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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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紀元前5世紀の古代ギリシャの思想家・ディオゲネスの文を、湯川秀樹著作集から見つけだして驚いています。以下です。

「万事を総合すると全ての存在するものは同一物質の変化によって創り出され、従って同じものであるように、私には思われる。もしも、この宇宙に存在するも(つまり地・水・火・風その他もろもろのもの)のどれかがその本性において違っており、同じものがいろいろに変形したのでなかったら、いろいろなものがまじりあったりはできないであろう。
 また、一つのものが他のものに利益を与えたり、損害を与えたりもできないだろう。またもしも、万物が同一物質から混合されてできたものでなかったら、どんな動物も生存できないだろう。これら全てのものは同一物質の変化として、違って時に違った形で出現し、やがて、もとの同一物質に戻るのである」

ギリシャ時代は賢い人物をたくさん輩出していますが、私の感性にピタリと嵌った文章を書く人がいたこと、遠く時を隔ててもそんな人物と出会えるなんて凄いことですね。ちなみに、ディオゲネスってかなり面白い人物みたいですが、話が逸れてしまうのでやめます。

ところで、エニアグラムという不思議な図形に魅入られてから既に16年ほど経っています。人間の気質を9類型できることが事実だと知った時は、本当驚きました。それが事実なら万物も全て9類型できるかもしれない、と、考えだすと胸が高鳴りました。

たとえば、人間の体は水と炭素でできているだけではなく、鉄やコバルトやカドミウム等々、あらゆる物質が含まれています。つまり、この宇宙に存在する物質が、私自身の体を形作っているのです。

また、人間の体は一つの宇宙のようなもので、宇宙の法則と人間の体の中に働く法則も同様なものが働いているだろうと予想されます。また、体の中には脳も入っているわけですから、当然、気質(性格・心)にも同様なものが働いているのではと考えられます。

そして、人間が、本当に自分を知ることができたら、宇宙も知ることもできるのではないかと。「自分を知る」ということが、そんなにも広大なところに繋がっていること、そこに導かれていく自分を発見するようにもなりました。

エニアグラムを西欧に紹介したのはグルジェフという神秘学者だと言われています。彼は、エニアグラム図形を「宇宙と生命のシンボル」だと説いています。

著書には荒唐無稽なことばかり書かれていて、理解不能な文章ばかりなのですが、この一点において、彼は真理を見つけ出していたように思われるのです。

なぜなら、宇宙が生んだ「生命」であれば、自ずと宇宙にあるものと同じ物質が生命にもあり、また同じような法則に支配されているだろうと。そして、一つの図形で万物の法則をシンボル化できるのではないかと。

こんなことを書くと、ちょっと頭どうかしたの? とか、荒唐無稽なことばかり言っているのは“あんたのほうだろう”などと誰かに言われるかもしれませんね。でも、いいんです。

つまらない日常的なことに悩まされたり翻弄されないように、非日常的なこと、深遠広大なことを考えているほうがいいのです。精神にいいのです。

エニアグラム図形が意味するものを、今年こそは真剣に解いていこうと思っています。でも、明日はもう少し頭の中を整理しようとは思っていますが…。


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