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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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舞台はイスラエル占領下のゴラン高原のとある村。この村に住む娘が、親戚にあたるシリアの人気男優に嫁ぐ予定ですが、その結婚式の朝からの一日を描いている映画です。
      
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 この地はもともとはシリア領ですが、1967年の第3次中東戦争の結果、イスラエルに占領されてしまいます。当然のことシリアはイスラエルの占領を認めません。占領地にいるシリア人が出国したら、二度と、ゴラン高原には戻れなくなります。

 ですから、シリアに嫁いで行く花嫁は、二度と故郷の地には入れないことを意味します。第三国で家族と会うことはできるかもしれませんが‥。そのためか、花嫁の表情は硬く、不安と緊張のさなかにいます。

 と、こんなことを知ると、一触即発的な隣国関係の中にいて家族愛が引き裂かれる悲しいお話なのではと想像してしまいます。でも、そのような印象はあまりなくて‥。

 花嫁は、テレビに出ている男性(花婿)を見たに過ぎず、直接に会ったことは一度もありません。男性のほうも、女性(花嫁)の顔写真を見ただけで結婚を決意したみたいです。会ったことも、言葉もかわしたこともない男性のところに嫁ぐ娘がいるなど、「一体! なに時代なの?」という感じです。

 故国に二度と戻れず、また親戚も知人もいない他国にたった一人で嫁入りするというのですから、かなりの熱愛なのかなと誰もが予想するのではないでしょうか。でも、そうではなかったのですからね。

 ちなみに、花嫁にとってのシリアは、本当は母国なのですが、彼女は1967年以降に生まれていると予想されるので、他国と言ってもよいような「近くて遠い国」ではないでしょうか。

 なにか解せない映画です。それで、帰宅してから、この地にいるシリア人のことを調べる羽目になってしまい‥‥。納得できないと気になって眠れなくなってしまう性分みたいです。続きは次回に!               

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