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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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人は、なぜ美術館へ行くのでしょう。美しい絵画を見て感動するのでしょうか。正直に言うと、私は美術作品を観て感動したことは、全く一度としてありません。

詩人・谷川俊太郎は、「私には心から詩に惚れたということがかつてなく、これからもないだろう」と著書(「あいまいなままに」日本図書センター)のなかで書いておられます。(ちなみに、彼をタイプ4w5と判定しています)

私と同じことを言う人がいるもんですね。でも、感動しないのに、よく美術館に行ったりギャラリーを覗いたりしています。

ところが、ごく最近になって、「現代芸術」というジャンルを知りました。やはり感動はしないままなのですが、驚かされることがよくあって、それで興味が湧いてきたという訳です。

たとえるならば、
Mr.マリックのマジックを見たような驚きとよく似ています。昨年の夏に知ったばかりのベルギー出身の「フランシス・アリス」の作品には、本当に驚かされました。少し紹介したいと思います。たとえば、「愛国者たちの物語」という映像作品です。

  

たぶんアリス本人(だと思う)が、一匹の羊を引き連れて登場します。一周するごとに一匹の羊が登場して、前の羊に従って広場を回ります。羊が17頭くらいになり輪になって連なると、最初の羊が1匹ずつ列から離れていくという映像作品です。

これは一体なんなのだ、トリックを使っているのか、羊の習性をそのまま利用しているのか、マジックなのか、どうなっているんだ、と、頭がかく乱されてしまいます。もうビックリです。

アリスはメキシコに在住していますが、次のように紹介されています。
「この作品はメキシコシティの中心部にある広場で撮られたもの。この広場は数々の弾圧があった場所で、政府が役人たちを招集して、自分たちを賛美させる集会を開こうとしたところ、不満を抱いた役人たちから「メー、メー」と羊の鳴き声が自然と沸き起こり、やがてそれが大合唱となったという「事件」があり、それを取上げた作品」

その他、「歩くこと」を作品にしたり、「眠ること」を作品にしたり、誰も考えつかないような発想の仕方をしている。

でも、ただ歩くといっても、その作品のために、メキシコシティでの徒歩歴は15年だとある。ロンドンに展示する作品のために、ロンドンを5年間も歩いたなどと、あまりに破天荒です。

大変な思いをして作品創りをしているのかもしませんが、そういうことを知らしめていない。努力したことを認めてもらいたいわけではないのだから…。

その逆で、楽しんでいるだけかもしれません。がしかし、そういうこともまるでわからない。観たい人が、観たいようにみればいいだけなのかもしれないが…。

ところで、
エニアグラムを知ってから、それまでと全く違う視点を得られたという体験をしています。また、自分をもっと掘り下げるには、さらなる異質な視点を持つ必要があるのではと考えさせられました。それを、思い起こしてくれたのが、現代アートなのです。

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