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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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/3に、中勘助という作家が、夏目漱石のことを「可愛らしい顔だった」と書き残している文をご紹介しています。漱石の教え子だった勘助が著した「銀の匙さじ」という小説を10代の頃に読んでいます。

旧字とか旧仮名が多くて読みづらいもので、あまり記憶に残っていないのですが、何気なく再読してみたら、面白くて仕事も放りだして一気に読了してしまいました。

中勘助のエニアタイプは予想通りのタイプは2w1でした。ところで、勘助さんから見た漱石は、可愛らしく見えたようですが、他の人からはそのように見えなかったかもしれません。

ですが、タイプ2からは、
タイプ4は可愛らしい人に見えることがあります。よく友だちになっていたり、親友になることも多いようです。

なぜならば、「お母さん・2」からは、「末っ子・4」は可愛らしく見えるのではないでしょうか。「長女・1」や「長男・7」よりも、そうなってしかるべきです。また、タイプ4の生徒ならば、タイプ4の教師・夏目漱石を可愛らしいと感じることはなかっただろうと…。

ところで、「銀の匙」は1913年(大正2年)に、朝日新聞に連載された小説です。夏目漱石が絶賛していたようです。延々と子どもの世界を描写しているだけなんですが、なんというか凄~い豊饒な世界で、圧倒されてしまいました。

彼は1885年(明治18年)生まれですが、自身の子どもの頃の遊びをそのまんま書き出したと考えられます。比べると、現代の子どもたちの世界は貧弱で薄っぺらで、情けないほど想像力が欠如していると考えざるを得ません。

この百年間で私たちが失ってしまったものが、どれほどのものだったのかと思い知らされます。ぜひともとお薦めしたい本です。以下の箇所は、そういうことなのか、驚きつつも妙に納得してしまい面白くも感じたので、少し転載しました。

なお、作者がタイプ2w1で短気ですから、癇癪もちの子どもたちがよく登場しよくケンカもします。でも、すぐにケロリとして尾を引きません。小学校の担任の先生も癇癪もちで、「カッとすると教鞭でぐらぐらするほど人の頭をぶったりした」とあります。

「それでも私は先生が大好きで…」などと主人公に言わしめています。「みんなの行
儀が悪いので、れいの癇癪がおこって先生の顔が火の玉みたいになると、生徒たちは縮みあがって鳴りをしずめてしまう」

ところが「私は平気のへいざで笑いながらみているので、見回りに来た校長さんが面白そうにしている私に“先生が怖くないか”ときいた。“いいえ、ちぃっとも”と私は答えた」

「“なぜ怖くない” “先生だってやっぱり人間だと思うから” 二人(担任と校長)は顔を見合せて苦笑いしたきりなんともいわなかった」

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