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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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童話のなかに迷い込んだような映画です。でも、人が死んで死後の世界へと旅立つまでの1週間のお話ですから、メルヘンチック(和製外語)とは言えません。是枝裕和さんの監督と脚本です。

前作の「誰も知らない」を観た時の衝撃がまだ残っていて、この映画も期待していましたが、期待外れではなかったのでご紹介したいと思います。

公式ホームページ
http://www.kore-eda.com/w-life/

冬、古びた洋館で死者たちは「一番大切な思い出を選ぶ」ことを求められます。その思い出をスタッフ達たちが聞き取り、映画となって再現されます。死者が、その思い出が頭の中に鮮明に蘇った瞬間に成仏できるというストーリーです。

是枝監督は次のように話しています。「思い出を語るシーンには、台詞を語る役者、実体験を話す役者、実体験を話す一般の人へのインタビューが入り混じっています。一般の人が語る実話にも、本人の演出や脚色、思い違いがまぎれ込んでいます。そういった記憶の虚と実の間で揺れ動く人の感情を、ドキュメンタリーとして撮りたいと思いました」

(ちなみに、製作スタッフが、老人ホームや公園や大学のキャンパスなどを訪れ、「ひとつだけ思い出を選ぶとしたら?」というインタビューを行い、500の思い出を集めたようです。その中から選ばれた10人が、本人(死者役)として映画に登場し、実際の思い出を語っています)

つまり、映画の中で映画作りをしています。お手のもんですね。さらに、映画作りのために多くの人から思い出を尋ねて、映画の中で映画作りするために他人の思い出探しに参加しているスタッフ…。うん?

人は一人で生きているのではない、と教えられる映画はよくありますが、この映画は、死後の世界に旅立つときも他の人たちと共同作業している、と言っているような感じです。まあ、死ぬ時も人の手を煩わせるしかないのですが…。

えっ? いえいえ、けっして怖い映画ではありません。毎日を大切に生きねばなあと、しみじみと素直にそう思えるのではないかと思います。

あっ、そうそう原ひさ子さんと由利徹さんが出演されていました。

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