したがらない親は存在します。結婚話が起きると、あれこれ難癖をつけて破談に持ち込むというような事例です。

尤も、娘といってもいろいろです。誰にとっても可愛いいと感じない娘がいますからね。

親から可愛がられないという不幸もあるかと思いますが、かわいがられ過ぎても不幸になることがあります。やっぱり! 何事も「適度」であるほうがいいですね。
 

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主人公の谷君は、常時仮面をつけています。仮面をつけていても周囲の人たちは問題にしていません。あまり気にならないみたいです。

現実には無い設定ですが、仮面にはどのような意味があるのかわからないままに最終巻になります。でも、6巻の最後に意味がわかるところが少しあります。

幼稚園児の谷君はみんなと遊びません。それを先生に尋ねられて、「ひとりで本よんでるほうがすきだもん」と答えています。

そして、「ねえ、せんせい まいにち おもしろくないのに どうしてボク生まれてきたのかな?」と質問しますが、当然に先生から答えはかえってきません。

その直後から仮面を付けて登園する谷君。「これをつけているとおちつくんだ!」と言う。読書好きなタイプ7の子はよく見かけます。

冒険や歴史や戦争ものなどが多いみたいです。一日中読んでいる子もいるようで、それでも「おもしろいことがない・退屈だ・つまんない」と母親によく訴えています。

面白いことが無いなら、つまんないことになり、普通じゃダメらしいのです。テンションが高くないと、テンションは低いことになり、すぐにつまらなくなるようです。楽しみと刺激を求める気持ちは強いと考えられます。

①の「タイプ7の基本的性格」の最初のところに、「人生を楽しみつくそうとする」と載せています。②の「あなたは自分の特長を知っていますか」の中にもあります。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/page05.htm
http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-1~/15-6.htm


誰もが楽しみたいという欲求を持っていますが、たぶん全タイプで一番にその欲求が強いんだろうと考えられます。

たとえば、ある受講生(タイプ2)の夫はタイプ7w6です。彼女の夫は休日でも必ずどこかに出かけたがるが、「普通のショッピングや物見遊山では楽しくないみたい」と話してくれます。

普通のそれなりに刺激のある旅でも楽しくないみたいで、スキーをするとか野球のようなスポーツに興じているほうが、夫は楽しいようだ、と言うのです。

タイプ2の妻のほうは友だちとおしゃべりしているだけで楽しめると言います。しかし、タイプ7はゲラゲラと笑えるおしゃべりでなくてはつまらないみたいです。

それは、明石屋さんまさん(7w6)がテレビ出演しているところを見ればわかるのではないかと思います。彼は笑いを自ら作り出しています。

そうでなくては視聴者からウケナイ! と使命感さえ持って、笑いをとっているように見えます。

ところが、さんまさんは気転が利いて頭の回転も早く、笑いのツボもうまく掘り当てるほうですが、大抵のタイプ7はそうはなりません。

実際、面白いことはなかなか日常的に体験できません。しかし、タイプ7は「楽しみつくそう」というくらいに楽しむことに貪欲なタイプです。

となれば、面白いことのないこの世界に、「生まれてくるのではなかった」ってことになりそうです。

それゆえ、世界との関係を仮面でシャットアウトさせねば生きられなかった。仮面を付けていると、欲求不満をぶつけることもなく、苛立ちも抑えられて、失望したり落胆することも少なくなり、少し落ち着けるようになったのではと。

つまり、あきらめられるようになった、ということなのか。それだから仮面をかぶったのではないか、とも予想するのですが、みなさんはどう思われますか? 

なお、つまらない世界と思えばつまらないものしか見出さないものです。自らの中にあるものが、そうした世界を映しだしています。

 

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谷君はようやく初デートにまでこぎつけて、惚れている島リホコと映画を見に行きます。(5巻にあります)

「生きててよかったって、これかあ! 島さんの笑顔だ!」「今日は記念日だな。今日から日記でもつけようかな…よし!鍵付きの日記帳買おう!」

記念日を忘れないのはタイプ7にある傾向です。とくに女性との関係での記念日ならばなおさらです。

また、とかく秘密主義的になる傾向があり、抜かりのない気質ですから鍵付きの日記を用意することになるでしょう。

さて、デートの帰路に電車の中で、リホコは谷君の肩に寄りかかって眠ってしまいます。それさえも谷君には、「しっ 幸せだ!!」になるようです。

その前の晩、リホコは初デートを考えると緊張して一睡もしていなかったのでした。このように、肝心な日になにかヘマをするっていうのは、このタイプによくあります。不思議なほどあります。

たとえば、修学旅行をずっと楽しみにして指折り数えて待っていた小学女子が、当日、風邪で高熱を出して行かれなかったそうです。

またある男子は、遠足に行く日の朝になって、ぜんそくがひどくなって参加できなかったとか。高校入試の当日になって交通事故に遭ったとか…。

なぜか、肝心要の時に不測の事態が到来するのでした。普段でもよく緊張しており、緊張しないことはほとんどない人たちです。

ゆえに、なにか期待していることがあれば、それだけで興奮して寝付かれず睡眠不足となって、当日になってヘマを仕出かしてしまいます。なぜか不運に見舞われてしまうのです。

登校したくないと、その朝に腹痛になったりしますが、昼頃には全快するので、ウソをついたと思われますが、本当に腹痛になる子どもがいます。むろん、ウソをつく場合もあるかと思います。

ちなみに、つい最近、関西に住む友人が帰郷したので、久しぶりに会っておしゃべりに興じました。その中で、笑いが止まらずお腹が痛くなった話題があります。

友人はとある大学に勤めているのですが、学内では一年に一度、夏季に全校の全員で大掃除するという行事があるのだそうです。

ところが、毎年、このイベントの日が近づくと、その直前に何かが起きて参加できなくなる準教授がいるのだそうです。

ある年は、蜂に顔を刺されて過呼吸となり、救急車で病院に駆け付けて治療となり、掃除には参加できませんでした。

ある年は、校内の工事用のトラ柵につまずいて手を骨折しました。

でも、昨年は何事も起きず、掃除に参加したそうです。この準教授は早く終わらせようという感じで無言で下向きのままセッセと草刈をしていたという。

ところで、その直属の上司である教授も、当日にはお客を呼んでいて掃除に参加していません。毎年、なにか用事を作って、当日は参加できないようにしている、のだそうです。

そして、他の学部の教授たちはみな参加しているので、この二人は話題になっているとか。エニアタイプはどちらも7w6です。

どうも大学の教授や講師などはタイプ7が多いように感じられます。また、タイプ7は男性性の強い気質です。掃除というものはその辞書には入っていないらしく、とくに行事としての掃除に参加することを嫌う傾向はあります。

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タイプ7の基本の自己防衛生存戦略は、「逃げる」と分析しています。以下にあります。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory3.htm

当会では、「性格とは自己防衛生存戦略である」と簡潔に定義づけています。タイプ7にとっての基本戦略が「逃げる」であるとすれば、「逃げる」に関する拘りが強くなります。

それゆえ、逃げるために必要になる「靴」とか「自転車」「車」などの移動手段を重視するのはごく自然な成り行きです。

ところが、「逃げ出す」ことは簡単ではあるが心理的には重いものです。他のタイプにとっても同様ですが、タイプ7にとっても、困難なことから逃げ出すような弱い人間にはなりたくないのです。

好きな女性を見捨てて自分だけ助かりたいなどとも思えません。街角で不良たちに絡まれた折、千葉君は惚れているリホコを守るためにひとりだけ残って不良たちと闘います。

谷君は、千葉君にその場をまかせて、リホコとその友人計3人で、そこから立ち去ります。それなのに、「やっぱり戻ろう」と言い出すリホコ。

「私 逃げてばかりいるのよ。まわりに流されてばかりいる自分がイヤなの…内気だし私 昔から…」 「このまま逃げたら明日も内気な私だけど、もどれば少しは変わるわ」 

映画「耳をすませば」を見て、「変わろうっておもった」とも言う。でも、友人は「変わるの明日からにすれば、今日は帰ろ」 でも、リホコは「ダメ!」

「また逃げるから、よけいに内気になっちゃう 夜 寝る時 悔やんで苦しむわ‥」 「私がもどっても何もできないけど、もどるっていう心構えが大切なのよ」叫ぶ。「そう 心がまえが大切なの そうそう!!」

見せ場というか、大切なシーンみたいなセリフです。そこで、友人は残り、谷君はリホコに従い現場に戻ります。が、なんと、リホコは今度は「千葉君と3人で逃げよう!」と言い出す始末。

「島さん逃げるのイヤなんじゃあ…」谷君は驚く。リホコは叫ぶ! 「違うの 今度は前向きな逃げなの ケンカしても何にもならないわ 千葉君と3人で逃げるのが一番いいの」

無事に逃げおおせて、キャッキャッと小躍りするリホコ。ここで、「自分の意志を通せた自分に喜びが隠しきれない島さんだった」というナレーションが入ります。

この辺りのストーリー少し変ですよね。なんか小理屈つけてます。ゴタクを並べているように見えます。

「内気」ということと、「逃げる」とか「流される」とが直接に繋がるとは思えません。臆病で弱虫であれば、逃げだすほうになります。それを知られたくないのでしょうか。

また、「前向きな逃げ」ならばよいというセリフも、なんだかこのシーンにマッチしません。千葉君だけ残して二人で逃げたのを悪いと気づいたので、それで戻ろうとしたのであれば、自然な成り行きになりそうに見えます。

しかしながら、「千葉君だけ残して二人で逃げたのを悪いと気づいたので戻る」という設定であれば、それは「自分は善い人間であらねばならない」が働いています。つまり、作者がタイプ2であれば思いつくストーリー展開です。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-1~/15-6.htm

タイプ2にとって、闘っている人を見捨てて逃げ出せば、自分は善い人間ではなくなってしまいます。

しかし、作者はタイプ7ですから、そのような発想はせず、そうした展開にもならないようです。


作者は「逃げる」に対する拘りが強いから、あれこれ小理屈をつけたり、ゴタクを並べているのではと考えざるを得ません。
 

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谷君は、レスリングの試合に選手として参加することになりますが、応援に来てくれるかもしれない島リホコの姿を探し続けています。(4巻)

「島さ~ん」と思わず叫んでしまい、泣き言を吐くだけでなく、リホコに見捨てられたと思ったのか、「捨て猫のような気分だ、さむい、心が…」 

なんと、闘う気力を無くしてしまったみたいです。ちょっとおおげさに見えますが、マンガだからではありません。実際にも、タイプ7は心の揺れ動きが大きく、テンションが高いと思ったら一瞬で急落下します。心の忙しいタイプです。

しかし、ようやくにしてリホコが観客席の真ん前まで到達して、大きな声を張り上げて応援してくれる姿を見て、谷君は一気にやる気満々になり、チームを初優勝に導きます。

でも、タイプ7は羞恥心の強い気質です。リホコは大勢の前に出て谷君を応援したために恥ずかしくなったのか、その場からすぐに姿を隠します。

リホコのセリフ、「私 一瞬 校内一の変な子になったんじゃないかしら…、恥ずかしい!」

男女が感激のあまり抱き合うと周囲からヤンヤの喝采を受ける…ってことになりません。タイプ2のほうがこうなりやすく、顔を赤らめるくらいです。

マンガや映画によくあるシーンです。で、そのような体験もしているためか、タイプ2自身が自分のことをシャイだと思い込んでいたりします。

両タイプの羞恥心の差は大きく、突然に姿を隠す人間がいても、なぜそんな行動を取るのか、たぶんタイプ2は知らないままなのです。おかしな人間だなあ、などと思っているところかもしれません。

その割に、タイプ7の作品には、スカートがまくれてパンチラになったり、ボインを露出するシーンが多いのですが、たぶん読者サービスです。タイプ7w6はサービス精神旺盛なところがあります。

また、女性性に強い関心を持っている気質(8・3・7)が、このようなシーンを描かせているとも考えられます。

永井豪さん(タイプ7w8)の作品にもよくあるシーンですが、永井さんが登場する以前にはあまりないシーンです。永井さん以降は他のタイプのマンガ家にも影響を与えて、次第に増えたのだろうと考えられます。

さて、谷君は女性から応援されると気力が一気に増しました。タイプ7の男性にとって、「男の力の源泉は女」だったのです。この作品では「愛の力」などと言っております。

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谷君は、惚れている島リホコと初デートをしますが、「まっ間違いねエ!これが幸せってモンなんだ!! 生きててよかったって、これかぁっ!!」と叫びます。

同様に、島リホコに惚れている千葉君も、心の中でつぶやく。「(リホコが)千葉君って言ってくれたぜ。このくらいで幸せ感じるなんてな リホコさんの存在を知らずに俺よく今まで生きてこられたな…」 

女性の存在が大きい人が創作したものだとわかるところです。(どちらも5巻にある)

一方、タイプ2の作品の中には、美味いものを食べて、「生きててよかった」などと感激するシーンならよく見かけます。

また、谷君が「(リホコを)守るんだ、オレが」というセリフがありますが、「私(リホコ)も谷君を守る」というセリフもみつかりました。さらに、「何もおびえる事ないのよ。私がいるんだから!」とまで言う。(6巻) 

いやはや、タイプ2の男性マンガ家が、作品にそのようなことを女に言わせているものはあるのかなと…。女は弱く、男が守るものだという定型が多いように見受けられます。

それに「オレについて来い」が多く女は男に従うものだと思っている場合が多いタイプです。ところが、タイプ7は違います。

「島さんを一生守らしてください。オレ今日から猛勉強でもなんでもして、高給取りになりますから!! そばにいてください。おっオレそれだけで生きていけるんで!!」 

「守らしてください」ですからね。「オレに付いて来い」ではありません。受け身な言葉使いです。また、純情かつ健気にみえるところです。

尤も、タイプ2の女性のなかには、「オレについてこい」と強くリードしようとする男性でなくては惹かれない女性がよくいます。男に依存的になる傾向があるからです。むろん、谷君みたいな一途な男性に惹かれる人もいると思いますが。

ここから学べるものがあるとしたら、貴男の好きな女性がどのような男性に惹かれやすいのかを把握できているのかです。自分勝手に判断しては上手くいきません。

「君を守らしてください」と言ったら、相手の女性からは「なんと頼りない男性」と受け取られて、嫌われてしまうかもしれませんからね。

さて、5巻には、谷君がリホコのどこに惚れているのかを明らかにしているシーンがあります。

「説明するのは難しいけど、こうホワッとした、つつみ込むような…愛らしくやさしいけど強い、そして、とてもあたたかいホワッとしたもの…」

一方、リホコは、階下に転落して谷君にキャッチされて助かりますが、その折の心の中のセリフがふるっています。「なんだろ不思議なあたたかさ…安心する…誰? こんなに安心できるなんて…子供になっちゃう」

たぶん、ひとりの作者が描いている作品ですから、同じことしか書けないのかもしれませんが、なんだかタイプ7は、それほど安心できずにいるのかな、などと想像してしまうところです。

(なお、マンガを創作する人間は、作者ひとりとは限らないので注意を要するところです)

タイプ7は「長男タイプ」で「子どもタイプ」ですから、どちらかというとリードしてくれる強い女性に惹かれる傾向があります。女性に対して受け身になりやすい傾向があります。

どちらかというと母性的な女性を求めていると考えられます。タイプ7の理想の女性像なのでしょう。作者の理想像が、作品によく表れるというのは本当のことなのです。

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次作に予定している著書のタイトルを考えました。『人の心理は、おおむねマンガから学んだ!(仮称)』です。

しかし、この1年ほとんど執筆していませんでした。なにしろ私自身が「福島県民」であるかのようで、他のことに意識が向かないという状態です。でも、近頃は関東圏内の住民という感じになっているかもしれません。

さて、今日は、柴田ヨクサル作の『谷仮面』を取り上げてみます。面白いものを見つけましたので、ちょっとご紹介します。

谷君という常時仮面をつけている高校男子が主人公です。島リホコという女生徒に一途に惚れています。男にはまるで関心がなく、男はライバルに過ぎないようで、男の友情など決して求めていないことがすぐにわかります。

登場人物も、女性は姓と名が付けられていますが、男性はなんと姓のみしか付けられていません。「女性を強く意識するタイプ(837)」と簡単に絞れます。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/static/theory5.htm

タイプ7w6の作品と判定しています。一言でいうならば、くだらないストーリーですが、そのくだらなさが成功している作品と言えるかもしれません。

2巻にあるものですが、谷君はバイトでサンタクロースになって、島リホコの家を探し出してプレゼントをしますが、なんとそれは「靴」です。

「タイプ7と靴」というタイトルを付けて調査活動したいと思うくらいに、タイプ7は靴への執着心が強そうです。当ブログ2010/09/09にも取り上げています。ブログ内検索を使うとすぐに見つかりますので、一度、ご覧ください。

そして、谷君の仮面が割れてしまう場面が最終巻にあります。それがふるっているんです。島リホコを助け出して、口づけをした瞬間に仮面が割れて素顔を晒してしまうのです。

まるで、男版白雪姫です。白雪姫は王子さまの口づけで生き返るというお話ですからね。

童話『白雪姫』は、「女性を強く意識するタイプ(8・3・7)」の可能性が高いとみています。なかでもタイプ7の可能性が高いのではないかと考えています。

(なお、童話『シンデレラ』については、かなり以前に以下のように公表しています。タイプ7かタイプ3の可能性があると書いています。

http://www.mirai.ne.jp/~ryutou-m/eneagram/active/page15/15-201~/15-231.htm )

二つの童話に共通するのは、男性については結婚相手として必要なので最低限描いていますが、ほとんど「女の世界」だけを描いていると考えられるところです。また、主体的とは言えず、受け身なところも共通しており、その点はタイプ8には無いものです。

女性という存在が大きく感じる人たちが創作したのではないかと考えられます。

マンガ「谷仮面」を見ると、女性に対して受け身であり、女性が太陽のような存在になっている、そんな描き方をしています。

たとえば、島リホコが校内にある高い塔の頂きに磔にされています。リホコを助けるために敵をなぎ倒して大活躍しますが、塔に登りつめて、ついにリホコまで到達するというものです。

学校内の大勢が見ている中での男同士の闘いとなりますが、リホコとの位置関係が面白い! 

塔を下から見上げている構図があり、リホコは異様に高いところに聳えているように見えます。まるで聖母マリア様が磔にされているみたいです。

たとえば、納屋などに幽閉されて縛られている女性を助ける、というものではありません。 ( 続く )

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「自虐の歌」の主人公・幸江は、幸せの見つけ方がうまいと前回紹介しています。たとえば、幸江は、イサオと出会った楽しかった頃のことをよく思い出します。

隣家のおばちゃんに、その頃のイサオの話をしています。のろけているだけなのですが…。また、「いい匂い」とイサオの服や体の匂いにうっとりします。そのシーンを数えるとなんと7回もあります。

イサオの他人を威嚇する強さにうっとりして、その男っぽいところに惚れています。また、イサオに金をだまし取られたり、ヘソクリも盗られますが、その金で花や服などをイサオに買ってもらうと、「あらうれし! 」です。元々は「私のお金なのに…」

この漫画、ちゃぶ台返しの場面はなんと52回もあります。が、幸江は否定的に受け取っていません。「(私を)ケガさせないように工夫してくれる、気遣ってくれる」と言うのです。究極のポジチィブシンキングです。

イサオは他家の庭から花を手折り、幸江に何気なく手渡します。しかし、幸江はそれをとがめるのではなく、自分の誕生日を忘れないでいることに感激し涙します。よくあるような「盗んだ物をもらっても、うれしくない!」と責めたりはしないのです。

このマンガに感動している読者は、幸江のそんな愛らしさ、いじらしさに涙しているのでしょうか? そんな気がします。しかし、男の手前勝手なところに着目する人からは、不評になるようです。

ところで、「幸運な人が常によい機会に恵まれ、不運な人が機会に恵まれないのは、彼らの行動や考え方に原因がないか」を確認する実験をした人がいます。

ハートフォードシャー大学のワイズマン博士です。何百人ものボランティアに面接して話を聞いたり、彼らの経験を尋ねました。そして、2つのグループの違いが、チャンスを見つける能力の違いからくるのか、テストをしました。

幸運グループと不運グループの両方に新聞紙を与え、「新聞の中に何枚写真があるか?」と質問しました。実は新聞の半分くらいのところに大きなメッセージで、「この文字を見つけたことを伝えると50ドルもらえます」と言う文が書かれていたのです。

この文は5センチ以上の活字で印刷され半ページほど占めており、まさに目の前に来るようになっていましたが、不運グループはそれを見逃す確率が高く、幸運グループは見つける確率が高かったそうです。

不運な人は何かを探すことに集中しすぎて、別の良い機会を見逃すことになり、結果として不運になってしまう、というものです。

2月末に知人(タイプ4)からメールが届きました。「幸せは 獲得するものでもなく 訪れるものでもなく 気づくものだと思う」

しかし、努力しないと獲得できない幸せ、というものもあるだろうと思われます。突然に思いがけなく訪れる幸せもあるのではないでしょうか。

でも、幸せは「気づくものだ」という捉え方は、一番、幸せの近くにいるものではないかと、そんなふうに思います。幸せというものは、外から来るものではなく、自分の中にあるもの、自分の意識の向け方にあるからではないでしょうか。

 

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プロフィール
HN:
竜頭 万里子 (りゅうとう まりこ)
性別:
女性
職業:
講師・カウンセラー・ライター
趣味:
読書・散歩
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【 ♥ イラスト提供:Night on the Planet ♥ 】