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そこに、いつごろ創建されたのかわからない古い塔が、一面に生い茂った葦原に囲まれて立ち尽くしている。風が吹くと葦原がざわざわに唸りだす。なぜか、懐かしさに一杯になる、あの塔…。ずっと探し続けている。塔の秘密を解き明かすのは誰? 
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「僕の心の中にはこんな男の子が住んでいるのさ」と答えたのは、ある日のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ出版社の社長が、レストランのテーブルで盛んに子どもの画を描いている男を見て質問しますが、その回答が上記で、その画が後に「星の王子さま」になったようです。

 ところで、「星の王子さま」の本は我が家の書棚にあり1966年版です40年前に読んだままで長く忘れていましたが、一週間前に図書館でたまたまヒョイと偶然、目に留まったのが、「サンテグジュペリデッサン集成」です。

 ここには500点あまりのデッサン画が載っています。思いつくままに描いているように見えますが、「星の王子」のイメージからは程遠いものもあります。グロテスクなものや幻想的で怪奇的なもの、両性具有者などもあります。

 かなりまめに手紙を出す人のようで、そこにデッサンを添えています。母親への手紙がとくに多いことが耳目を引きます。その一部をちょっと転載します。
「それでも僕は門番のおばさんに話しをしようと中に入ります。その部屋ときたら、ぱっくり口をあけた真っ黒な穴にほかなりません。それに、外だってもう真っ暗です。すると突然、いちばん暗い片隅から恐ろしい声、陰気な声が聞こえます。そこを行くのは誰だ!」

 この手紙には暗い街とビルが描かれていますが、母親にこんなことを書いているんだ、と少し奇異に感じる人もいるのではないでしょうか。空想したことをそのまま書いているみたいです。また、姉にもよく便りを出しているようで家族の仲はよかったのではと予想します。

 ちなみに、彼のエニアタイプを「タイプ4w5」と判定しています。タイプ4は、「母親を強く意識するタイプであり、グロテスクなものにも関心が行き、アウトサイダー意識があり、中性的で想像力があります。本性は「小さな子」であり、「末っ子気質」と名づけています。

 なお、以下はネット上で見つけた名言集の中にあったものです。タイプ4の受け身な気質がよく出ています。尤も受け身ではあっても、ペンや絵筆をとると饒舌になり、自己表現豊かになるという人が多いタイプです。

 わたしは、自分が言う人間の共同体のなかに、もはや建築家としては住んでいなかった。その平和、その寛容さ、その安寧の利益を受けているだけだった。そこに住まわせてもらっているということを除いて、それについて何も知らずにいた。香部屋係か貸椅子係として住まわせてもらっているだけだった。したがって、寄生者だった。したがって、敗者だった」

 自分は建設的な役割をしているのではないようで、「香り部屋とか貸椅子係り」という、いわば無能な人間のようで、寄生者なのだとさえ言っています。このような自己像を持ちやすいのは、末っ子気質の人たちに起こり易いものです。作家として名を成しパイロットとして活躍しているにも関わらず、なぜ、そのような自分でいるのかを、彼自身もわからずにいたのではないでしょうか。生きていたら「エニアグラムを伝えたかった」と思うのですが‥。

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